階段を抜けるとそこは…
「…ガイジさん。貴方の尊い行いは死んでも忘れません…」
目の前に横たわるガイジさんにメンバーが1人ずつ声を掛ける
「ちょっ、てめえ等!何俺が死んだ体で手向けの言葉送ってんだよ!ウィスまで!」
「いや…皆がやってるから…何となく?」
単に魔力切れを起こしてぶっ倒れていただけのガイジさんは目覚めた瞬間から俺達の冗談に巻き込まれて激昂していた
「だけどあのフロアを非接触で抜けられた事はその位重要な事だったんです。
編集点でなかった事にすれば世界(作品)の危機はなくなるのですから…」
「…ヒロシだけなら分かるが初音もとうとう頭のネジが抜け落ちたか??」
はっ!?この話題は続けるべきではない!
俺と初音さんの脳裏に天啓ともいえる言葉の様なモノが降りて来た
「ビルさん!ガイジさんが復活したら先に進みましょう!」
「お、おう?」
とにかく手前のフロアは話題すらも封印しよう
。。。
このフロアからは「何故か」出て来る魔物の種類がガラリと変わった
再びミノタウルスやケンタウルス等のナマモノに襲われる様になったのだ
「あのゴーレムフロアが突然変異っぽく追加された感じなのかしら?」
「ミノタウルス達がゴーレムを煙たがって逃げてた所から考えると急に変わったんだろうな」
例のロボットゴーレムを見ればソコに異世界人、しかも日本人が関わっているのは言い逃れ出来ない事実だろう
フロアが突如追加されたのか、ゴーレムが突然現れたのかは分からないがもし異世界人が干渉して「生まれた」のならこの迷宮が「侵食」される前にフロアごと消滅させるか迷宮自体を消滅させるしかない
前世で使える見えざる極悪魔法、「パテント」と「コピーライト」はファンタジー世界に持ち込ませてはならないのだ!
…でも消滅させるってどうすりゃ良いんだ???
多少強くなったとは言えこの階層は難なくクリアして俺達は更に下層を目指す
10階に降りた途端、ガイジさんの様子が変わった
「…どうやらこの迷宮は10階層で終わりらしいな」
「?…なるほど、確かにこの階はダンジョンマスターがいそうな気配がひしひしと伝わって来る」
へ?俺はそんな気配、微塵も感じられませんけど?
ひょっとして冒険慣れしてない俺だけ鈍感なのかと初音さんの顔を見たが俺の視線に気付いて首を横に振っている
恐らくシーフの長年の勘、冒険者としての豊富な経験がガイジさんとビルさんにはあるのだろう
…もしくは見えざる大いなる意思(作者)がこの迷宮探検自体を早く終わらせたいか、だ。




