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【完結】地上でいちばん難しいバレンタインの贈り物 〜天使が天使に恋してます!?悪魔と軍師も混ざる秘密の奇跡〜  作者: 久茉莉himari


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16/16

【16】恋を知った大天使は、もう戻れない。〜"永遠の恋人"と呼べた、その瞬間こそが贈り物〜

ルシアンが胸に手を当て、

目を閉じ、

朗々と詩の続きを詠み上げる。


「君の姿が暗闇の中に、

明るく浮かび出るのだ。


まことに君の影は、

夜の暗闇を明るく照らす。


見えない目にも、

こんなに輝いて見えるのだから、


昼の明るい光の中に輝き出たとしたら、

君の姿は、

どんなにか素晴らしい形を見せるだろうか。


昼の光の中で君を見られたら、

私の目は、

どんなに嬉しいことだろう。


何しろ夜の闇の中でも、

君のおぼろげな姿は、


重い眠りの中で、

目に焼き付いてくるのだから。


君を見られないなら、

昼も夜と同じだ。


君の夢を見られるなら、

夜も明るい昼と同じだ」


そして、

ルシアンがさっと立ち上がる。


その時、

ルシアンの視界に入ってきたのは――


アンジュの瞳に涙が浮かぶ、

真珠よりも美しい涙。


「ルシアンよ……素晴らしい!

ありがとう!礼を言うぞ!」


ルシアンが頭を下げた瞬間――


アンジュは、

眩い光に包まれた。





神の御前に、

天は静まり返っていた。


御座の周りを包むのは、

永遠の光――


沈黙すらも、

聖歌のように響く世界。


その中央で、

大天使ガブリエルがひざまずいていた。


無窮の光の中から、

神は穏やかに告げる。


「ガブリエルよ、よくやった」


ガブリエルは深く頭を垂れ、

純白の翼が光に包まれた。


「ありがたきお言葉……

このガブリエル、

感謝の念に絶えません」


神の御姿が霧のように溶けると、

ガブリエルは

自らの執務室へと戻った。


――しかし、

何度考えても分からない。


神の命……

「地上にて、聖人の効力を見届けよ」


見たっけ???


「よくやった」と

お言葉を頂いたってことは……

私は見たのか???


……ん!?


「セレニスの大聖堂に行って祈り、

聖書をバレンタインのプレゼントにしたのが、

正解だったのだな!


流石は私!

大天使ガブリエル〜♪」


と、

ガブリエルが

山のような報告書に手を翳そうとした時、


ガブリエルの天界の衣から、

ふわりと何かが舞った。


それは、

白い薔薇。


ルシアンから貰った、

真っ白で縁取りがピンク色の薔薇が一輪。


金色のリボンも付いたまま――


ガブリエルが、

さらりと薔薇を空中で掴む。


そして、

香りをそっと嗅いでみる。


薔薇は瑞々しく、

芳香が地上の出来事を思い出させる。


――なぜ、

この薔薇が天界に存在できるのか――


ガブリエルが

その疑問に気づいた時、


自分の頬を伝う、

一粒の涙に気づく。


そして、

ガブリエルが

自分の頬に指先で触れた瞬間、


薔薇の花は、

溶けるように消えていった。





その頃、地上では――


ルシアンは、

目の前で涙ぐむアンジュが、


大天使ガブリエル――

アンジュ――の"化身"になったことに

気づいていた。


アンジュさまは、

天界にお還りになった。


きっと、

地上での務めを終えられたのだ。


――だが、

それは、

私の預かり知らぬこと。


ロクシーは

嬉しそうに、

アンジュの肩を抱いている。


そして、

ルチアーノは、

目を丸くしてルシアンに言った。


「ルシアン……!

