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初恋☆リベンジャーズ  作者: 遊馬友仁
第一部〜ドラ・ドラ・ドラ!我レ復讐ニ成功セリ〜
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幕間②〜白草ヨツバのクローバーフィールド・その2〜前編

――――――『白草四葉のクローバー・フィールド』


「クローバー・キッズのみなさま、今日もようこそ〜! クローバー・フィールドの白草四葉です!」


――――――今回から撮影場所が変わっています。


「はい、みなさんお気づきのとおり、今回から、この動画の撮影場所が変更になりました! 詳細は、最後に説明するけど、快く協力してくれた二人に感謝〜! そして、今回のテーマは……以前に好評だった、みんなから《ミンスタ》にいただいたメッセージをもとに、『彼氏にしたい男子の特徴!』の第二弾を発表していきたいと思います! わ〜拍手〜」


――――――今日も、ヨツバさんのテンションは高めです。


「前回は、王道・お約束・多数派のご意見を中心に紹介したんですが……今回は、少数派の中から、個人的に『わかり味が深い』と共感したご意見を取り上げさせてもらいました!それでは、さっそく、紹介していきましょう!」


――――――#1 普段は頼りになるのに、自分の前だけ甘えてくる男子


「これはね〜前回の特集では、『困っている時に頼りになる男子』っていうのを取り上げたんだけど……いつもはクールだったり、頼りになるのに、二人きりのときは、自分にだけ甘えてくれる…………よき………………(しみじみ)」


――――――意識が異世界に飛んで行っています。


「あぁ〜、このヒトは、わたしにだけ素の自分を見せてくれてるんだ〜、って感じられるのが超エモいよね……オンとオフのギャップって言うの? それが、最高に萌えるって言うか……男子も『ツンデレ』の女の子が好きだって聞くから、この感覚はわかってもらえるんじゃないかな? 知らんけど……」


――――――知らんのかい!? でも、ツンデレ・キャラが人気って認識は、もう古くない? 知らんけど(笑)


「と・も・か・く!!このギャップとか、普段とは違う姿を相手にだけ見せるっていうことは、とても大事だから、ぜひ参考にしてみてね! じゃあ、次のメッセージ!」


――――――#2 少女マンガに出てくるキャラみたいな男子


「…………だよね! 『今どき、少女マンガって……』『価値観、古くない?』なんて、思うかも知れないけど……大事なのは、『なぜ、何十年もの間、女子たちの間で少女マンガが支持されているのか?』ってことですよ! それは、少女マンガが、恋愛の教科書だからです(断言)」


――――――そこは、「知らんけど……」で、逃げないんだ?


「『アオ◯ライド』、『君◯届け』、ちょっと古いけど『花よ◯男子』……これらの作品には、女子の夢が詰まってるんです! ちなみに個人的に女子にオススメしたいのは、『好きって言◯せる方法』! モテ技を駆使する女の子が主人公だから、恋愛の参考になる描写が、とっても多いよ!」


――――――今回の動画は、男子向けなんじゃなかったの(笑)? 男性向けでオススメのマンガは?


「男性向けなら、やっぱり、『か◯や様は告らせたい』かな〜? これって、女性作者だけど、連載してるのは、青年誌だよね? 少女マンガのパロディ回みたいなのもあったけど、男子も読みやすいマンガだと思うし、一部では、《JKのバイブル》なんて言われてるみたいだし……」


――――――アニメも、実写映画も、ヒットしたもんね! 今度は、オススメのマンガや映画について語ってみますか?


「あっ! マンガや映画について話すなら、《竜馬ちゃんねる》の二人にも協力してもらった方が良いかな? このあと紹介する企画が終わったら、相談してみよう! では、次が最後のメッセージ!」


――――――#3 映画のエンドロールを最後まで一緒に見てくれる男子


「これは、今までに比べて、グッと具体的な特長になるんだけど…………個人的には、一番共感できると感じて選んでみました! 『なんで、そんな細かなことまで気にしなくちゃならないんだよ⁉』って思う男の子もいると思うけど、女子は、意外とこういうところ、気にするのよ……」


――――――そういうものなの?


「映画館で、映画を見終わったあと、最後までエンドロールを一緒に見てくれると、『あ〜、自分と一緒にいる時間を大切にしてくれてるんだな〜』って嬉しくなるよね? 逆に、エンドロールが始まった瞬間に、サッと移動しようするヒトは、『自分と一緒にいる時間は楽しくないのかな?』って感じちゃう……」


――――――ずいぶん、個人的な意見だね?


「今回は、少数派の中から、個人的に共感したご意見を取り上げさせてもらう企画だから、ちょっと個人的な見解も許してね! というわけで、今回のメッセージの紹介は、ここまで! このあとは、新しい企画のお知らせです!」


――――――新・企・画・発・表 !!


「《ミンスタ》でも触れていたとおり、このたび、わたしと同じ高校生ユアチューバーの《竜馬ちゃんねる》のホーネッツ1号さん&2号さんとコラボレーション企画を行うことになりました! いぇ〜い! 拍手〜!」


――――――ホーネッツ1号さん&2号さん、よろしくお願いしますm(__)m


「企画の詳細は、次回の動画で発表しようと思うんだけど……今回の企画とも関連がある内容だから、恋バナ好きなクローバー・キッズのみんなは、期待しててね! 特に、ホーネッツ1号さんには、大いにがんばってもらうから、楽しみにしてほしいな」


――――――企画の詳細は、次回発表! 乞うご期待!!


「それじゃ、今回はここまで! この動画の内容が面白いと思ったら、チャンネル登録と高評価のボタンを押してね! 以上、白草四葉でした! バイバイ」





 動画を見終わった壮馬が、アプリを閉じて、隣の竜司に声をかける。


「殺風景だった竜司の部屋も、白草さんの動画では、それを感じさせないところがスゴいよね」


「余計なお世話だ……」


 竜司は、親友の言葉に応じつつ、深くため息をつく。

 彼の大きな嘆息には、二つの大きな理由があった。

 一つ目は、寝泊まりをしている自室に関わることだ。

 竜司たちに、動画の企画コラボを申し入れた四葉は、同時に、自身の動画の撮影用スタジオを探していることを打ち明けてきた。

 その言葉に、自分たちの編集スタジオを提供することを提案したが、その一室の壁に所狭しと貼られた男子御用達の映画ポスター群が、白草四葉の配信する『クローバー・フィールド』の雰囲気にそぐわないと難色を示され、逆に、引っ越し以来、部屋の模様が大きく変化していない竜司の自室の使用を打診されたのだ。

 彼女の申し出に、


「まあ、一時的なことなら……」


と、渋々ながら了承した竜司だったが、次々と持ち込まれる四葉の編集用機材(と同時に男子からすると私物としか思えないモノも含む)に、自室の利用を許可したことを後悔しはじめていた。

 さらに、彼の眉間に深いシワを刻まれている原因は、もうひとつあった。

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