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◆ ◆ ◆3.

◆ ◆ ◆ ???


水の流れる音が聞こえる。ここは一体どこなのだろう。

翼を広げようとして気付いた。片翼を失ってしまったのだった。

これでは飛べない。飛べなければ、命尽きるのも時間の問題だろう。

このまま、誰にも知られずに独人で逝くのもいいかもしれない。

もう、誰のことも信用できない。あんな怖い目には二度と会いたくないから―…。


◆ ◆ ◆3.


「臨める兵、闘う者、皆陣烈れて前に在り――ッ!!」

絶叫とともにはなたれた呪符が白銀の槍となり、突き刺さる。

巨大な猫、というべきだろうか、金の瞳は爛々と輝き、太い尾は、ばしりと地を打つ。

猫のうめき声が轟き、空気がびりびりと震動する。難なく立ち上がった猫は、印を組んでいる薫を見据えると、高く跳躍した。

猫の巨大な前足が薫をたたき潰す―寸前で不可視の壁がそれを阻む。

それまで神気を抑え、姿を隠していた漆黒の鴉が薫の前に躍り出た。

薫を庇うように両翼を広げ、鋭く咆哮した―障壁から清冽な神気の波動が音もなく広がり、猫を弾き飛ばした。すかさず薫が神言を唱える。

「オン、アビラウンキャンシャラクタン…!!」

素早く刀印を組み、そのまま降り下ろす。

「万魔拱服!!」

眩い光が視界を覆い、何も見えなくなる。

視界が元に戻った時、猫がいた場所には、薫より頭一つ分以上長身の痩躯が静かに佇んでいた―。

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