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不良に恋をする

作者: peach-pit

私今までの人生の中で、こんな恋をするなんて思ってもいなかっただろう・・・。

あなたに出会うまでは・・・。


「おっはよー!」

私は元気よく教室に入った。

「おっはぁ☆真弓」

親友・弥生が小走りで言った。

「弥生どうしたの?なんかいつもより元気だね〜??」

「フフフ・・・。実わぁ!ジャーン☆ダーリンが出っ来ましたぁ〜♪♪」

弥生は自慢気にプリクラを見せてきた。

「え?マジ?!すごーい!!」

「でしょぉ?」

「ってか、マジかっこいいんですけどぉ!!」

「惚れちゃだめだよッ!弥生のダーリンなんだから♪」

「分かってるって」


私は木村真弓。高校2年生。

そして彼女は親友の中居弥生。同級生。


私と弥生は学校内ナンバーワンの場所、草原にやってきた。

私は草の上で寝転ぶ。

「弥生はいーなぁ」

「なんで?」

「すぐ彼氏捕まえてさ・・・。おいてっちゃうなんてひどいよ」

「ゴメンね・・・。出会っちゃったのは仕方ないんだよ」

私は飛び起きる。

「うっそー!怒ってなんかないよーだ★」

「ひっどー!」

弥生は私の頭を

ポカポカ

叩く。

「ゴメンゴメン!悪かった!機嫌直して!!!」

私がそう言うと、弥生は舌を出して

二ッ

と笑った。

「うっそー。弥生だって怒ってなんかないよーだ☆」

「もー!」

私は弥生とはしゃいでいると、

ドンッ

誰かにぶつかった。

「ご・・・ごめんなさいッ!」

私は慌てながら振り返りながら謝る。

「いってーな。誰だお前」

そこには不良っぽい男子がいた。

耳にはピアスをして、ズボンはヤバイくらい腰パンで、髪の毛は金髪・・・。

ヤバイ。

マジ怖い・・・。

どうしよう・・・。

とっさに弥生のほう振り返ると弥生は

ポカーン

としている。

もー!弥生のばかぁ ((泣;

「き・・・木村真弓」

「気をつけろよ」

男子はそう言って

フイッ

と向こうへ行ってしまった。

・・・助かったぁ。

私は気が抜けたのか

ヘタヘタ

と地面に座り込んだ。

気が抜けたまま、放心状態の弥生を起こし、教室へ向かった。


教室に入ると、私は自分の席に座った。

「弥生〜?大丈夫〜??」

弥生は遠くを見つめたまま返事をしない。

「もー!や・よ・い!しっかりしろー!!!!」

私は必死に弥生の体を揺すった。

「・・・あれ?弥生・・・どうしたんだっけ」

弥生が元に戻った。

「弥生!!よかったぁ〜」

「真弓・・・弥生どうしたんだっけ?」

そっか。さっきのことは覚えてないんだ。

「弥生急に倒れたんだよ」

「え?!」

「もービックリしたよ」

「そっか。迷惑かけてゴメンね。弥生今日朝ご飯食べてないから倒れたんだ」

弥生は照れながら舌を出して

二ッ

と笑った。

・・・よかった。

いつもの弥生だ。

私は安心していると、

ガラッ

教室のドアが思いっきり開いた。

・・・さっきの男子だ。

どうしよう。

大丈夫・・・。用があるのは私じゃない!

そう心から願いながら弥生と話す。

弥生は少し引き気味だったが私は気にしない。

・・・気にしたくない。

男子はどんどん私に近づいてくきた。

「木村真弓」

わ・・・私だ。

なんで?!なんで私の名前を呼ぶの?!

「は・・・はい?」

「俺と・・・付き合ってくれ!」

「へ?」

付き合う・・・?

私と??

なんで?

さっき会ったばっかじゃんッ!!!!

