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トワを送り出して予約の時間まで私は少しだけ寝ることにした。目覚まし時計なんて物はこの世界には無いので、仕方なく枕元に壁掛け時計を置いておく。
「クリスのお弁当作っておいて正解だったかも……ふぁ……」
自分のお弁当を見てクリスはめちゃくちゃ喜んでいた。奴のお昼はあれで大丈夫だろう。
それから数時間。私は掛け時計が鳴る一分前にパチリと目を覚ました。これは社畜の頃の癖だ。時間直前になると自動で目が覚めるように設計されているのだ。
「やっぱちょっと寝ると大分楽だわ~」
大きく伸びをした私はシャワーを浴びて仕事場の支度をしていると、先に起きていたクリスの歓喜の声がリビングから聞こえてくる。どうやらお弁当がとても嬉しかったようだ。
準備を終えてリビングに行くと、そこにはクリスが犬のように弁当を貪っている。
「あんた高位妖精でしょ? マナーはどうしたのよ」
「マナー? そんなもんここで使う必要ないだろ? てかヒマリ! これめっちゃ美味い! 米を肉で巻くの天才だな!」
「ああ、お肉余ってたの。肉巻きおにぎりって言うのよ」
私の言葉にクリスは感心したように器用にお箸を使って肉巻きおにぎりを頬張る。そんなクリスを横目に私も昼ごはんを食べようとした所に今日の客がやってきた。タイミングの悪い事である。
「ごきげんよう、ヒマリ」
「お待ちしておりました、スカーレット様。どうぞ、こちらです」
今日の客はスカーレット・ソール。マリアンヌの刺繍仲間だそうだ。
少しこの場をお借りしてお知らせです!
社畜女子の連載なのですが、コンテスト用の文字数に達したのとストックの関係の都合で、明日から火曜日、金曜日に配信していきますので、楽しみにされている方には本当に申し訳ないのですが、どうぞご了承くださいm(_ _)m
ただコンテストの結果がどうあれ、完結までは書き上げますので、その点だけはご安心くださいませ(*^^*)
それでは、今後とも作品共々どうぞよろしくお願いいたします(*´ ˘ `*)