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【完結】地上でいちばん難しいバレンタインの贈り物 〜天使が天使に恋してます!?悪魔と軍師も混ざる秘密の奇跡〜  作者: 久茉莉himari


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11/16

【11】恋の階段を登ったはずなのに、落下しています。〜プレゼントはいらない宣言が、自分のせいだった件〜

翌朝、アンジュは、

薔薇の香りに誘われるように目覚めた。


ふと、サイドテーブルに目をやると、

一輪の薔薇の花。


金色のリボンが巻かれ、

小さな真っ白いカードが置かれていた。


『アンジュさまへ

昨日、花屋で買いました。

ルシアン』


ただ、それだけ。


アンジュは、

そっと薔薇の茎を持ち、

白い花弁にピンクの縁取りの薔薇の花の香りを、

目一杯吸い込む。


そして、キラキラと青い瞳を輝かせ、呟いた。


「ルシアンよ!

神の使命……私も協力するからな!」




そして、シャワーを済ませ、

メインリビングに行くと――


ロクシーが、

目の下にクマをくっきりと作って、

ソファで伸びていた。


そして、アンジュを見ると、

掠れた声で言った。


「……アンジュちゃん……。

私、昨夜、突発の仕事が入っちゃって……。

明け方に一時間ほど寝ただけだから……。

朝食食べたら、また寝るね……」


アンジュが慌ててロクシーに駆け寄る。


「ロクシー、大丈夫か!?」


「だ、大丈夫……!」


ロクシーはクマを作っていたが、

その目は鋭かった。


「……勝ち筋……見えたから、

朝食にしよう……!」


アンジュが小首を傾げる。


「……勝ち筋?」


そして、アンジュがロクシーを支え、

ダイニングテーブルへと向かった。




一方、隣のヴィラでは――


ルチアーノを支えるルシアンがいた。


「ルチアーノ……。

昨夜、一体何があった?

こんなに疲労困憊しているとは……」


無表情な顔に困惑を隠せないルシアンに向かって、

ルチアーノがキッと睨み付ける。


「お前の……!

初恋成就のバレンタインの作戦を、

朝までロクシー先生と立ててたのッ!

……あの人、本当に怖いぜ……!

間違った提案なんてしてみろよ……

論破どころじゃねぇ……!

俺様の精神を削ってくるんだよ……!

ゴリゴリとな……!

音が聞こえるぜ!!」


そうしてルチアーノが、

ドサリとダイニングテーブルにつく。


その瞬間、


「わーい♪美味そう!」


と、突然機嫌が変わるルチアーノに、

ルシアンの無表情に、

ほんの僅かな笑みが浮かぶ。


そして、珍しく、

おずおずとルシアンが言った。


「ロクシーは……その……

薔薇の花を、

アンジュさまの寝室に置いてくれただろうか?」


ルチアーノが無言で、

ずいっとスマホの画面を見せる。


そこには――


無防備に眠るアンジュの寝顔と、

サイドテーブルの薔薇の花が映っていた。


思わずルチアーノのスマホをひったくるルシアンに、

ルチアーノがムッとして言う。


「何すんだよ!?」


「……ルチアーノ……!

お前は、この画像を見たのか!?」


ルチアーノがポカンとした顔になる。


「……俺様が見たから、

お前に見せたんだろ?

酢飯の食い過ぎの後遺症か?」


ルシアンが黙って、

テーブルにスマホを裏側にして置くと、

手を翳した。


フフフと意味深に笑うルチアーノ。


そして、カフェオレを一口飲むと、言った。


「ハイハイ……嫉妬ね……。

お前、恩寵でアンジュちゃんの寝顔を消しただろ?

まあ、良いんじゃない?

お前も進歩したってことで♪ラブ❤️」


ルシアンの無表情が揺れる。


「……怒らないのか?」


「怒らないよー♪」


ルチアーノは楽しげに言うと、

ニヤリと笑った。


「それよりも、

俺様がヨガタイムを終わらせて、

仮眠を取った後に、

大事な話がある……!」




アンジュは、

ロクシーが眠ったので、

インフィニティプールで泳いでいた。


一昨日、

ルチアーノと買い物に行った時に、

自分で選んだ白いビキニで、

ゆらゆらと水に浮かぶ。


年間平均気温が20℃を超えるセレニスでは、

寒さも感じない。


アンジュの頭の中では――


昨日、帰り道で、

ルシアンの運転する車の中から見た、

大聖堂が蘇っていた。


行きがけの車の中で、

帰り道は助手席の方が大聖堂がよく見えると分かって、

助手席に乗ったのだ。


ルチアーノは違う道を走ったので、

気づかなかった。


車に乗り慣れているルチアーノのことだ。

きっと、裏道だろう、とアンジュは思う。


アンジュの予想通り、

大聖堂は夕陽を浴びて、

聖なる輝きに満ちていた。


アンジュは、その大聖堂に祈った。


私の使命の答えは、そこにある。

だから、ルシアンの使命が果たせますように、と。


ルシアンの資料のために、

また街に行って、

スマホで写真をいっぱい撮ろう!


バレンタインについて、

質問もしなくては……!


アンジュが、

太陽の光を浴びながら、

そう決心していると、


ロクシーの「お待たせー!」という

元気な声が聞こえた。




そうして、

ロクシーとアンジュのヴィラに、

ルチアーノとルシアンもやって来た。


四人で、

少し遅めのランチを取る。


みんなで食事を始めると、

まずロクシーが口を開いた。


「昨日、

アンジュちゃんのバレンタインの話を聞いて……

閃いたんだよね!


バレンタインの定義って、広くない?

大切な人なら、

カップルだけじゃなくて、

友達とか家族にも

プレゼントしても良いんじゃないかなあって!」


アンジュが、

感激に満ちた声を上げる。


「流石、ロクシー!

愛の定義は広いのだ!」


ロクシーが、

アンジュに向かってパチンとウィンクする。


「ありがとう、アンジュちゃん!

だからさあ……」


ロクシーの視線が、

ルシアンに向く。


「この四人、

全員でプレゼント交換しない?」


すると、ルチアーノが、

ガタッと椅子から立ち上がった。


まるで、

そうするのが当然かのように。


「ロクシー先生、それ、楽しそうですね!

友愛……それもロマン……❤️」


テーブルの下で、

ルチアーノの足が、

ロクシーに思い切り踏みつけられる。


ルチアーノは、

「……あがっ……」と言うと、

下を向いた。


ロクシーが、

ニコッとルシアンに笑いかける。


「……どう?ルシアン?」


「わ、私は……」


ルシアンが、

無表情から、複雑な顔になっていく。


すると、ルチアーノが、

何とか声を出した。


「……ズッ友……!

プレゼントは、

一つとは限らないんだぞ……!」


ルシアンの眼が、

瞬時に戦士の眼になる。


「……なるほど!

理にかなっているな」


その時、

アンジュが高らかと告げた。


「ルシアンよ!

お前は、私へのプレゼントは用意しなくていい!


お前には、

このリングを貰っておる!

これは大天使の聖なる誇りの証なのだからな!」


アンジュが右手を掲げる。


その中指には、

ルシアンが以前アンジュにプレゼントした、

千円でお釣りがくる、

くすんだ銀のホースシューリングが、


窓からの光を受けて、

光っていた。


アンジュの一点の曇りもない笑顔と共に。


ビシッ……。


――ロクシーとルチアーノ、そしてルシアンが固まった。

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