魔王と高校生と幽霊①
少しストーリー物を入れてみようとおもいます。
今日は快晴である。
この天気では掃除もはかどるというものだ。
私は元魔王であるが別に闇が好きなわけではないし、光も嫌いというわけではない、光魔法は普通につかえるし他の魔法もまんべんなく使える。
「ふう、もう7時50分か」
少しのんびりしすぎたようだ
「それにしても彼をまだ見かけないな」
いつもなら、7時半くらいに高校生男子を見かけるはずなのだが。
そう思っていると彼は急いでやってきた
「おはようございます」
「おはよう」
どうやら少し寝坊したらしい
「ちょっと遅刻しそうなんで。それではいってきます」
「ああ、いってらっしゃい」
彼は走っていった。
「いってきます」
「いってらっしゃい」
私は彼に憑いている高校生ぐらいの女の子の幽霊にも挨拶してアパートの自室に戻ることにした。
高校生side
「ふう、けっこう間に合うもんだな」
俺は少しの余裕をもって学校につくことができた。
今日は寝坊してしまい、ヤバいと思ったが平気だったようだ。
「よう、遅かったじゃねえか」
友達がしゃべっていたので、俺はいつもの友達グループに加わった。
「まあ、少し寝坊しちまってな。走ってきたらなんとか間に合った」
「気をつけろよ。遅刻したら先生に何を言われるか分からない」
「ああ分かってるって」
「先生がくるぞ」
俺達は席にもどって先生の話を聞くことにした。
少し時がたち、昼休み
「そういや、知ってるか」
「何が?」
昼飯を食べていると友達が話題をふってきた。
「アレだよアレ、最近あった事故の話」
「ああ、知ってるよ」
ここら辺の平和な地域では有名な話だ。
最近あった話で、トラックと軽自動車がぶつかった。原因はトラックの信号無視だったらしい。
トラックの運転手と軽自動車に乗っていた家族は両方とも亡くなってしまったらしい。
悲しい事故である。
「それでだ、でるんだよ」
「何が?」
「何って決まってんだろ。‥‥幽霊だよ」
「でるわけねえ」
幽霊なんているわけない。
非科学的なものはいない。
いてたまるものか。
「‥‥‥おまえ、幽霊が苦手だからってそんなに否定しなくても」
「幽霊はイナインダヨ。ホントダヨ」
「あー、はいはい分かった分かった。まあ軽自動車に乗っていた女の子の幽霊がでるって噂だったが、最近でないっていうし、噂だったんだろう」
「全く。くだらない話をするなよ」
俺はそう言って他の話をして昼休みを過ごしていった。
少しの気がかりを覚えながら‥‥
放課後
「あー、疲れたー」
俺は学校が終わって、ゆっくりとアパートに向かって帰っている。
部活には入ってないので、すぐに帰れる。帰宅部万歳だ。
俺は高校生になるとき、他の地方に行きたくなって一人暮らしをする事を決意した。
親は少し反論してきたが、なんとか説得することができた。
その時に住むところを探していると、あるアパートを見つけることができた。
そのアパートは家賃が安く、俺にとってはとてもいい物件だった。
そこに住み始めて一年だが、アパートは全然ボロくなく、アパートの大家さんも悪い人ではない、むしろとても良い人だ。
このアパートを見つけ出した俺を誉めてやりたい。
「今日の夕飯何にするかなあ」
そう考えながら歩いていると、大家さんがアパートの前で庭の手入れをしている姿が見えた。
「こんにちは」
「ん?ああ君か学校には間に合ったのか?」
「ええ、なんとか」
「それは良かったな。学校で遅れたりしたら面倒だからな」
「大家さんは学校で遅れたりしたことがあるんですか?」
「いや、遅刻はなかったな。皆勤賞だったな」
「それはすごいですね」
「まあな(別に遅れそうになったら転移して、風邪をひいたら回復魔法でなおしてきたし)」
大家さんはすごいな学校を休まず登校するなんて
「学校は楽しいだろ?」
「まあ、楽しい所もありますけど」
「‥‥‥‥友人がいないのか?」
「いますよ!勝手にぼっちにしないでください!」
「‥‥ほう?」
「なんですか!その疑っている目はやめてください!」
「いや、別にウタガッテナイゾ」
「うそつかないでください!今日だって話を友達としていましたよ」
「どんな話だ?」
「ええっと、最近起こった事故の話で幽霊の話とか‥‥‥」
「ああ、お前に憑いている女の子の幽霊の話か」
「ええ、女の子の幽霊です
えっ?」
魔王side
「いや、だからお前に憑いている女の子の幽霊だろ?」
「今なんて言いました?」
「女の子の幽霊」
「その前です」
「お前に憑いている」
「そこです!」
「言葉の通りだ。その女の子の幽霊はお前に憑いている」
今も私には見えてるし。
「たちの悪い冗談はやめてくださいよ。お化けなんて、い、いるわけないでしょ」
「私は笑える冗談が好きだが、今言っていることは冗談ではない」
「大家さんって幽霊が見える人なんですか?」
「まあな」
魔力を持つものなら見えることができる。
「またまた~、冗談きついですよ。幽霊が見えるって証拠があるんですか?幽霊なんていませんて」
信用してないな、ならば
「お前にも見せてやる」
私は彼に魔力を纏わせてやった。
「ん?ウワッ!何か黒色のモヤが俺の体に吸い込まれていく」
「それは私の魔力だ」
「魔力?」
「それより後ろを向いてみろ」
「え?」
彼が振り向いてみると、そこには
ひとりの制服を着た女の子がたっている姿が目に入った。