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スキル「PV」は閲覧数に応じて強くなる  作者: ジブン
第一章 0〜1922 〜旅立ち〜
2/23

第二話 24

 翌朝。


 早起きの両親より先に起きて、俺はステータスと「PV」スキルを確認する。


ーーーーーーーーーーーー


名前:マルク

年齢:15歳


レベル:3

最大体力:15

最大魔力:1

力:6

魔力:1

すばやさ:7

運:2


魔法:なし

スキル:農作業Lv.4

ユニークスキル:「PV」


ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーー


ユニークスキル「PV」 


累計:24


ーーーーーーーーーーーー



 ステータスは変わっていないが、「PV」の累計の数値が変化している。

 

 実は昨夜寝る前に考えていたことがある。


 元のマルクには無く、俺の人格として転生してから発現した「PV」という名のユニークスキル。

 そして両親には見えず俺にしか確認できない謎の累計数値。

 

 こんな事を考えるのは正気の沙汰ではないかもしれないが、「PV」とはPage View、すなわちウェブサイトのページアクセス数なのではないだろうか。


 馬鹿げた考えであることは自覚しているが、異世界転生した時点で常識など通用しないと考えた方がいいだろう。

 

 だから「PV」がページアクセス数だという考えも、あながち間違っていないのかもしれない。累計という言葉もそれなら理解できる。


 20歳そこらの頃、ブログを運営していたことがあるので「PV」の仕組みは何となくわかる。

 もし、これが俺の想定する「PV」だった場合、俺の行動は元の世界の何らかのウェブサイトを通じて見られていることとなる。

 

 そして昨日の出来事は「24」回見られた、ということだ。


 俺は監視カメラかなにかを探して家の中を捜索する。


 いや、バカか俺は。『トゥルーマン・ショー』じゃあるまいし。


 狭い家の中を歩き回っている内に両親が起きてしまった。


「おはよう。今日は早いのね。マルク」

「まだ寝ていてもいいんだぞ」


 俺からすればまだ会って三日目なのだが、不思議と安心感のある声で両親は語りかける。


「おはよう」


 「PV」スキルの事は後で考えよう。


 今は両親の農作業を手伝って覚えるのが先決だ。


 両親の話を聞く限り、一生懸命に育てた農作物も半分以上が領主に納めるために無くなってしまうらしい。


 だから自分たちの食べる分や物々交換、市場に出す分は常にギリギリの状態で、仕事をサボる事はそのまま死に繋がる。


 搾取(さくしゅ)の酷さや政治体制についてにとやかく言うことは簡単だが、まずは飯を食わねばならない。


 それに貧弱なステータスの俺にできることといえば、農作業ぐらいなのだ。

 

「今日は干し草刈りだ。やり方は覚えているか?」


 父ガリアは優しく俺に問うが、残念ながら覚えていない。

 というかやった事がない。


「ごめんなさい。覚えてないや」

「謝るな。またお前に教えられる幸せが増えたんだ。嬉しいことだよ」


 父ガリアはニコッと笑う。

 日に焼けた顔が皺くちゃになるほどの優しい笑顔だ。


「ゆっくり思い出していけばいいからね」


 水汲みに行くための支度をしている母が言う。


 マルクはどれほど愛されていたのだろう。

 俺に彼の代わりを果たすことができるのか。


 嬉しさと申し訳なさが渦になって俺に押し寄せる。  

 

 ともかくマルクの元の人格を戻す手立てが分かるまでは、少なくとも俺がマルクの代わりに両親を支えていく必要があるだろう。


 そんな思いを抱えながら、身の丈ほどある草刈り用の大鎌を木製の台車の乗せて、父と共に出発した。


 草刈場までの道中、俺は父ガリアが右足を引きずって歩いていることに気がついた。


「足、大丈夫?」


「あぁ、そうか。それも思い出せないか」


 父はそう言うと少し悲しそうな顔をする。

 

 聞いてはいけない事を聞いてしまったのか。

 俺は自分の無神経さに苛立った。


「お前が8歳になるまで、俺は国王軍の兵士だった。だが、戦の時に足に矢が当たってな。それ以来、足の不自由な俺はサルマン方伯の荘園(しょうえん)であるこの村で世話になっているんだ」


 父は右足をさすって情けなさそうに笑う。


 俺は何も言えずに、それに苦笑いで返すことしかできなかった。


 戦や荘園という聞き馴染みのない言葉が、異世界に来たという実感と共に未知の恐ろしさを喚起(かんき)する。


「代わるよ」


 台車を引く父の代わりを提案すると父はまた笑う。


「やっぱりお前はマルクだよ。優しいところは何も変わってない」


 俺は父に代わって台車を引こうとするが、ピクリとも動かない。

 

