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初恋☆リベンジャーズ  作者: 遊馬友仁
第二部〜カリスマ女子高生になったわたしに、初恋の彼が全校生徒の目のまえで告白してきたけど、もう遅い!〜
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第4章〜推しが尊すぎてしんどいのに表現力がなさすぎてしんどい〜⑭

ただし、それは、


「これ以上、こちらの事情にプライバシーには立ち入ってくれるな!」


という意思表示にも感じられて、くろセンパイとのことについて、アレコレと口を挟まれたくないワタシとしても、彼女の考える、きぃセンパイと紅野センパイとの関係性に関して、深入りすることはやめておくべきだ、と思わせるものだ。

 暗黙の休戦協定が結ばれたことで、お互いに相手のデリケートな部分には、触れないでおくことを心がけることにした。


「こちらこそ、ちょっと慌ててしまって、すみません」


 ワタシの方からも、お詫びの言葉を述べたあと、今回、彼女の話しを聞かせてもらった当初から疑問に感じていたことをたずねてみる。


「ところで、天竹センパイは、どうやって、きぃセンパイと紅野センパイの仲を近づけよう

としているんですか? なにか具体的に考えていることがあるなら、内容によっては、協力させていただこうと思うんですけど……」


 そんなワタシの問いに、上級生は、困ったような笑みを浮かべながら答えてくれた。


「それが……まだ、検討中でして……詳細が決まれば、佐倉さんにもLANEで、お知らせしたいと考えています」


「わかりました。天竹センパイが、どんな計画を思いつくのか、楽しみにしています」

 

 笑顔で答えると、彼女もほほえみながら、


「ありがとうございます」


と言って、うなずく。

 どうやら、天竹センパイからは、今日の本題を語り終えたようだ。

 そうして、会話が一段落し、落ち着いたところで、「あっ!」と声をあげたワタシは、ある重大なことに気づいた。


「会話に夢中で、モーニングセットの写真を撮るのを忘れてた……」


 思えば、自分たちのテーブルに注文したセットが運ばれてくる直前に、天竹センパイが、くろセンパイの名前を出してきたことで動揺してしまったことが、大きな原因だと感じるんだけど……。

 さすがに、そのことで、彼女を責めるわけにはいかない。


「ごめんなさい。写真を撮る時間を設ければ良かったですね」


 そう言って、申し訳なさそうに謝る上級生に恐縮して、


「いえいえ、謝らないでください。ここのカフェは、マンションからも近いですし、また来れば良いですから!」


と返答すると、彼女は、いたずらっぽい笑みを浮かべながら応じてくれた。


「そう言ってもらえると、ありがたいです。今度は、黒田くんを誘ってみてはどうですか?」


「イイですね! 朝から、くろセンパイと一緒なら、そのまま二人の午後の予定も決めちゃったりして!」


 ワタシも、前向きに同意して、同じフロアに住む彼との休日ブランチに想いをはせる。


「今日のクロワッサンも美味しかったし、今度は写真を撮ることを口実に、くろセンパイに声をかけてみようかな? まぁ、今日みたいなときでも、SNSで大活躍のあ《・》の《・》セ《・》ン《・》パ《・》イ《・》は、撮影や投稿にも抜かりなさそうですけ

ど……」


 目障りな存在だと感じている特定の上級生を思い浮かべながら語ると、一緒にモーニングを食べ終えた目の前のセンパイは、


「そののことですが……」


と、意味深に前置きをしたあと、ワタシに、こんな忠告をしてくれた。


「余計なお世話かもしれませんが、白草さんの行動には、これからも注意を払う方が良いと思いますよ。彼女は、本当にナニをしてくるかわからないヒトですから……」


 冷静なセンパイの一言を耳にした瞬間、ワタシは、前日、白草さんが立ち去った後に、きぃセンパイから、


山中(やまちゅう)時代の放送音源を聞いてみたい、ってリクエストがあったんだけど……」


という報告を受けたことを思い出した。

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