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私ガイジ、今近くにいるの…

「此処はダンジョン形式の迷宮で一階部分はほぼ魔物はいないから安心してね」


初音さんにアドバイスを受けていつの間にかガチガチに緊張していた事に気付く


ウィスさんは振動が止まらないスマホの電源を切る前に元凶のガイジさんからのメールを確認する事にした様だ


「やだ…嘘でしょ!?」


ウィスさんの一人言でガイジさんに何かあった事が伝わって来た


「ガイジさん、何かあったんですか?」


不安に駈られて彼の安否を訊ねるとウィスさんは呆れ顔で答えてくれた


「あのバカ、もうこの迷宮の入り口まで来てるんだって!」


「え?じゃあ腰はもう治ったんですか?」


「…行けば分かるわよ…」


急遽探検を中断し入り口まで戻ってみると他の冒険者達の人垣が出来ていた


その中心部には荷車がありその上には戸板に乗せられへっぴり腰のままうつ伏せになっているガイジさんがいた


「…全然治ってないじゃないですか!」


俺のツッコむ声に気付いたガイジさんは弱々しく手を振った


「よーヒロシ、待たせたな」


「待たせたなじゃないわよ!アンタそんな格好で探検始めるつもりっ!?」


いくらウィスさんが心配でも身動き出来ない人間を連れ回す愚挙は不可能だ

そんなのは百も承知で追って来たガイジさんはどうやらウィスさんに治療魔法で治して貰えると高を括って見切り発車したらしい


「という訳でウィス、頼むよ」


「は~…アンタの図々しさは死んでも治らないわね…」


どうやらウィスさんが根負けした様だ

ガイジさんの腰に手を翳すとハイヒールをかけ一瞬で治してしまう


「流石嫁さん!感謝するぜっ!」


全快したガイジさんはウィスさんをギュッと抱き締めた


「ガイジ、治ったなら今から潜るが参加するか?」


「へへっ、ウィスは俺が守るんだ。当然だぜ」


ガイジさんは男気を出しているがこれから迷宮に潜るというのに魔力を減らさせ危険になる確率を上げた事には気付いていないらしい


女性陣は現実的なので勿論その事実は把握しており胸を張るガイジさんに冷たい視線を投げ掛けていた


「初音ちゃんが羨ましいわ…ヒロシ君ってそういう所も気遣い出来る子だからね…」


はぁ、とため息混じりに口にするウィスさんはこれからずっとガイジさんに振り回されていくのだろうか?

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