シーフ流勝手の極意?
…ザッシュザッシュザッシュ…
「いや~、たまには労働の汗を流すのも悪くないなっ!」
「。。。」
「本当にこれで抜けられるのか?」
「ん?。。。さぁ?」
「「。。。」」
俺とビルさん、ガイジさんは今9階と10階を繋ぐ階段脇の壁を掘り進めあの扉方面にトンネルを作っている
ガイジさんのアイデアとは
「扉の周囲がダメなら掘れそうな所見つけて掘ったらどうかな?」
というシンプルだけど労力が要るプランだった
結局進む事を選んだメンバー達は反論する者はいなかったが成功するかどうかも不明で腕力がモノを言うプランなので男達が必然的に実行する事になったのだ
「それにしてもこのまま手堀りしてたらいつ辿り着くか分かんねぇな…」
「言い出しっぺが言う文句じゃないだろうが!」
ビルさんはストレス解消にガイジさんの頭を叩いてスッキリした様だ
…次は俺っすからね?
「ウィスに土魔法でもかけて貰って掘ったら楽になるんじゃないか?」
「かぁ~、これだからビルは…良いか?そもそも迷宮ってのは状態が不安定なんだよ」
「え?そうなんですか?」
「ヒロシもかよ…迷宮ってのは何にもない所にいきなり出現して出来るだろ?」
「うん」
「まぁ時には自然に出来た洞窟とかが迷宮になる場合もあるけど大抵は何にもない更地にいきなり地下空間が存在するんだ
こんなのそもそも安定してる訳がねぇじゃねぇか」
「なるほど…」
「迷宮に潜る冒険者達は最初色々試したんだと。例えば…周囲の地面を掘って進めば魔物とも遭遇せず楽に最終フロア迄行けるんじゃねぇか?とかな」
「どうなったんですか?」
「皆挫折した。酷い場合は迷宮が突然消滅して掘った奴らは生き埋め、というか行方不明だとさ」
「そりゃ酷い」
「だから誰もやらなくなった」
「え?じゃあ今掘ってるのは…」
「裏技も裏技、階層と階層の隙間を微妙に探って掘り進めてる、って訳さ」
「…危険は…」
「あるにはあるが元々掘り進めてるのは10階層の際だからフロアぶち抜くよりは安全だな」
「…こんなのよく考えつきましたね?」
「あはは、こりゃ俺の師匠のアイデアだ」
「ガイジさんの師匠…さぞ有名な人なんでしょうね?」
「あ?もうくたばっちまったよ」
「えっ?そうなんですか?」
「おう、このアイデアを実践してる最中にヘマして体半分が泣き別れた」
。。。




