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#6  ○身代わり→公務(式典参加)準備


 今日のレッスンの初めに、リリアーヌから

「殿下が、来週の式典に参加して公務に問題ない程、本物に徹しよ」

というムチャ振りの指令が出たことを告げられた。


 私は「来週に、そんなことができるとは思えないと」言ってしまった。


 リリアーヌは、5階のテラスのことを例に挙げた。

イザベラは東エルムズから毒殺は失敗し、王女様が元気に回復したと

判断されたようだ。


 そのため、かなり叱責を受けて、立場が悪くなっているようだ

と教えてくれた。


 リリアーヌは

「まだ少し先のことですから、私の指導を信じてくださいね」

「ダンスもこれから、本格的に仕込みますよ」

と言っていた。


 たが、殿下へリリアーヌも交渉をした

「単なる影武者役じゃなく、身代わりなんですよ」

と言ってくれたそうだ。


 そこで殿下は

「単に影武者役ではない」

「公務(式典参加)になる」

「リリアーヌの指導を、信じているから」と。


 詳しく話を聞き出すと

「リリアーヌへ追加で報酬を出そう」との話だそうだ。


 リリアーヌは確認のため、王女エリーヌ役の報酬も聞いた。

殿下は

「王女様と、かしづかれているだろう」

「王族並みの食事もしている」

「だから必要ない」と言われたそうだ。


 そこで、リリアーヌは

「私だけの努力ではできません」

「報告書を出した通り、影やアサシンが増えています」

「それに従って、捕縛や駆逐数も増えております」

「エミリアも大変努力して、命懸けで役割を果たしています」

「それがあるから、成果が上げられたのです」と訴えた。


 成果は一緒に挙げたものだと、納得させたそうだ。


 しかも

「エミリアは、安全の為に行動制限をさせています」

「あの離宮から一歩も出していません」と、突き上げてくれたそうだ。


 私は思わず

「リリアーヌってそんなこと言って、不敬罪に問われないの?」

と聞いてしまった。


 リリアーヌは「それは、幼馴染だから、大丈夫なのよ」と微笑んでいた。

 結局、私はリリアーヌの交渉で、公務(式典参加)扱いとなり、毎月王女様の

お小遣い枠の金額が報酬になったそうだ。


 リリアーヌへ「ありがとう」と言うと、「王女様は臣下に頭を下げないの」

と言われた。

そうか、頭を無意識に下げていた。

私もマダマダ役に浸っていないか、と思った。



◇◇リザリアの魔法指導


 指導だけではなく人そのものとして、魔導師リザリアは表裏が激しい。

誰も見ていない時の手抜きが酷い。


 本当に優秀な面もみせるけど、何か隠しているみたい。

魔法は明りのボールが出せたら

「魔法便覧を見れば覚えるよ」と丸投げ状態。


私は、異世界、ファンタジーは、剣と魔法の世界もあるなーと思った。

セッカク、魔法が少し使えるようになったから、もっと覚えたくなった。


 それならと、魔法便覧をコツコツと見ることにした。

魔法便覧を見ていて、なにか魔力の使い方の効率が悪いなとか、

消費も割に合わないほどに大きい、と思った。

え、どうしてだろう? 前の異世界の感性で、そう思ったのかな?


 私は、ふッと思い付いた。

リザリアは、私の知らない魔法も、使えるんだ。もう少し働いてもらおう。


 そこで私は、リザリアに

「王女様は何か水色の結界ですか?」

「まあそのようなもの?」

「張っていたようなイメージがあります」

「私もできたほうが、いいのかな? と思いますが」


 するとリザリアは

「まあ、あれは私が王女様に指導したものだけどね」

「え、それは凄いですね、さすが宮廷魔導師!」

「私も使えるようになりたいな、と思います」

「うん、私は防御系の魔法が秀でているからね」


 そうして、リザリアに【シールド】と【防壁バリア】の

基礎を教えてもらえた。


 練習をしてみると直ぐに、【シールド】ができた。

薄い水色をした、【シールド】だった。

私は、思わず「キレイ!」と呟いた。そう、美しい魔法もある。

【光魔法】のバリアもキラキラ輝いていてとても美しい。

【シールド】はガンバって、平面、ドーム型も張れるようになった。


 リザリアに見せると、魔法適正が生活魔法のクセに、よくできたね!

