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「ええ、もちろん化粧品も見に来たわ。そのついでにあなたの事を信じられるかどうか見て来たら? と言われたの。ごめんなさいね、何だか品定めをしに来たみたいになってしまって」

「とんでもありません。化粧品にしても悩み相談でも、信頼出来る相手でなければ不安になるものです。だから今日は思う存分私を品定めして行ってくださいね」


 そう言ってにっこり笑った私を見て、スカーレットはまた大笑いしだした。どうやら本当にこの人は笑い上戸のようだ。


 けれど、何かに思い詰めたような暗い客よりはずっといい。私はスカーレットの向かい側に座ってお茶を入れた。


「お茶を飲んだらテニス、やってみますか?」

「え?」


 あまりにも唐突な私の質問に、スカーレットがポカンと口を開けた。流石のスカーレットも、まさかテニスに誘われるとは思ってもいなかったようだ。


「私とクリスはそれこそフライパンでやりあいましたが、町の人達がテニス専用のラケットを作ってくれたんです。それどころか今は専用のコートまで作ってしまったんですよ!」


 そう、私とクリスの喧嘩は大層話題になった。庭で暴言を吐きながらボールを打ち合う様を見て、気づけば庭の外には観客が沢山居た。その人達が新たな娯楽として昇華させたのがテニスだ。


 どうすればもっと楽しめるかという会議に無理やり引っ張り出されて、私は地球にはこんなスポーツなど無かったという体でバレないようにちょこちょことアイデアを出した。


 そうして出来上がったのがテニスコートとラケットである。思い切りあちらの世界の産物である。

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