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世界の壁

《ディバインアームズ経由でこっちの言語知識をルーティエに与えておいたわ!》


……そういや俺が向こうの世界に行った時当然他の人間の言葉なんてわからなかったんだけど、アイリスを受け入れたら途端話わかるようになっていたっけ。そりゃ人の体の性別を変えるくらいのことが出来るんだし、それくらいのこともできるよな……まぁるーがこっちの言葉喋れないとるーと話した後皆に改めて通訳しないといけなくなるから、助かったといえば助かった。


『向こうの世界でのトワちゃんのパートナーか』

『二人とも愛称呼びなのかな? 仲いいね!』

『ところでなんでトワちゃんはくーって呼んでるの?』


「? だってくーはくお」

「わーーーーーーーっ!?」


興味深そうに流れるコメントを見ていたるーが口に仕掛けた言葉を、俺は慌てて大きな声を被せて遮る。

あぶねー! 偽名で配信している意味がなくなるところだった! いや下の名前だけだからそこまでじゃないかもしれないけど、久遠って名前、キラキラネームではないにしろ珍しい方の名前だしなぁ……まぁ顔出し配信しているから名前だけなら大した話ではないかもしれないけど。


とりあえずちょっと画面の前から少し離れてるーに耳打ちしたらこくこく頷いたので、改めて画面の前に戻る。


『鼓膜ないなった』

『本名バレしかけてて草』


というか冷静に考えてみると、これこっちきたのがるーだけで良かったな。他の面子は大体久遠呼びだから速攻アウトだったぞ。


とにかく話を逸らそう。


「えっと……るー、ところで本当にどうやってこっちに来たんだ?」


咄嗟に頭に浮かんだ、さっきも聞きかけた話題を口にする。


これは一番気になる部分である。確かにるーの転移能力を持つ"空間"のディバインアームズには世界を渡る力がある……というかそもそも俺をこっちの世界に送還してくれたのも彼女だ。たださすがに次元渡りを行うのは非常にコストが重く、彼女の杖のカートリッジにフルフルでマナを蓄積しても不可能。他の杖との連携と、補助装置に蓄積したマナを利用してなんとか実施したハズだ。


他の杖との連携はともかくオリジナルのディバインアームズと連携できる補助装置は蓄積効率が悪く、さらに蓄積しないといけないマナも膨大だったため必要マナを集めるのはかなりの時間がかかるとの事だった。


るーは「絶対にくーの所に遊びに行く」と宣言はしていたのでいずれは来るだろうとは思ってたけど、早くても半年以上より先になる想定だった。なのにその半分程度の時間でこちらにやってきたのは謎だ。


その俺の問いに、彼女はあっさりと答えた。


「なんかしらないけど、くーの世界の壁がめちゃくちゃ薄くなってたんだよ。だから私のマナだけで充分こっちこれたよ?」

「世界の壁……」

「前に説明したよ? 本来各々の世界には世界を覆う壁というか繭のようなものがあるって。普通はその壁突破するのにめちゃくちゃマナがかかるんだけど、最近それがすっごく薄くなってたんだよ」


あー、そういえば帰還方法自体はあるって話を教えてもらった時に聞いた気がする。結構前の事だったし、あっちの生活はくっそ密度が高かったから頭の片隅にしまいこまれてたわ。


『最近って……もしかしてトワちゃん達が潜ってた時のアレが関係してる?』

『世界の壁かぁ。以前ファミィさんがそんな事話してたね』

『元々それが薄くなった影響でダンジョンが発生したって事だし、更に薄くなることも予想されるとは言ってたね』

『うわ、マジか。もしかしてヤバいのでは?』


確かにタイミング的にも起こった事象的にもこの間の房総ダンジョンの件が関係してそうではあるなぁ。


『ところでトワちゃん、この話って俺ら聞いてていいものなんだろうか』

「あ」


そうだよ、これ今協会の方が調査している件じゃないか! 不可抗力とはいえ協会から公式発表もないウチに話題に出てしまったのは不味かったのでは?  事故配信で終わらせないために配信続けた結果玉突き事故起こしてない?


「……俺今から協会にいって土下座してきた方がいいかな?」


『土下座はしないでいいけど、連絡は入れた方がいいかもねー』

『ルーティエちゃんの事も連絡しないといけないしね』


ああ、異世界人と接触した場合は連絡が必要なんだっけ。


「? くー、どっか行くの?」

「そうだな……ちょっと出かけるか。るーもちょっと付き合ってもらうよ」

「うん、いくいく」


こくこく頷きながら、るーが俺の左腕に抱き着いてくる。

電話連絡だけでいいかなと思ったけど、さっさと協会に連れていって検査させた方がいいだろ。

服は……多分空間格納で持ち込んできているだろうけど、あっちの服じゃ目立つからな。るーは俺よりも小柄だからとりあえず俺の服貸すか。


「とりあえず、協会に報告とかするから早いけど今日はここまでにするね。また近いうちに配信するよ」


『了解!』

『楽しみにしてる~』

『怒られてきてらー』


さて、それじゃ協会に連絡するかぁ。怒られないといいなぁ。




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