改めて冒険者デビュー
王都を出発してコノワタ村へと戻って来た
行きは馬車3台で出て行ったのに帰りは王様から貰ったお土産も含めて荷馬車が2台追加されたのでちょっとした凱旋パレードみたいになってしまった
ピッチュ王からは是非友として王都に移って欲しいと乞われたがやんわりと固辞しておいた
俺は初音さんと楽しく暮らせれば良いだけなのだ
友としていつでも会いに来ると伝えたらそれ以上は粘られなかったので良しとしよう
村人の注目を浴びながら初音さんの家に帰る
シェイドのメンバー達は微妙にギクシャクしながらも各自現地解散していた
「はぁ~…やっとひと心地ついたよ…」
初音さんはポフッとベッドに倒れ込んだ
やっぱりお城は堅苦しくて長居はストレスが溜まっていたんだな…
本当は荷物やお土産の片付けもあったんだけどいつの間にか2人とも寝てしまっていた
ー翌朝ー
「と、言う訳で改めて冒険者デビューしたいと思ってます」
朝飯を食べながら宣言すると初音さんは目をパチクリさせている
「え?ヒロシ君はもう冒険者としてやって行けてるじゃない?」
そんな感覚は一切ない
初音さんと出掛けた初依頼の時の屈辱と絶望は未だトラウマとして残っている
その後の活動は冒険者というより駆除業者だった
良く分からないが一応戦闘力を身に付けた今、本来の冒険をしてみたいと思うのは当然だろう
そんな訳で初音さんにお願いをすると何故か大歓迎された
「これでいつも一緒にいられるね♪」
…そんな心に響く言葉を聞かされたら王都で溜めていたエネルギーが急速にオーバーフローして
何日かぶりに初音さんが失神する行為をしてしまった
そのせいでギルドに依頼を見に行くのが午後過ぎになってしまったが慌てる事でもないのでのんびり向かう事にした
ギルドに入ると冒険者達が一斉に俺達をガン見する
正確な情報は知る由もないだろうが何らかの功績を挙げて城に召喚された事は噂になっている
初音さんは元より有名人だったがまさかヒモみたいなヒョロい俺が功績を挙げて凱旋する等とは思ってもみなかったのだろう
でもここにいる冒険者達は落ち込んでいる(と勘違いして)俺をそっと慰めてくれる気の良い連中で仲間だった
口々におめでとう、とかやったな!と誉めてくれてくすぐったかった
「ヒロシさん、凄い噂になってますよ!」
受付嬢さんは開口一番話題の渦中に俺達がなっている事を教えてくれた
「あはは…そんな大した事はしてないんですけどね?」
「またまたぁ~」
そんなやり取りをしつつ気になる依頼をチェックしていくのだった




