は~~るばる来たぜ迷宮~!
道中羞恥心で悶絶死しそうになったが早目に中継地を出発した為に予定より早く迷宮に到着した
この迷宮は最近現れた為に入り口周辺には仮設の建物が僅かに建設されている程度だが古くからある迷宮はその周りに都市が出来る位広がったりするらしい
そんな新設(?)の迷路の入り口には冒険者達が必要最低限のサポートを受ける為に宿屋・ギルド支部・武器/防具屋・食堂などが軒を連ねている
「は~…色々あったけど漸く到着って感じね」
「観光…は見回すだけで済みそう」
ウィスさんと初音さんは凝り固まった体を伸ばしている
「宿を取ったら様子見で潜ってみるか?」
「そうですね…早く迷宮探検のコツを掴みたいかな?」
「決まりだ。皆準備を」
馬車移動で疲れているのは分かっているけど…迷宮の入り口を目の前にしたらやっぱり心が踊ってしまった
小さい宿屋が数件しかなくしかもほぼ埋まっていた為に押さえるのに難航していたが飯時をちょっと過ぎた辺りで偶然大部屋が1つ空いたのでどうだ?と声をかけられた
「元」宿泊者のパーティーは朝から迷宮に潜って全滅したそうだ
本来意外とジンクスを遵守する冒険者達は帰って来られなかった冒険者が泊まっていた部屋の後に即座に入るのを嫌う
死んだ冒険者の未練が魔物を呼び込んでしまう、と考えられている為でビルさんは断ろうとしたが
俺に秘策がある!と主張して強引に押し切った
やはり粗末でも部屋泊と野宿では疲労回復に雲泥の差が出るのだ
なのでここはジンクスをぶっ飛ばす「演出」をさせて貰う事にした
「臨・兵・闘・者・開・陣・烈・在・前!臨・兵・闘・者・開・陣・烈・在・前ーっ‼」
大部屋の四隅に盛り塩を置き部屋の中心で大袈裟に全方位に九字を切って気合いを込める
「…それは悪霊払いの呪法か何かか?」
ビルさんは呆気にとられつつ的確なツッコミを挟んで来る
ここで言い淀めば単に恥ずかしい厨坊が1人誕生するだけだ
「はい、この呪法は密教から生まれた九字真言というモノで邪気を払い災厄を打ち破るとされています」
「お、おう、そうか…」
フフフ…俺の破綻のない説明にビルさんは撃沈したな。問題は女性陣だ
女性は理屈だけで攻めても堕ちないのだ
「え?これで大丈夫なの?」
「はい。神様が守ってくれます」
ウィスさんは納得してくれたが初音さんは…俺の詐称技術に驚嘆して空いた口が暫く塞がらなかった