 この身体は悲しいまでに非力だ。


「一緒に行こうか」


 早朝の田舎道、俺と父は二人並んで台車を引く。


 記憶喪失だと思っている俺に父は色んな話をしてくれた。


 マルクが生まれた日、未熟児で生きていることがやっとな状態と言われたが、何度も生命の危機を乗り越えてすくすく育ったという話。

 ガリアが任務や戦に出る度に、玄関で母と共にお祈りを捧げていたという話。

 剣の稽古する父に習って、剣を振るがどうにもうまくいかずに拗ねてしまったという話。

 母と共に料理をするのが好きで、特にシチューを作るのがうまいという話。

 農奴になってからも、嫌な顔せずに毎日仕事を手伝ってくれるという話。 

 そして幼馴染のアリアのことが気になっているという話。


 俺ではないマルクの思い出、年齢も生きている世界も違う他人の思い出、それなのに頭の中に優しい父と母の情景が浮かんでくる。


「アリアの事は秘密だったかな。って泣いてるのか?マルク」

  

 父は心配そうに俺の顔を覗き込む。


 俺は麻のシャツで涙を拭って「なんでもない」と答えた。



 しばらく歩いていると「ほら、あそこだ。見えてきた」と父が前を指差す。


 そこは緑と茶色の広がる草原で、「ナザム村 草刈り場」と今にも朽ち果ててしまいそうな木の看板が目印となっている。


「おぉ。ベンソンさん。早いですね」


 父が先客である腰の曲がったお爺さんに声をかける。


「おはようガリア。マルクもいるのかい」


 父が俺の背中をポンと叩いて「ベンソンさんだ。挨拶しなさい」と小声で言う。


「おはようございます。ベンソンさん」


「おはようマルク。また少し大きくなったか」


 遠くからでもわかるほど口を大きく開けてベンソンはガハハと笑う。


「さぁ。始めるか」


 俺と父は台車から大鎌を降ろし、草刈りを始めた。


 背丈ほどある大鎌の使って草を刈るには、かなりの力とコツが必要だった。


 1時間ほどかけてようやく一人で鎌を動かせるようにはなったが、父やベンソンと比べると、ペースは4分の1ほどだ。


 それでも必死に鎌をふり続けていると、すっかり日も上り俺は汗だくになっていた。


「よし。少し休憩しようか。どうですかベンソンさんも一緒に」


 まるで俺の体力の限界を分かっていたかのようなタイミングで父が言った。


「それにしてもどうしたんだ。マルク。草刈りはお前も得意だったじゃないか」


 木陰で腰掛けながらベンソンが言う。


 俺が口籠(くちご)もっていると父は代わりに「ちょっとした記憶喪失でして。変なものでも食べたのかもしれません」と言った。


「そりゃ大変だ。どれ、これでも食べて元気を出しなさい」


 ベンソンは自分の食べていた干し芋をちぎって俺に渡す。


「悪いですよ」


 俺がそう言うと、ベンソンと父は顔を見合わせて、やれやれという表情をする。


「子供が遠慮しちゃいかん。特にわしらのような貧しい者たちは助け合わねばならんからな」


 しみじみと語るベンソンから干し芋を受け取って食べる。


 まだ土の匂いがする干し芋は、味もしないし、かなり硬い。


 だけどそれは間違いなく美味しかった。

 

「ほら。飲みなさい」


 父は革の水筒を俺に手渡す。


 中に入っているのは牛乳だ。 


 元いた世界では牛乳は苦手で、飲めば必ずお腹を壊していた。


 しかし、マルクの身体になったお陰か、まるで水かのようにゴクゴクと飲める。


「見ていたが、鎌の使い方も様になってきたよ。やっぱり身体は覚えているじゃないか」


 父は俺の小さな身体をコツンと突いてそう言った。


「記憶がないという事は、農作業スキルはどうなっておるんじゃ。また0からか?」


 ベンソンは不思議そうな顔でこちらを見る。


「いえ。それがスキルはそのままだったんです。だから記憶は無くなっても身体は覚えてるって事でしょう。ところでベンソンさん。「PV」というユニークスキルを知っていますか?」