私は強度はどれくらい強いのか、リザリアに質問してみた。

「石でも、ぶつけてみる?」

「まあ、ファイアーボールくらいは出せるけど」

「離宮のお庭でやったら、衛兵が来ちゃうからね」

「リリアーヌは絶対に、激怒だと思うよ」


 そんな話をして、私が困っていると、植え込みからマリアが

飛び出してきた。

え、植え込みの向こう側じゃなく、植え込みの中から出てきたよ!


 私のそんな驚きも、全く気にせず、戦闘メイドのマリアは

「王女様、何かお困りでしょうか?」

そこで、私はシールドの強度を調べたいけど...。


 リザリアとの話をマリアにすると、石位では、投石を防ぐ位ですよ!

そこで、リザリアが思い付いたように、マリアなら【アイアンバレット】が

あるよね。

弩銃どじゅう※程度にして、打ち込んでみてという。

※弩銃:かなり強力なクロスボウみたいなもの


 私は、ドーム型シールドを張ってみた。

それを見たマリアは

「たぶん強力な弩銃なら、向こう側へ貫通するでしょう」

「幾重にも張れませんか?」とアドバイスされた。

「私は弩銃威力ありすぎだね!」

「ええ、だからです、5階のベランダの手摺まで楽に届くんです」


 それだ、以前リリアーヌにも注意されたね。

弩銃強力だなと思いながら、密かに練習した3重シールドを張ってみた。


 マリアは、

「これだけ張ってあれば、十分かなと」

【アイアンバレット】を打ち込んだ。


 1枚目は打ち抜けたが、2枚目、ヒビが入っているけど、止まった。

マリアは「シールドの強度は見た目以上に強力ですね」と感心していた。

リザリアは「複数シールドは教えてないけどね」


 私は「【魔法便覧】にあったから、練習してたんだからね」

リザリアは

「そんなことができる人が、何で魔法適正が生活魔法なのかね?」

「あんたは、私の弟子にならない?」

「私の配下所属なら宮廷魔導師見習にできるよ」


 私は「そんなことが、簡単にできるの?」

リザリアは「直接宮廷魔導師団所属じゃなければ、お給金の出費がないし、

戦力は強化できるから、可能だよ」

「形式上は、宮廷魔導師団見習の証、メダルが与えられるよ」

「じゃあ、なろうかな」


 リザリアから、すぐに宮廷魔導師団見習のメダルを貰った。

このメダルを見せれば宮廷魔導師団に正式に入室できるそうだ。

「でも、王女エリーヌなら、顔パスだけどね」と言っていた。


 そして以外にも、「マリアも今みせた魔法が使えますよ」

とリザリアへアピールした。

「そうね、あなたは王女様の剣でもあるし、今のは【風魔法】ね」

「宮廷魔導師団も正式に入室できるから、追跡する時役に立つわね」

「リリアーヌの許可も必要だから、相談するね」


 後日、戦闘メイドのマリアも、宮廷魔導師見習になった。


 その後も、【障壁】。【アイスバリア】が直ぐに張れるようになった。

これも、幾重にもドーム型で張れるようになった。

リザリアは、最初から、あんたは、底が見えないから、面白いんだよ。


 私は、自分の魔法も少しづつ思い出していた。でもファイアーボール位でも

練習できないようじゃね。思い出した魔法が練習できないのが残念だった。

魔法はやはり、好きみたい。


 頭に刷り込まれている、王女の魔法シーンを思い出して、魔法の練習をする。

練習を続けて分かったことは、〈魔法はイメージ〉は本当だった。

この世界の中級的な魔法も少しづつ楽しみながら、分かってきている。

 ここまでになったら、早く魔法を試してみたい、気持ちが強くなってきた。


2025/04/25 改訂しました。

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