#45 ○現王妃イザベラと王太子妃コゼットの悪だくみ(21)
①王妃イザベラの和平交渉【波紋その17】
〔ざまぁ→イザベラ〕
〔マリアと再会〕
あれ...女を上げたマリアに...
〔王都奪還2/2-続き〕ガンバレ...男主人公...ユリウス様
※『夜明けを迎える宴会』を追加しました
◇◇王妃イザベラの和平交渉【波紋その17】
〔ざまぁ→イザベラ〕
その中で、イザベラがなおも、目を輝せながら「お前たち、エルムズ国の王都エルムトップは、まだ私の支配下にあるーーー!!」
「定時連絡が、途絶えているから、人質になっている国王の命は、もう間もなく断たれるだろう」
「それが、嫌ならば、私を女王イザベラに戻せーーー!!」と大声で叫んでいたーーー!!
その声は、周りに響き渡っていたーーー!!
----------< ここまで引用 >----------- この話は #42 最後のほうを参照してください
ここは、王太子殿下の直轄領の領都、エルモベスト。舞台はここに戻った。
女王エリーヌへ、直接連絡の受信が光る。ああ! たぶん、ユリウス様からの連絡が入ったーーー!!
ユリウス様は、絶妙なタイミングで、直接連絡をしてきたーーー!!
女王エリーヌは、ヘッドセットの魔導通信を取り出して、通話を始めたーーー!!
----------< 引用開始 >--------------- この話は #44 最後のほうを参照してください
すぐに、応答が帰ってきた「えーと、ユリウスーかな?」と
「ユリウスです。お待たせしました。国王の救出は完了しました。あとは、治癒院長が、安心して任せろといっていますから」と。
王女様から女王様になったエリーヌから「ユリウスー、ありがとうござます。ユリウスは、大丈夫なの?」
よーし、エミリアちゃん、オレのことを心配してくれてるー「うん、大丈夫だよ...」
----------< 引用終了 >---------------
そのあまーい、通話を遮ってしまう程の大声で、まだ自称女王イザベラが騒いでいたーーー!!
女王エリーヌ(エミリア)は、まだ、ユリウス様と話したかったのにー! 仕方なしに、通話を手短に終えた。
でも、こちらから連絡をすると、ユリウス様へは伝えていた。
さーて、自称女王イザベラーーー!! 最後の『ざまぁ』は、どうしてやろうかなーーー!!
女王エリーヌは「あらー、イザベラさん。大切な逆転勝ちのお話でしたかしら?」
自称女王イザベラは「私を女王イザベラに戻せーーー!! 聞こえているだろうーーー!!」と騒ぎ続けている。
「我が国の国王、つまり私の父の命を、王都エルムトップで、預かっているんでしたわね」
「でしたら、あなたのもとにも、王都エルムトップを支配する補佐役から、緊急な連絡が入っているわよねーーー!!」
自称女王イザベラは、ハッ! とした顔をした「この状態じゃ連絡も受け取れないだろー! 連絡がなければ処刑になるけどなー」
「あーら、それでは、こちらの情報を教えて、差し上げてあげましょうーねー」
女王エリーヌは、自信を持った顔をしている。自称女王イザベラは、何となく予感はしていたが、事実を受け入れたくないと思った。
女王エリーヌは「ここにいる、みなさんにもお伝えします。我が国の国王は、ユリウス様が救出しましたーーー!!」
「いまは、王宮治癒院にいます。『あとは、治癒院長が、安心して任せろといっています』と伝わっているので、大丈夫です」
と。大きく周囲に響き渡るように風魔法をレベルアップして、伝えたーーー!!
すると、傍らにいたアリシアが私に耳打ちした。
私はこれが、自称女王イザベラへのトドメになると思った。
私は、魔導師を見ると「ぜひ、私に説明させてください」と、お願いされたーーー!!