 父はベンソンに俺の「PV」スキルについて聞く。


「聞いたことがないな。それにスキルに関してはワシなんかよりお前の方がよっぽど詳しいじゃろ」


「いやーそれが全く検討もつかないのです。戦闘系のスキルでもなさそうですし。マルク、お前は何か心当たりがあるか?」


「分かんないや」


 俺は嘘を付いた。


 俺の考えている「PV」という概念は、元の世界の産物でここでの説明は難しい。


 しかも俺の事をマルクだと信じている父に、急にそんな話をするのはどこか心が痛む。


「まぁ。生活に支障がなければ何でもいいじゃろう」

「そうですね」


 昼食も兼ねた休憩を終え、草刈りに戻ろうとすると、馬が走ってくる音が聞こえてきた。


「相変わらず田舎臭い場所だな。ここは」


 そう言って馬を降りたのはロココ風の派手な衣装を(まと)った貴族らしき男だ。

 彼は腰に刀身の曲がった奇妙なレイピアを携えており、俺は何か嫌な予感がした。


 貴族風の男が馬を降りたのに合わせて後ろを付いてきた3人の騎士らしき従者たちも馬を降りる。


「オットーさん。どうも」


 父とベンソンが貴族風の男に頭を下げるのを見て、俺も同じように頭を下げる。


 オットーと呼ばれた男は目を細めて周りを見渡すと、綺麗に整えられた口髭を刺繍(ししゅう)入りのハンカチで拭う。


 まだ会って数分も経っていないが、彼の一挙手一投足、全てが上品ぶった気に食わない男だという事を物語っている。


「こんな所でサボっていたのか?」


 オットーは泥一つついていない革の長靴を踏みしめて、ゆっくりとこちらに向かって歩く。


「サボっていたわけではありません。朝から働いて、今しがた昼食をとっていたのです」


 父がそう言うや否や、オットーは手をあげてそれを制する。


「口答えするな」


 オットーの言葉に呼応するように従者たちは腰に携えた剣をカチャリと鳴らして威圧する。


「まぁ。そんな事はどうでもよろしい。決められた量の作物さえ納めれば、お前たちは自由人となんら変わりはないのだからな」


 まるで自身の寛大さを(たた)えろと言わんばかりの満足げな表情でオットーは言う。


「オットーさん。納める作物量の件なのですが…」


 頭を下げていたベンソンがそう言ってオットーに近付くと、従者たちは彼の前に立ちはだかり、ベンソンを突き飛ばす。


「これこれ。暴力はいけない。爺さん。なんだ。続きを申してみろ」


 立ち上がったベンソンは深く頭を下げる。


「はい。私の家庭は一人息子が兵役に出ており、家内もかなりの年です。情けないですが私も年々体力が落ちておちとります。一生懸命働いて、作物を納めたい気持ちは山々なのですが、このままでは私たちは飢えてしまいます。どうか、息子が帰ってくるまでの間でいいので、納める作物の量を減らしてくれはしないでしょうか?」


「爺さん。このままでは飢えると言ったな。では服を脱いでみせろ」


 オットーは不気味な笑顔を保ったまま言った。


「はぁ、えぇ」


 ベンソンは困惑しながらも上着を脱ぐ。


 半裸になった彼の身体は目を(つむ)りたくなるほど痩せ細っていた。


 その身体を見れば彼の言っていることが嘘ではなく、飢えるほどに貧している事は明らかだった。


 なのに彼は俺に干し芋をくれた。

 

 自分も生活も辛いはずなのに、俺に貴重な食べ物を恵んだのだ。

   

「ふむ」


 オットーは半裸のベンソンに近づいて、大袈裟(おおげさ)な仕草で彼の身体を観察する。


 そして革の手袋を外し、ベンソンの痩せ細った腹を触ると、あろうことか腹の皮膚を強くつまんだ。

 

「うぅ」


 突然、腹をつままれたベンソンは悲痛の声をあげる。


「ほれみろ。肉が残っておるではないか。安心しろ。お前は飢えてなどおらん。骨になるまで働きなさい」


 オットーがつまんでいた手をちぎるかのように激しく離すと、ベンソンはその場で崩れ落ちた。

 

 強くつままれたベンソンの腹は赤く腫れて血が滲んでいる。


 俺はあまりの出来事に身体を固まらせていた。


 (すが)るように父の方を見ると、彼は身体を震わせて怒りながらも、血を流すほど唇を食いしばり、その衝動を抑えていた。


 従者たちは父ガリアに睨みをきかせ、少しでも動けば剣で切りかからんといった様子である。


「水」


 オットーが言うと従者の一人が革の水筒で、彼の手を入念に洗う。


「思い上がってはいかんぞ。爺さん。ここは代々、我々サルマン家の土地なのだ。そこで作物を作らせてやっているんだから、感謝の気持ちを忘れぬように」


 吐き気を催す邪悪なもの。こいつはそれを具現化したかのような人間だ。

 

