表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/69

命の洗濯のお時間③


「ダンジョン、ですか? 俺達今の所ホームに決めているダンジョンはないですけど……」


魔力の相性などから、特定のダンジョンをホームとして基本的にそのダンジョンにばかり潜っている探索者は一定数存在している。そういった人たちはそのダンジョンの近くに移住しているって話は良く聴くけど……今の所は俺達はそんな場所はない。燕三条は落ち着いたらまたいくつもりではあるけど、ある程度ドロップ品を収集して装備品が作れたら離れるつもりだしなぁ。あそこ人多いし。今回の佐渡ダンジョンの件で更に人増えそうだし。


「んー、そうじゃなくてさ。トワちゃん達は特にそうした方がいいと思うのよね」

「俺達だから」

「トワちゃん達、今人気でしょ?」

「それは……まぁ?」


こんなリラックスした状態で面と向かって言われると困るところはあるが、否定はしない。


愛らしい外見、魔法少女らしきものへの変身、突如現れた上位の実力者ということで知名度が爆増していたところに更に同じように愛らしい少女が増えたのだ。探索者内でのトップクラスとはいわないまでも現時点で言えば上位の人気を誇っているといえるだろう。この先はある程度うまくやらないと人気は落ちていくだろうけど、今の所ダンジョンで妙にトラブルに巻き込まれているのもをあるせいか人気は継続している。


「でもそれが何か?」

「んー、これから面倒な事になりそうだしね?」

「……あー、トワちゃん達今の所あんまり都心部とか動いてない?」

「ないですね」


現状のホームは千葉の地方都市だし、俺が有名になってからまだそれほど日にちはたっていない。今の所はダンジョンに向かうのと日用品や衣料品の買い出しくらいにしか大きくは動いていない。


「多分これからいろいろ面倒になっていくはずだから。トワちゃんは協会が今後の展望に関して少し前に発表したのは知ってるわよね?」

「それはまぁ勿論」


房総ダンジョンの後に、協会が発表した世界の壁とそれが薄くなっているという件に関するアレである。るーがポロっちゃって危うく怒られる羽目になるかと思ったあれだ。忘れるはずがない。


「あれで今後同様の事象が起きるって話になって、実際今回それがが起きたわけじゃない?」

「そうですね」

「これ幸いと、手ぐすね引いて待っていた連中が動き出すと思うのは間違いないと思うのよ。何かわかる?」

「メディアですかね?」

「そうねそれが一つ。ちゃんとこちらに取材許可を取ってくる真っ当なメディアはいいんだけど、アポなしで街中で仕掛けてくるようなタチの悪い連中がいるのよ。悪質なのは協会から厳重抗議したり場合によっては訴えていたりしているんだけど、連中どこからか湧いてくるのよね」


ゴ〇ブリみたいな扱い……


「でももっと面倒なのが、ダンジョン排斥派の連中よ。知ってる?」

「それは勿論」


ダンジョン排斥派。単純に言えばダンジョンを全て消失させろといっている連中だ。


一見危険のあるダンジョンに対してそういった事を求めるのは普通の事かもしれない。ダンジョンはダンジョンコアを破壊すれば消失はさせられるのは房総ダンジョンでも見た通りだ。


だが、ダンジョンが増え続けている現在、下手にダンジョンを減らす事は危険な事を協会は情報として公開している。


というのもダンジョンを消去させても、その空白地帯となった場所の近郊で新たにダンジョンが発生する可能性が非常に高いのだ。そしてそのダンジョンは元のダンジョンより危険な物になる可能性がある。だから協会はダンジョンの危険度とそのダンジョンから算出する資源を加味して"間引く"ダンジョンを決定しているのだ。


これは、実際過去にダンジョンを間引いた後に数か月、早い時だと数週間で新規ダンジョンが発生していることから実証されていることではあるんだけど……それを信じずにダンジョンの新規発生と消失に関連性はないと喚きたてる連中や、酷いのになると新規ダンジョンを生み出しているのは協会や大魔導だという連中までいる始末なのである。当然ちゃんとしたデータ的な根拠はない。


まぁ大魔導がやってきて安定するまで被害を受けた人間はダンジョンを無くしたいという気持ちになるのはわからなくはいけど……だったらちゃんとダンジョンを封じる方法を提案して欲しいものだ。現状まだ大魔導におんぶにだっこに近い状態なのは否めないし、彼女(と勇者)が呆れて元の世界に戻っちゃったりしたらこの世界は終わりかねないのを理解できないんだろうか。できないんだろうな。過激派に至っては探索者達は平和の為に働かなくてはいけない、更に危険だから常時監視して管理下に置くべきなんていう自由のない奴隷みたいな扱いをしようとしている連中までいるらしいし。


「今後も似たような事象は起きるのは間違いないと思うわ。その度にそういった連中は活性化する。特に地上に被害が出たら鬼の首を取ったように騒ぎ出すでしょうね」

「それはわかりますけど……それとダンジョンの側に住む事に何の関係が?」

「協会のサポートが受けられるからよ。特に大きなダンジョンの場合近郊も協会の管理区域になっていて、その中の物件の貸し出しに関与していたりするからその中であれば少なくとも家にそういった連中がおしかけてくる可能性はかなり低くなるわ」

「……成程!」


確かにな。それでなくても知名度とかを考えれば普通の街中に住んでいると周辺住人にも迷惑をかける事になると思うし、充分にアリだな。


「ありがとうございます。その方面で探してみようと思います」

「役に立ったかしら?」

「かなり!」

「ふふ、良かったわ」


その後も探索者に関して都下でいくつか話を聴くことが出来て、有意義な時間を過ごすことができた。……ちょっと話に盛り上がっちゃって髪を洗って欲しいるーを不機嫌にさせてしまったのは失敗だったけど。(その後丁寧に髪を洗ってやり、背中とかも洗ってやったら機嫌よくなったけど。寝る前にまたちょっと風呂の事を持ち出して機嫌悪くなったフリをしてたけど、あれは単純に一緒の布団で寝たいためだけの演技が見え見えだった。付き合ってやったけどさ)。


そうして翌日、東風ヶ瀬さんとは一緒に食事(朝なのにすげぇ喰ってた。あの細い体のどこにアンナに入るんだ……)をとったあと連絡先だけ交換して、お別れとなった。まぁ別に今生の別れでもなく、それこそ佐渡ダンジョンで何かあったらまた呼び出されるんだろうな……なんて思ってたんだけど。


俺とるーは思ったより早く、彼女と再会することになる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