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船上にて①


「こっちの船は随分早いんだねぇ」


窓際の席で窓の外を眺めながら、るーがそう口にする。


あの配信から更に数日が経ち、俺達は今海上を走る船の中にいた。


丁度あの日の翌日、ダンジョンの生成が起こった。懸念された生成時のモンスターの地上への出現や、出現に伴う人の生活圏への被害は殆どなく、ここ最近でのダンジョン出現の中では比較的穏やかと言えるものだったらしい。これにてひとまず出現予測地域の周辺に敷かれていた警戒網は、解除されたものではないもののレベルを落としたものとなった。今後は警戒自体は協会直属の探索者を中心に行われていき、最終的には新設される管理支部に引き継がれるハズだ。


ただ、じゃあ集まった探索者達が解散になったかというとそうじゃない。


新規発生したダンジョンは一般開放される前に、上位の探索者達で調査が行わている。ダンジョンの内部の環境や出てくるエネミーは千差万別の為、その危険度を調査してランク付けをするためにだ。


集まっていた探索者は一部はこのまま現地を去るが、そのまま残ってこの探索に協力するものも多い。


協会からはこないだの俺の時と同様ちゃんと報酬が出るし、協会からの印象や評価もあがる。そして何より準一級や二級にとっては一級への仲間入りを可能にするかもしれないアイテム、”Mysterious(異世界の) Drops in(不思議な) Another(落とし)world()”の頭文字を並べ替えてMAD、あるいはMAD(ばかげた)アイテムと呼ばれる異世界産のアイテム(先日の蔵元のロボットとかがそれ)を手に入れるチャンスでもある。だからそこそこ拘束されるこの仕事に参加する探索者も同じなのだ。


そう、基本的にはそういったメリットもあるため、それに参加するものは基本事前の警戒網に参加していた探索者の参加が優先される。


だがそれ以外の探索者でも一部追加で参加する人間が存在する。防衛戦には向かないけど探索には有効な能力持ちの人とか、協会の別件の仕事をしていて警戒網には参加できなかった人とかね。


この船は、そんな関係者を乗せて現在目的の場所へ向かっていた。


ジェットフォイルと呼ばれる高速で海上を疾走するこの船の行き先は佐渡島。今回のダンジョンの出現場所だ。


リスナー達の予想通り、ダンジョン出現後、俺とルーティエは探索の人手としてお声が掛かった。というのも今回、勇者だけではなく大魔導も探索に不参加となったためだ。どうも今回のダンジョン、マナの状態が不安定な所があるらしく、そこを安定させるために手が離せないとのこと。


その結果最大戦力である特一級が二人とも参加できなくなったので、そのかわりに探索者の生存能力を大幅に上げる事に繋がる能力を持つ俺達にお声がかかったというわけだ。


そしてこの船に乗っている探索者は当然俺達だけではない。


「ルーティエさんは船に乗るのが初めてなのね」


俺の反対側に座る女性、刹那さんもその一人だ。彼女は別件の仕事を行っていて、それが完了して向かう途中だという。ちょうど乗船前の待合室で再会したので、その後こうやって一緒に行動している感じだ。


「基本向こうの世界じゃ俺達は長距離移動は空飛んでましたからね」

「あー……」


当然船はあったけど、俺達の場合は空飛んだ方が全然早いからね。向こうの世界だとマナの回復速度も速いから空飛ぶくらいなら大してマナの消費もないし。


大量物資を運ぶにしたって、るーの亜空間にぶち込んで運べばいいだけだったからな。普通の人間ならともかく女神の眷属には、船に乗る意味がまったくなかったのだ。


「でもだとしたら酔ったりしない? 大丈夫?」

「航空戦で割と無茶な軌道とかしてたりしますからね、そうそう酔う事はないと思いますよ」


揺れの質によって酔う人と酔わない人がいるらしいから断言はできないけど、乗ってそれなりにたっても特にるーの様子には変化ないし問題ないだろう。俺は昔から乗り物酔いしたことないから大丈夫だ。


……ちょっと嘘。こっちの世界ではないけどファーマントでは最初の頃空飛んでめっちゃ酔ったね。そりゃあんな変則軌道で飛んだら酔うって!


<<酔ってグロッキーになっている久遠も可愛かったわ❤>>


変な性癖を人の脳内で出してくるなよアイリスゥ!




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― 新着の感想 ―
遣い手が好き過ぎるインテリジェンスウェポンも考えもんやなw
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