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ひとつ空の下、月今宵のブルームーン

作者: 逢乃 雫

こころに吹きゆく


風に行き先を

 


訊ねながら歩く


月今宵の白い砂浜で



地図のない(そら)


描かれていく星座の



光の座標を


瞳でたどりながら




風は目には


たとえ見えなくても



ささやくように


さゆらぐ木の葉に



銀色にたなびく


(すすき)の穂波に



舞いゆく


軌跡を感じながら



涼やかな虫の鈴音


夏に手をふる


袖振草(そでふりぐさ)を見つめて



ルリマツリの花は


青い月のように




月今宵の


風に吹かれながら



どこへ行っても


何をしていても



見上げれば


ひとつ空の下で



ビルの谷間で


まどろむ瞳のような


三日月も



山間の彼方に


かじった果実のような


半月も



流れる彩雲から


微笑むように顔を出す


満月も



時に欠けながら


時に満ちながら



月は青い


惑星の夜を照らして




月今宵の


風に吹かれながら



見えるものだけが


全てではなくて



満月でない時も


姿の見えない夜も



月は変わらず円く


この星の


そばにいるように



こころもまた


きっと月のように




月が見えない夜を


人は新月と呼んで



これから満ちゆく


光を信じて



これから道ゆく


一歩ずつを踏みしめ



あの月のように


自分は、自分らしく



そして


照らしてくれる光に


感謝しながら



夢もまた


叶えてはじめて


輝くのではなくて



叶えようと


今を生きていく


それが輝きとなって




ひとつ空の下


この空でつながり


言の葉でつながって



それは


かけがえのないこと



地図のない宙に


描かれていく星座



ひとつ空の下


煌めく光は


月今宵の、ブルームーン






















月今宵つきこよい」は、十五夜(中秋の名月)のことで、2024年は9月17日です。ススキ(芒)は「袖振草そでふりぐさ」とも呼ばれ、赤紫の花が咲き、花言葉は「心が通じる」です。


ルリマツリ(瑠璃茉莉)は、青い花びらから「ブルームーン」とも呼ばれ、花言葉は「いつも明るく」です。


英語で“once in a blue moon“は、「めったにない」という意味で、ここではひとつの空の下で、言の葉を通じてつながることの、かけがえのなさを表現させていただきました。


季節の星や花をモチーフに、詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
[良い点] やはり、雫様の詩は心の奥底に響き、優しさと安堵感がありますね(*^^*) とても、良い詩です(^^) 「叶えようと 今を生きていく」と言う部分にはとても強く心が揺さぶられます。 [一…
[良い点] 最も好きな季節が秋なので、逢乃様の秋の詩をとても楽しみにしておりました。 そしたらまさかの月がテーマ!←何だかんだでどの星よりも月が一番好き とても嬉しくて噛みしめるように読んでしまいま…
[良い点] >ひとつ空の下 この空でつながり 言の葉でつながって それは かけがえのないこと この言葉がとても心に残りました。 ススキが夏に手を振る、、袖振草という表現もはっとしました。月と似合いま…
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