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地上でいちばん難しいバレンタインの贈り物 〜天使が天使に恋してます!?悪魔と軍師も混ざる秘密の奇跡〜  作者: 久茉莉himari


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7/8

【7】恵方巻バーティ開催!〜KAWAII空間で、大天使は360度に挑む〜

翌日は、朝から快晴。


四人は、昼食をセレニス・ベイのレストランで取ることにして、

ルチアーノのフェラーリで、海沿いを走った。


ロクシーの好きな曲を、大音量で流し、

ロクシーとルチアーノは、ノリノリだ。


アンジュも、楽しそうに、

そんな二人と一緒に、音楽を口ずさむ。


そんな中――

ルシアンは、ただ一人、

悲壮な顔をして、前だけを向いていた。


今夜の夕食の恵方巻。


その食べ方を、頭の中で、何度もシミュレーションする。


――無駄のないスピード。

――そして、優雅であること。

――落ち度は、無い。


それを、何度も何度も、確認する。


やがて、レストランに到着した。


ガラス張りのレストランは、

冬晴れの海を映し、

真っ白なニットを着ているアンジュは、

光り輝くほど、美しい。


ルシアンは、目を直撃されないように、

アンジュから、そっと視線を外す。


――動揺して、恵方巻に、支障が出ないように。


だが、アンジュは、ルシアンに、色々と質問してくる。


それは、他愛のないことだ。


いつから、ルチアーノと行動を共にしているのかや、

ロクシーと一緒でいいな、など。


しかし、その他愛のない話が、

なぜか、ルシアンの心臓を、直撃してくる。


アンジュが、ホットチョコレートラテを飲みながら、

「そうだ!

久しぶりに、ルシアンの淹れたロイヤルミルクティーを飲みたいぞ!」

と言うだけで、心臓は跳ね、

「……御意……!」と返すのが、精一杯。


そんな二人を、

ロクシーとルチアーノは、

一見、微笑ましく見守っているように見える。


しかし――

今夜に備え、

ロクシーは、二人の会話を、軍師として分析し、

ルチアーノは、ロクシーの命により、

ミニ水晶玉で、全てを記録していた――





それから、ヴィラに戻ると、

ロクシーが、

「私たちは、夕食まで休憩するから、

ルシアンとルチアーノも、休憩してなよ」

と言って、

アンジュを連れて、自分たちのヴィラへと入っていった。


去り際に、アンジュが、

「ルシアン!

今夜の恵方巻、楽しみだな!」

と言った言葉が、

ルシアンの胸を、熱くする。


そして、

ルチアーノのヴィラのメインリビングに、

ルシアンも入ると、

ルチアーノは、髪をかき上げ、言った。


「ズッ友よ……。

お前の、最高のステージに相応しい衣装を、揃えてある……!

好きなものを、選べーーー!!」


そこには、数々のタキシードが、

衣装掛け用のポールに、ずらりと吊り下がっていた。


ルシアンの眼が、戦士のそれに変わる。


「……ルチアーノ……

節分というのは……神聖な儀式なのだな……!

恵方巻を食すことも……!」


ルチアーノが、再び、髪をかき上げる。


「そう……節分。節分は神聖……。

SumoのRikishiも関わる行事。

つ・ま・り!

無礼は許されんッ!

タキシードを選ぶのだ!」


ルシアンが、即答する。


「……理解した!」





そして、約束の夜7時。


恵方巻が映えるだろうという、ルチアーノのアドバイスで、

白いタキシードを着たルシアンと、

なぜか、羽織袴を着たルチアーノが、

隣のロクシーのヴィラを訪ねると――


そこは、

原宿の“KAWAII”が、完璧に再現された、

パーティ会場になっていた。


唖然とするルシアンに、

黒髪をツインテールにし、

銀色のチューブトップを着て、

真っ白な、ふわりとしたサイドに、深くスリットが入ったパンツを履いたロクシーが言った。


「じゃーん!

サプラーイズ!!

どう?私好みにしてみたの!」


ルチアーノが、扇子で、自分の頭をパチンと叩く。


「流石、ロクシー先生!

恵方巻パーティに、ピッタリでございます!」


ルシアンが、ガバッと、隣のルチアーノを見る。


「パ、パーティ……!?」


ルシアンの、上ずった声に、

ロクシーが、ジロリと、ルシアンを睨みつける。


軍師モード・オン。


「ルシアン……

あんたの失言は、

これくらいの規模にしないと、取り返せない。

分かる?」


「……そ、そうなのか?」


ルシアンの、無表情が、図らずも揺れる。


「そうよ!

