中層突入しました
まぁ隊列決めたけど、ぶっちゃけこの面子で上層だと過剰戦力でガンガン進むだけなのであまり意味がない。
あまり時間をかけるわけにもいかないし上層に関しては特に変化はなくルートも判明しているから最低限の路を塞ぐモンスターだけ倒して、俺達は上層を一気に駆け抜けて中層へ突入した。
上層に関しては、特に語るような事はなしだ。モンスターとのエンカウントはそれなりにあったけど前を走る各務さんと藤原さんの二人が一刀のもとに切り捨ててしまっていたので、俺と泊さんはその後ろを走っていただけである。
あと何かあったかといえば、やっぱり泊さんがこっちをちらちら見てた事くらいかな……まあ、横でこんな格好した女が走ってればどうしたって視線は向いちゃうだろうから、あえて突っ込む気はないけど。胸は揺れるわ(といっても謎パワーで固定されていて下着付けているのと変わらないので、そんな派手には揺れないけど。いやだったら完全固定して欲しいんだが)、スカートはひらひら舞って大きく太腿が覗き出るしだもんな。
最初の時ほど露骨ではないし横を走ってたから彼の事をそんなに見てたわけではないので、そこまで気にはならない。たまに彼の方を向いたときに慌てて視線を逸らされた位?
いや泊さんほんと外見は悪くないし実力もあるから普通にモテそうなのに、なんでそんなんなのか。いやそんなんだからか……
後、視線といえば配信のリスナーもそうか。当然リスナーに関しては、直接視線を感じているわけではないんだけど。
基本的に配信用のドローンは状況がよくわかるように自分の後方に配置していたんだけど、その映像を見てるリスナーのコメントの一部がこう。
『肩甲骨エロい』
『ドローン、もうちょっと低くならない? なんかこう……腰の高さくらいに!』
『真上からのアングルでお願いします』
『ふともも! ふともも!』
全部がそうだというわけではなないが、それなりに目の付く量でこんな感じのコメントがある。
わりと酷くね? 女性の探索者の配信とか大概こんなんなん?
と思ったけど、よくよく考えたらこんな格好でダンジョン潜ってる女の子はそうそういるわけなかったわ……というか普通こんな格好で配信してたらそっちを売りにした配信と思われるだろうし、こういうのも集まってくるか。
あまり度がすぎると普通の人がコメントしづらくなりそうだから突っ込むべきだと思うけど、この格好で言っても説得力あるかなー……後、俺の中身が男だからと思って露骨なコメントを投げてる奴がいるかもしれない。
いっそのことコメントを消してやるかとも思ったが(どうせ反応できないし)、今後この格好でも配信やってくならある程度この手のコメントをスルーするなり上手くさばくなりできないとだめだよなーと思って放置している。まTOP配信者になりたいわけではないから、あまりひどいようだったら注意するんでよかろ。
それに正直上層では俺は走っているだけだったから、俺が応答しない以上コメントするような内容もあまりなかったからなぁ。中層以降になるとコメントの内容も変わってくるだろ。
という探索とはあまり関係ない期待も持って、中層に突入したわけである。
数日前に見た景色が、そこには変わらず広がっていた。
「下の階へ降りるルートは解ってるんだよな?」
ややペースを落としこちらを振り向いた藤原さんの言葉に、俺は頷く。
「上空から確認済みです。向こうの方ですね」
前回脱出ルートを確認した時に、俺達がやってきた場所とは丁度エリアの反対側の辺りに大きな穴が見つかった。恐らくそれが下の階へ続くルートだというのが、協会や各務さんの見解であるし、俺もそう思う。
「了解だ……ここからはさすがにちょい警戒していくか」
「その方がいいでしょうね。前回も生息しているモンスターを全て確認できているわけではないし」
藤原さんの言葉に各務さんが頷き、これまで並んで走っていた二人が左右に広がった。それに応じて泊さんも位置取りを変える。
あれ、これ俺が守られてない?
……いや、変身状態であってもこちらの世界での経験値は俺が圧倒的に劣っているんだから彼らがそうするのも当然か。それにまだ力は温存で行きたいところだしな。このポジションは有難く受け入れさせてもらおう。というかなんの合図もなく二人の動きを見て位置取りを変えた泊さんもさすが準一級って感じかな。なんとなく情けなさがでてた表情もキリっとして……その表情を普段から維持していればいいのに……
それにしても普段組んでるわけでもないのに阿吽の呼吸って感じがあるけど、結構な頻度で一緒に仕事してるのかな? 俺も向こうの時は同僚とは戦場で言葉を交わさなくても結構意思の疎通できていた気もするしな。
単純に全員が実力者だからってだけの可能性もあるけど。
ま、とにかくだ。護られポジションぽいけど仕事しなくていいってわけでもないし、気合を入れなおしていこう。