 前の世界にも邪悪なものは存在したが、ここまで直接的な奴はいなかった。


「爺さんの戯言(ざれごと)に付き合っている時間はない。私が用があるのはガリア、お前だ」


 手袋をはめたオットーはクルッと向きを変えて父ガリアの方を向く。


「なんでしょうか?」


 ガリアは怒気を抑えて、落ち着いて答える。


「お前は昔、フェルマン国王軍に属しておったな」

「はい。8年前の事です」

「なぜ、辞めた?」

「足を負傷したので」


 そう言うとガリアは自らズボンを脱ぎ、痛々しい矢傷の跡を見せつける。


「ほう。それはお気の毒に。ときに、お前はなかなかの剣士であったと聞いておる。今でも剣の稽古は欠かせぬか」


「いえ。仕事があるので稽古をする時間はありません」


「それか。そうか。それは結構。働くことが農奴の役目だからな。とは言っても、お前の身体、あるいはスキルは剣の味を覚えておるだろう。どれ、お前のステータスを見せてくれぬか」


 オットーは眉を上げてガリアに促す。


「ステータス」


 父ガリアの目の前に彼のステータス・ボードが広がる。 


ーーーーーーーーーーーー


名前:ガリア

年齢:36歳


レベル:32

最大体力:121

最大魔力:2

力:34

魔力:1

すばやさ:6

運:10


魔法:なし

スキル:剣術Lv.12

    槍術Lv.4

    弓術Lv.2

    馬術Lv.1

    体術Lv.4

    農作業Lv.8

ユニークスキル:なし


ーーーーーーーーーーーー


「素晴らしい!」


 オットーはガリアのステータスを見て何度も頷いてから、わざとらしく拍手をする。


「いやはや。8年前だと言うのにまだまだ素晴らしいステータスだ。おいお前。レベルは?」


 オットーは一人の従者に問う。


「21です」


 従者は悔しそうに答える。


「剣術スキルのレベルは?」


「…6です」


「聞いたか。ガリア。こんな立派な服を着た騎士の剣術レベルが6で、ぼろ切れを着ているお前のレベルは倍の12だ。これは笑える」


 そう言うとオットーは一人でケタケタと笑い始めた。


「ときに、隣村のハンザ村で小さな小さな反乱があった事はご存知かな?」


 突然、真顔に戻ったオットーは静かに言った。


「知っています」


「よろしい。では知っているかと思うが、彼らの要求は納める作物量を減らせだの、土地を解放せよだの、聞くにも値しないものであった。だが、厄介だったのが、反乱の首謀者が「剣術スキル」を持っていたこと、そして数人の仲間にその剣術を指南(しなん)していたということだ。そのせいで、我々は貴重な騎士を3人も失った。分かるか。ガリア」


「俺はそんなことしません!」


 父ガリアが声を荒げると、従者たちは剣を抜いて構える。


「落ち着け。何もお前が反乱分子(はんらんぶんし)であるなどと言うつもりはない。おい小僧。お前はガリアの息子だな。父から剣は習ったか?」


 俺は首を横に振る。


 実際に俺は教えてもらっていないし、スキルにも「剣術」という項目はなかったはずだ。


「出せ」


 俺は言われるがままにステータス・ボードを出す。


ーーーーーーーーーーーー


名前:マルク

年齢:15歳


レベル:3

最大体力:15

最大魔力:1

力:6

魔力:1

すばやさ:7

運:2


魔法:なし

スキル:農作業Lv.4

ユニークスキル:「PV」


ーーーーーーーーーーーー


 オットーは険しい目つきで俺のステータスを確認するが、途中から目を丸くして、次第に吹き出し笑い始めた。


「小僧。よくこんな雑魚ステータスで今まで生きてこれたな。おい、お前らも見てみろ」

 

 オットーに促された従者たちも俺のステータスを見て一斉に笑い出した。


「弱い上に、なんだこの「PV」ってスキルは」

「聞いたことがねぇ」

「弱すぎてステータス・ボードがイカれちまったんじゃねぇか」


 オットーと従者たちは腹を抱えて笑う。


 だが俺は自分の貧弱なステータスや謎のスキルを笑われた事は悔しくなかった。


 俺が笑われているのを、拳を震わせて耐える父の悲痛な姿を見ることがたまらなく悔しいのだ。


「はぁ。はぁ。笑わせてもらった。最高の親子だな。ともかく、お前が剣術を教えていない事は分かった。いや、弱すぎて教えることすらできなったとも考えられるがな」


 オットーはわざとらしく笑いを堪えるような仕草をみせる。


「まぁ、よろしい。これからナザム村の連中のステータスをチェックしにいく。お前が反乱を企てているか否かは、そこで分かるだろう」


「分かったなら帰ってくれ。俺たちには仕事がある」


 父ガリアは腹を抑えて倒れているベンソンに手を差し伸べながら反抗的に言った。


「ふむ。そうしよう。ときに、ガリア。お前の利き腕はどちらかね?」


「なぜ、それに答えなくては…」


 次の瞬間、父ガリアの右腕が宙に飛んだ。


 俺の顔は返り血で真っ赤に染まる。


 咄嗟に目を閉じると、父の唸り声とオットーの声が聞こえる。 


「素直に答えていれば、利き腕を残してやったのに」


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