表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

純人間の少年 2


アスラが目を覚ます


後頭部には柔らかい感触


眼前には泣くマキナ


「よがっだデズ……!アスラ弱いから死んじゃったかと……」


「流石に死んだりはしないよ」


肋骨の何本かは逝ったけどねという言葉をアスラは飲み込んだ


「マキナ……今何時?」


「体内時計は8時10分デス」


「やばい!?」


アスラが急に体を起こす


「どうしたんデスか?」


「マキナは知らないかもだけど……僕は学校に行かなくちゃいけないんだ」


「そんなの……私が脳に直接情報を書き込めばすぐデスよ?」


「そんな怖いことしたら、僕はマキナの友達をやめるからね」


「とも……だち?」


「そこで疑問形にしないでくれる!?」


「え、いや、そういうことじゃなくてデスね」


「じゃあ僕はもう行くから!」


アスラは走り去る


マキナはそれをぼうっと見つめていた


「ともだちデスか……えへへ……良いデスねともだち」


※※※


アスラが走って行くの見つめる無数の瞳があった


複眼の全てでアスラを追う


その正体は奇跡と称される存在


虫人(インセクター)


交わるはずのない存在


根本から違う存在である人と虫の間


なぜ生まれたのかもわからない、そんな存在は今


「ようやくあの女から離れたでござるな」


なぜか、NINJAにはまっていた


もちろん黒装束である


体の関係上多少露出は多めだが


「いくでござる!!」


背中の羽を動かし宙を舞う


そして一直線にアスラへと向かった


「とのおおおおおおおおおおお!!!」


パアンッ!!


その速度は人型でありながら音の壁を突破する


もちろんソニックブームで周りに被害が出る


「うわあああああ!?」


割れたガラスと衝撃波がアスラへと襲いかかる


「危ないです殿!!」


間一髪抱きかかえられる形で救われた


「おのれ!誰がこんなことを!!」


「お前だよっ!!?」


鋭いツッコミが虫人の少女に入った


「殿がくれる痛みはなんと甘美なもの……」


少女は恍惚とした表情である


「逆効果か……まあ良いや。とりあえず降ろしてくれるかなララス」


「御意!!」


ララスはガラスでできた剣山を避けて着地する


「殿、何か御用命はないでござるか?」


「……とりあえず掃除」


「了解でござる!!」


手際よく4本の腕を使いララスは掃除をする


あっと言う間にガラス片は無くなった


「後はたぶん管理局がなんとかしてくれるよ。いつもみたいに」


「はっ!」


光沢のある黒髪より一層目を輝かせながらララスはアスラを見つめている


「……どうしたの?」


「いえ、ララスは殿のお褒めの言葉など待ってはおりませぬ!」


ブンブン!!


アスラの目に振られる尻尾が見えたような気がした


「……掃除お疲れ様」


「はいっ!!」


心底嬉しそうな顔をするララス


少し近寄って頭を差し出してくる


「……撫でて欲しいの?」


「いえいえ、そのようなことは滅相もございません」


ツヤツヤと輝く黒髪


撫でると絹糸のようにサラサラとしている


「むふ〜」


「もういい?」


「はい、これ以上は抑えきれなくなるので」


「そう(何が抑えられないんだ……)」


「それではララスはこれで失礼します。次は学び舎にて」


浮き上がるあララスの体


「ちょっ!?」


「さらばです!!」


パアンッ!


もちろんアスラは衝撃波をもろに食らった

















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