「ひ・・・一目惚れした・・・」

「えぇ?!」

私の声は教室中に響き渡った。

「で・・でも私あなたのこと何もしらないし・・・」

「じゃあ・・・今からデートしよ」

「はぃぃい?!」

そう言うと男子は私の腕を引っ張りながら学校を出た。


私と男子は町の中をブラブラしていた。

「どこ行きたい?」

「ど・・・どこでもいいです」

なぜか敬語になってしまう。

「・・・あのさ」

「はい?」

「敬語・・・やめてくんない?」

「え・・・」

「気ぃ狂う」

「ご・・・ごめん」

私はなんとなく怖くなって下を向いていると、

「・・・俺のこと、怖いか?」

「え?」

「俺こんな髪だし、こんな格好してるからみんなに怖がられるんだ。・・・やっぱ怖いよな」

男子はなんとなくさみしい顔をしていた。

・・・そんな格好をするってことは、寂しかったんだね・・・。

「怖く・・・ないよ」

「え?」

「あなたのこと怖くなんかない。見かけだけだよ。心は優しい人だよあなたは」

「へへっ・・・。なんか照れるな・・・」

男子は無邪気な笑顔をした。

・・・うわぁ。こんな可愛い笑顔なんかするんだぁ。

私は一瞬

ドキッ

としてしまった。

・・・なんだろう、この気持ち・・・。

「俺は山本新。・・・あのさ、¨真弓¨って呼んでいいか?」

「え・・。別にいいよ」

なんか照れちゃうな・・・。

「おれのことも気軽に¨新¨って呼んでいいから」

新は耳まで真っ赤にしながら言う。

「うん。分かった」

本当に好きなのかな・・・?

こんなことって有り得ないよ・・。


次の日、

私は遅刻しそうになったので急いで家を出ると、

「真弓」

聞き覚えのある声だ。

「新?!」

そこには新がいた。

「な・・・なんでいるの?」

「一緒に行きたかったんだよ・・・」

新は照れながら行く。

「別にいいよ。早く行こ☆」

私は新の腕を引っ張りながら走った。

チラッ

と新の方を見てみると新は顔を真っ赤にしていた。

私は

ピタッ

と止る。

「真弓・・・?」

「ねぇ・・・。手掴まれるのイヤ・・なの?」

「え?」

「なんか下向いてるし・・・」

「バーカ」

そう言うと新は私の腕を引っ張って新の額と私の額を

コツンッ

と当てた。

私は驚き、口を開けながら新を見る。

「嬉しすぎて恥ずいんだよッ!!」

新は顔を真っ赤にしながら言った。

私もなぜか顔を真っ赤にしてしまった。

どうして・・・?

どうして私まで赤くなっちゃうの・・・?

分からないよ・・・。


教室に入りすぐに私は弥生の元へ向かった。

「弥生〜」

「え?真弓?おはよ〜。どうしたの??」

「あのねぇ・・・今日実は・・・」

私は朝の出来事をすべて話した。

弥生はその話を聞いたとたん

ニコッ

と笑った。

「それは!こ・いやで♪」

「え?!」

「真弓、山本君のこと好きになったんだよ!!!!」

「う・・・嘘・・・」

「嘘じゃないって!!恋の経験豊富の弥生には分かる」

私が・・・新のことを・・・好き・・・?

嘘だと言いたい・・・。

けど嘘じゃないんだ・・・。

「告白OKしちゃえば??」

「・・・うん」

そうだよね・・・。

新は私のこと好きだって言ってくれたんだもん。

私が新のこと好きならOKしなきゃ。

「じゃあ!弥生が放課後山本君草原に呼び出してあげる〜♪」

「ありがとう。弥生」


私はその後の授業、告白のことで頭がいっぱいで先生に怒られてしまった。


放課後、

私は草原にやってきた。

ここで告白をOKするんだ・・・。

ガサッ

誰かが来た。

「真弓・・・?」

新だ。

とうとう来たんだ。

ヤバイ・・・。

心臓がヤバイくらい高鳴ってる・・・。

「呼び出してどうした?」

「あ・・・のね。私・・・」

「うん?」

「・・・好きなの」

「え?」

「新のことが好きなのッ!!」

「えぇ?!」

新は顔を真っ赤にして驚いていた。

私も顔を真っ赤にしながら下を向き、目をつぶっていた。

「・・・ありがとう」

「え?」

私は新の顔を見る。

「告白OKしてくれてありがとう」

「うん」


お母さん・・・。お父さん・・・。不良に恋をしてしまった私を許してください。

新・・・、私を好きになってくれてありがとう。





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― 新着の感想 ―
[一言] どうも卓球ラブさん。 話の流れのテンポがよく最後まで読めました。弥生や真弓の感情の表現が個性的で面白かったです。
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