お前、

いつの間に暗唱出来るようになってたんだよ!?」


その本気の驚きを見て、

ルシアンは悟る。


ルチアーノは本当に、

『詩でも朗読しなさい!』

とロクシーに命じられた意味を

分かっていなかったのだと。


――絶対に、

暗唱は出来ないと――


だが、

ルシアンは、


アンジュの

バレンタインの贈り物、

聖書に触れた瞬間に感じた、


アンジュの持つ"輝き"が、

自分から溢れて止まらず、


愛の詩を引き受け、

詠んだ。


"恋は誰にも止められない"から――


そして、

アンジュさまは喜ばれた。


それだけで、

私の役目は終わりだ。


ルシアンが

そう納得していると、


雨が

ポツリポツリと降ってきた。


インフィニティプールに、

小さな水の波紋が広がる。


ロクシーが、

アンジュの"化身"と共に、

テーブルから立つ。


ルチアーノも、


「ルシアン!

俺様は聖書は触れないから持って来てくれ!」


と大声で言うと、


ロクシーから貰ったプレゼントの

ビニール袋を持って、

ヴィラに向かう。


ルシアンは目を閉じ、

雨に打たれていた。


その時――


頬に落ちた一滴の雨粒が、

熱いと感じた。


それは、

痛みすら伴っていて――


ルシアンは空を見上げる。


雪の中、

アンジュを抱きしめた温もりは、

嘘じゃない。


アンジュが、

自分のために、


雪の中、

バレンタインの贈り物を

調べていてくれたことも、

嘘じゃない。


ルシアンの瞳から涙が零れて落ち、

一滴の雨粒と混ざる。


それは、

光を放ち、


恋する人の面影となり、

ルシアンの心を満たした。


そう、

あの時感じた、

二人だけの世界が閉じてゆく錯覚は――


あのお方が

私の"永遠の恋人"だから。


――恋を知った私は、幸せだ。


これは、

はじまり。


バレンタインの贈り物。


それは儚く、

輝き、

あなただけに――


〜fin〜

ここまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)

これにて、この物語は完結です。

最後まで読んで下さり、本当にありがとうございましたm(_ _)m

どなたかの琴線に触れることが出来たら、幸いです。

最後まで応援ありがとうございましたm(_ _)m


明日は一話完結のロクシーのバレンタインの短編を公開します(^^)

軍師ロクシーのバレンタインをお楽しみに!


※作中のシェイクスピア・ソネット43は、AIで検索したものですが、推測するに『東京を描く』というサイトからの引用に思われます。『東京を描く』に私が直接接続出来なかったので確かめられませんが、こちらからの引用とさせて頂きます※


Xはこちら→ https://x.com/himari61290

自作のキービジュアルやキャラクターカード貼ってます♪


〈ルシアンとガブリエルをもっと知りたいあなたに…〉


【完結】大天使と“ズッ友”になりたい地獄の王。 〜柄物スーツに一目惚れしてから、すべてが始まった件〜


https://ncode.syosetu.com/n5195lb/


【完結】大天使ガブリエル、地上に爆誕!〜神の命がふんわりすぎて、祈ろうとしたら迷子になりました〜


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【完結】大天使たち、日本昔話に異世界転生する。〜初恋成就作戦を決行するポンコツ地獄の王に振り回されています〜


https://ncode.syosetu.com/n7024ld/


【完結】大天使ルシアン、最強捜査官になる〜神の沈黙と愛の証明〜


https://ncode.syosetu.com/n5966lg/


【完結】大天使と最強捜査官のクリスマス戦線 〜セレニスに集う者たち、愛か使命か〜


https://ncode.syosetu.com/n9868lk/


【完結】大天使と最強捜査官のクリスマス戦線〜聖夜の余白の物語〜


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【完結】地上でいちばん可愛い正月旅行〜天使と悪魔も福来たる、温泉・TOKYO・バタフライ〜


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【完結】大天使、悪魔のお見合いを阻止せよ!?〜地獄の王がお見合いを断ったら、大天使に婚約者が爆誕!〜


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