王様との謁見 part3
王城ロッテンマイヤー
この城は開祖初代ロッテンマイヤー王によって築城され幾度の戦乱を耐え抜きその威容さを今も伝える名城だそうだ
城の内郭には王族・貴族達の住居も収容する為その敷地は広大で内郭の外周を徒歩で歩けばゆうに1週間は掛かると言われている
その外郭を埋めるのは庶民の住む住居区だがソコは内郭よりも更に広く人口は100万を越えるそうだ
外郭の外周には巨人兵でも警戒してんのか?と言わんばかりの分厚く高い塀が構えられており門を閉めてしまえば外敵なぞ蟻の子一匹入れないとまで言われている
そんな国の王様に喚ばれた俺達は今庶民の居住区を3台の馬車で走っていた
「…こんな規模の街を壁で囲むなんて余程富んだ国なんですね」
初音さんに素直な感想を述べるとどうやら少し違うらしい
開祖、ロッテンマイヤー王は元々貧困層から出た異例の王だった
彼は領主の圧政に苦しむ民衆を纏め力をつけてとうとう領主に反旗を翻した
反乱に怒った領主はそれを殲滅すべく当時存在していたベルス王国、つまり自分の王に嘆願して兵を集めた
だがロッテンマイヤーはその尽くを駆逐し逆に領主が忠誠を誓うベルス王国へも立ち向かった
10年にも及ぶ戦乱を乗り越えてロッテンマイヤーは王として宣言し、滅ぼしたベルス王国の跡地に今の王城を築いたのだそうだ
「この国のご先祖様の方がよっぽど英雄じゃないか…」
「まぁそれがベースになってるかは分からないけど現王のピッチュ王は勇者だの英雄のお話が大好物なんだって」
うーん…やっぱり生半可な作り話じゃ首と胴が泣き別れになる可能性が高いな…
大筋だけ決めておいて後は王様のリアクション次第で盛っていこう
「ねぇ…本当に大丈夫なの…?」
初音さんは俺の事が余程心配らしく馬車に乗ってからずっと俺の手を握ったまま自分の胸を押さえている
お陰で俺の俺は俺よりもずっと緊張しっぱなしだ。…何ちゃって☆
対面に座っているウィスさんはそれにハッキリ気付いてはいるが見て見ぬフリをしてくれている
時々チラ見してモジモジしてるのは俺が気を利かせて見て見ぬフリをしている
「本日はこの居住区を抜けた所に宿をご用意させて頂いておりますのでどうぞおくつろぎ下さい」
御者の男性が丁寧に説明してくれた
決戦は明日になるらしい