努力してますアピールする男って、

女子からしたら、厄介な存在でしかない……!」


ルチアーノが、羽織りから、さっとネタ帳を取り出し、

ペンを走らせる。


ロクシーの瞳が、怪しく光る。


「だからね……。

このKAWAII空間で、

ルシアンが、恵方巻を、最高に格好よく決めて食べる!

きっと……アンジュちゃん……感動しちゃうだろうなあ……」


「確かに!」と、ルチアーノ。


「それと……

恵方巻って、“恵方”っていう、縁起の良い方向を向いて、

一言も発さず、食べきるのがルールなの。

でも、ここはアメリカ。

日本の恵方なんて、分からない。

だから……ルシアン、360度カバーして食べて!

そうすれば、失言も吹き飛ぶ!

それ以上よ……プラスになるわ!」


ルチアーノが、叫ぶ。


「ピンチをチャンスに変える……!

ロクシー先生……天才ですか!?」


すると――

「ルシアンとルチアーノよ!」と、

鈴の音のような、アンジュの声がした。


だが、その姿を見て――

ルシアンは、膝から、崩れ落ちそうになった。


アンジュは、

薄いピンク色の、ざっくりとしたニットと、ショートパンツに、

ニットと、お揃いらしき、モコモコのニーハイソックスというファッションだ。


そして、そのニットは、

背中が、ほぼ全部、出ていた――


理解が、追いつかない。


――あのニットは、どうして落ちてこないのだ!?

アンジュさまの、お身体に、張りついている……!?

まさか……イレイナのまじない!?


すると、ロクシーが、パンパンと手を叩いて言った。


「はいはい!

不毛な思考は、捨てて!

恵方巻パーティ、始めるよー!」





そうして、始まった、恵方巻パーティ。


まず、ルシアンが立ち上がり、

一礼する。

ロクシーの脚本通りに――


拍手をする、アンジュとロクシーとルチアーノ。


そして、ロクシーが、アンジュに言った。


「今から、ルシアンが、

恵方巻の正式な食べ方を、見せてくれるんだって!」


途端に、アンジュの顔が、

花が咲いたような、笑顔になる。


「なんと!

ルシアンよ!早く、見せてくれ!」


ルシアンは、静かに、「御意」と答えると、

目の前の、30センチの長さの恵方巻を掴んだ。


そして、恵方巻に、かじり付く。


ぐるぐると、その場で回りながら。


――静寂。


ルシアンの、もぐもぐと、恵方巻を咀嚼する音だけが、

リビングに、響く。


身体の軸を、一切、揺らさず、

ぐるぐると回り続け、

ひたすら、恵方巻を食べているルシアン。


その静寂を破ったのは、アンジュだった。


「……ルシアンは、何をしておる……?」


その顔には、

はてなマークが、浮かんでいる。


すかさず、ルチアーノが答える。


「アンジュちゃんの幸せを願うために、

ジャパンの儀式をしてるんだよ❤️

あれこそ、王子様☆

カッコいいだろ?」


そして、3分も掛からず、

ルシアンが、恵方巻を食べきる。


一礼する、ルシアン。


アンジュが、真っ白な頬を、薔薇色に染める。


「素晴らしいぞ、ルシアン!

流石は、大天使だ!」


ルシアンが、さっと跪く。


「……ありがたきお言葉……!

歓喜に、震えております……!」


胸に手を当てて答えるルシアンは、

息一つ、乱していない。


すると、アンジュが、ロクシーに向かって言った。


「ロクシー!

私も、ぐるぐる回って食べれば、良いのか!?」


その目は、

恵方巻に、釘付けだ。


ロクシーが、にっこり微笑む。


「ルシアンが回ってたのは、厄除け!

ルシアンが、厄除けしてくれたから、

アンジュちゃんは、カットしているのを食べればいいよ!」


そうして、アンジュの前に、

綺麗に、一口大にカットされた恵方巻を置く、ロクシー。


アンジュが、箸を使い、ぱくりと一口、食べる。


「美味しい〜❤️」


そして、ルチアーノが、ルシアンに向かって、しみじみと言った。


「ズッ友……

よく、頑張ったな!

アンジュちゃんは、お前に、もう夢中だ!ラブ❤️」


だが、ルチアーノの手には、

ナイフとフォークが、握られていた。


ナイフとフォークを使い、

優雅に、恵方巻を食べるルチアーノを見た瞬間――


ルシアンは、

その場に、パタンと倒れた。

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