王様との謁見 part1
タンバさんから逃げる様に飛び出した俺達はギルドから離れると止めていた息を一気に吐き出した
「ぶわっははは‼あんなの反則だろ~っ‼」
「ひゃひゃひゃ‼まさかタンバさんが…○○だったなんて⁉」
「有名な元冒険者が○○とか…ないわぁ~…」
それぞれ思い思いに酷い暴言を吐き続ける
「皆さん、落ち着いて下さい。彼だって隠したくて隠していた訳じゃないんですから。」
「キリッとして言っても犯人お前じゃねぇか!」
ビルさんに思いっきりツッコまれてニヒルを気取った言動が更なる笑いに繋がってしまった
「あひっ、あひっ…ま、まぁとにかく今は王様との謁見に作戦を立てる必要はあるだろうな」
破顔した顔でまともな事を言っても締まらないが確かにビルさんの言う通りだ
何せ今回の一件は武力を使って討伐した訳でもなく単に毒団子が強すぎて連鎖的に発生した大量虐殺事件なのだ
とても王様の気に入る内容ではない
もし不興を買ったら最悪その場で死刑!となるかも知れない
タンバさんの○○なんかどうでも良い
「じゃあこれから改めて作戦会議を開きますか」
「そうだな」
お互いの意見を確認した俺達はギルドにある酒場…ではまた笑ってしまいそうなので村にある唯一のレストランで会合を開く事にした
このレストランは個室完備なので密談には都合が良いと教えて貰ったのだ
「いらっしゃいませぇ~」
「予約したシェイドです」
「シェイドご一行様ですね?此方にどうぞ~」
異世界感皆無の案内にはまだ慣れないのだが…店員は俺達を奥にある個室に案内した
「ここは懐石料理のコースメニューしかないから事前に頼んでおいたぞ」
確かに目の前には突き出しの小鉢が数個並んでいる
今さらだが異世界転生って…和食好きだけど
一通り品が出揃っていつもと違う味を堪能した俺達はいよいよ本題に取り掛かる
「じゃあ先ずは…一連の事態をどう纏めるか、だな」
「流石に毒殺じゃ不味いわな…」
全員で暫く喧々囂々とした後、取り敢えず纏まった嘘の英雄譚とは
<スキルに目覚めた俺が恋人でもある冒険者、初音さんを伴って魔物を殲滅した>
という噴飯モノのでっち上げだった




