魔王の趣味
少し戦闘描写を入れてみました。
書いてみると戦闘描写ってとても難しいです
他の作者さんの戦闘描写を参考にしてうまくなっていきたいと思います。
私には一応趣味がある。
まあ、趣味というのは本を読むことだ。
本といっても、種類はさまざまである。
どこかの誰かが書いた哲学書、最近話題になっているミステリー小説、人気のあるライトノベル、面白い漫画を読むこともある。
暇な時間は大抵こうして本を読んで時間をつぶしている。
魔界にはなかったネットやテレビなども暇な時は使っているが、やはり私には魔王として生活していた頃の趣味でもあった本を読むことが私には合っているのだ。
そして、漫画やライトノベルを読んだり、テレビでアニメを見ていると、ついこう思ってしまう。
この技できるのでは と
高校生の頃の私はどちらかといえばアニメや漫画にはまっていた。
その時の私はかっこいい技というものに憧れを抱いたのだ。
さっそく私は魔力で自分独自の世界を作り上げ、練習に励んだ。
今思うと闇魔法と光魔法を合わせたりと非効率なこともやっていたが(そんな事をするくらいなら、闇魔法の強力な技と光魔法の強力な技を別々に使った方がはるかに良い)実験するのは楽しかった。
それに成功も沢山ありその実験は無駄ではなかった。
おかげで、様々な技を身につけられた。
この趣味(実験)はいまでも続いていて、玉に試したくなる時がある。
そういう時は申し訳ないが
「坂本さん。よろしお願いします」
「魔王様。自分の欲望に忠実なところは変わりませんね‥‥‥」
店長(元将軍)にお願いすることにしている。
他に私の技に耐えられそうな人物が思いつかないため、彼に何度も頼み込んでいるが、その度に私の願いを聞いてくれる彼に感謝を覚える。
「で、今回は一体どのような技なんですか?前回は手を右腰あたりに合わせたと思ったら、いきなり魔力が集まって妙な掛け声と共にとばしてきましたけど‥」
「今回は接近戦の技を試してみようと思います」
「‥‥‥魔王様。前々から思っていましたけど二人きりの時は敬語を解いてほしいのですが。魔王様に敬語を使用されますと申し訳ない気持ちになります」
「‥‥‥わかった。二人きりの時は敬語をやめよう」
「ありがとうございます」
「それでは始めるぞ」
そうして互いに構える。
坂本も将軍グランとして生きていた頃の力と魔力を受け継いでいる。
将軍として活躍していた頃の彼は魔王軍のなかでもトップクラスの実力者だった。
何の合図もなしに互いに同時に動き出す
彼は手には召還した剣をもっているが、一方の私は素手で闘っている。
彼が剣を振り下ろしてきたので、私は魔力を拳にまとい左の手でガードする。
反撃として、彼に右ストレートを叩き込むがバックステップで回避されてしまった。
「腕は衰えんなグランよ」
「当たり前ですよ、魔王様。毎日剣を振ったり、筋トレしてますから」
「それでは今度はこちらからいかせてもらうぞ‥‥」
そう言って私は瞬間移動で後ろに回り込み、殴りかかるが、彼は振り返り魔力でシールドをとっさに張りそれを防ぐ。
「やるな」
「まだまだですよ、いきますよ!『雷冥斬』!」
紫の雷を纏った斬撃をとばしてくるが、私は難なくそれを受け止める。
「今のは少しぐらい効くかなと思ったんですがねえ‥‥」
「まだ負けるわけにはいかんよ」
「‥‥‥魔王様に勝てると思えないのですが」
さてそろそろフィニッシュに入るか。
「決めさせてもらう!」
瞬間移動でまた彼の後ろに回り込んだ。
「その手は効きませんよ」
彼はシールドで防ぎ、今度はカウンターをくらわせようと剣を構えていたが
「甘い」
私の拳はシールドを貫き、剣を砕き、ダメージを与えていた。
「ガハァッ」
彼は吹き飛んでいった。
‥‥やりすぎてしまったな。
「大丈夫か?」
「少し休めば大丈夫です。それにしても最後のあれは驚きました。あれは一瞬で何回も拳で殴っていたんですね」
「分かったのか」
「殴られた時、一回しか殴られてないはずなのに何度も衝撃がきましたから」
「そうだ。だからシールドを貫き、剣を砕き、お前にダメージを与えられたのだ」
「いやあ、完敗です。さすが魔王様です」
「たいしたことではない、漫画にのっていたのを私なりに解釈し真似しただけだ。それよりすまないな。いつも技の練習台にして」
「いえいえ、何度も申し上げますが私にとってもいい訓練になります」
「別に平和な世の中で訓練は必要ないと思うが」
「備えあれば憂いなしという言葉がありますし、平和な時の魔界でも訓練はしていましたから」
「そうか。ありがとう」
「こちらこそありがとうございます」
「また何か思いついたら試させてくれ」
「‥‥‥おてやわらかにお願いします」
「善処しよう」
「お願いします」
「そういえば、魔界の料理の実験をして再現したものがある。これを店にだしてもいいですか、坂本さん」
「ええ、かしこまりました天羽さん」
私にとって戦争は嫌いだが戦うこと自体は嫌いではない。
こう戦うことは心が燃え上がってくるような感覚を覚える。
私にとって読書では味わえない、感覚を味わうための大切な趣味である。