さらばビル、永遠に?
祝!100話!ってペース早すぎて実感が湧かないなぁ…
ガイジさんのアイデアは師匠譲りだと聞いて少し安心したが即座に不安が倍返しされた
発案者の師匠はこのアイデアを実践中階層の壁を破ってしまい胴体と下半身が別々の階層にお出かけして死んだそうだ
「ガ、ガイジさん…大丈夫なんでしょうね?」
「そんなのはやってみなくちゃ分からねぇよ」
「おいい…」
男同士色んな汗をかきながら慎重に掘り進める
途中女子メンバーからの差し入れがあり一瞬ほんのりしたがウィスさんが不用意に階層の境目を壊しそうになって即座に緊張感が走った
結局俺達は丸3日をかけてどうやら目標である「扉の向こう側」までトンネルを伸ばし終えた様である
「…本当にこの上は扉の向こう側なんでしょうね?」
「多分な。歩数で計算したら扉の向こう側2メートル程先に抜けてる筈だ」
「ソコはガイジさんを信用するとして…この土を落としても断層とかに巻き込まれて…とかは大丈夫なんですか?」
「それはやってみなくちゃ分からねぇ。先駆者の師匠も途中で死んだしな」
「。。。かなりのリスクですね」
「まぁな」
そんな話をしているとビルがずいっと身を乗り出した
「ここは俺が開けてやる」
「え?何で?」
「ガイジは新婚、ヒロシにも初音ちゃんがいる。幸いというか俺は死んでも困る女はいない。こういう事だ」
「「ビル(さん)。。。」」
冒険者集団シェイドをトップパーティーとして牽引してきた男、ビル。
彼の功績は数多く特にメンバーを要所要所で使い分ける才能は他のパーティーリーダーの追従を許さなかった
彼の能力はそれほど高くはなかったがメンバー達の能力を見極め適材適所に配置する事でどんな依頼もこなしたという。
冒険者ビル、彼を忘れない。
「ごるあぁぁぁっ!勝手に殺して何となく良い雰囲気で半生を纏めんなっ!!」
初めて見たビルさん本気の怒髪天で俺とガイジさんは川のほとりから向こう岸で手を振るご先祖様達に挨拶する羽目になった
「…じゃあ行ってくる」
俺とガイジさんが目を覚ますとビルさんが掘った穴に1人入っていく所だった
引き留めようにもフルボッコされた様で体が動かない
ウィスさんと初音さんが俺達を抱きしめて回復魔法をかけている最中、ビルさんは穴の中に姿を消した
きっと彼なりの優しさなのだろう
俺達が動けるならきっと一緒に行こうとするから