私は、首をコクッとさせた。
「イザベラさん、いま私の影武者のアリシアから、面白いことを聞いたわー! でも、魔導師さんが説明してくれるようですわ」
そして、魔導師へ手で(どうぞー)と指示した。
「今アリシアさんから、『イザベラさんが、死にたい時に使ってと渡された薬』を鑑定させていただきました」
「前王妃の毒殺と王女エリーヌの毒殺に使われた毒物を、なぜあなたが持っていたのでしょうか?」
「国をあげても、どこの国にもなかった毒物ですからね。アリシアに渡したのは、迂闊でしたね。あなたが犯人ですね」
魔導師は感極まったように「私は、やっと犯人を見つけましたわーーー!!」
女王エリーヌは「さあー、イザベラさん。何か言うことはありますかー?」
イザベラは、あれだけの強気な姿勢を見せていたのに、床にヘタリ込んで、床を見たままだったーーー!!」
私は「母上様、あなたを毒殺した犯人を、やっと追い詰めましたーーー!!」みんなに伝わるように、声を響き渡らせた。
〔マリアと再会〕
私は、やっと一区切りつけたーーー!! 王女エリーヌと前王妃の毒殺は、『ざまぁ』したからねーーー!! と思った。
城内は、居城の正門前にいた騎士団達(王弟殿下と王太子殿下が率いていた)が、入って来ていた。
彼らも、女王エリーヌを認めていて、歓声も挙げていたので、問題はなかった。
彼らは、祝賀会場にも入って来て、罪人のイザベラとコゼットを、《緑の聖女》様から引き取った。
そして、王弟殿下と王太子殿下が入っていた檻へ入れた。
その姿をイザベラとコゼットは、動物みたいと笑っていた。が、いまは自分達がその姿を晒すことになった。
《緑の聖女》様は、私達へ祝賀会場のテラスから、大きく手を振っていた。
私は「《緑の聖女》様、いまこちらにお招きしますねー」と声をかけた。
《緑の聖女》様は「はい、よろしくーーー!!」といつものマリアの声で応えてくれた。
遠隔転移のシールド球を送り。《緑の聖女》様をこちらへ転移させた。
いやー、マリアと会うのは、もう2週間振りくらいになるなー、と思っていた。
久し振りに見る、《緑の聖女》様の姿のマリアは、とても輝いて見えた。
いやー、競技場で見た《緑の聖女》様は、記憶にあるが、こんなにキラキラしていたかなー、と眺めてしまった。
宰相と重臣達、神殿長も、その見事さに驚いていた「あれ! 本物より輝いて見えるねー」と声に出していた。
マリアは、そんな声を気にも留めずに、サッサーとベールをとり、ローブを脱いで、変身のアイテムも取った。
絹のうす衣姿のマリアがいた。あれ! マリアってこんなに、胸が大きかったかーーー!! と思った。
いつものマリアのように、私をキュウーと抱きしめてくれた。
あれ! 胸が大きいだけじゃない! 体もプニューとしていた。あれ! 柔らかい感触に何だろう! 胸がドキドキしてきた。
たった2週間の間に、すっかり筋肉質の体のマリアから、女を上げたなーーー!! のマリアになっていたーーー!!
マリアは、私に「あれ! 顔に赤味がさしてきたよー! 疲れてきたかなー! そうだねー! 賢者と戦っていたからねー」
私は、そうゆーことにしておいた。
うん! 今晩は幽閉の塔の侍女部屋で、あのベッドで一緒に寝るんだよねー!
また、夜中にあの抱き枕にされたら、と思った瞬間に、どーしよーーー!! と思ってしまっていたーーー!!
マリアは、そんな私を見ていたが、オモイッキリ、笑い出したーーー!! =^_^=
師匠ーもそんな、ようすに感ずいていたのか、マリアと一緒に笑っていたーーー!! =^_^=
〔王都奪還2/2-続き〕ガンバレ...男主人公...ユリウス様
*この話の前は #44 〔王都奪還2/2〕を参照してください
ユリウス様は、エミリアちゃん(女王エリーヌ)への連絡が終わった。余韻に浸りたいが、まだ作戦は続いている。
ユリウス様は、治癒院長へ「女王エリーヌへの連絡は終わりました。何かイザベラが、大声でまだ騒いでいましたね」
治癒院長は「もう、女王エリーヌになっているから、たぶん、大丈夫だろうな」と微笑んでいた。
ユリウス様は、すぐにリザリア指定の魔導師へ指示した。
「さあー、女王エリーヌへの連絡が終わった。国王の部屋に戻りたいけど、できるかい?」
ユリウス様は、国王の部屋の外で戦う護衛騎士達と王宮魔導師を、心配していた。
魔導師は「はい、国王の部屋に戻るのは可能です。すぐに、移動します」と言っていた。
ユリウス様は、風景が流れるのを、また感じたが、気づくと先ほどの、国王のベッドの前にいた。
ネズミさんのミラが、部屋に残っていた。
ミラが、紙切れを見せた「外! 静か! 戦闘! 終わり!」と書いていた。
魔導師が、探知でチェックしていた「扉の外は、護衛騎士達とうちの魔導師達の気配だけです」と報告をした。
「よし、それならば、一気に王都内と王城内を制圧だーーー!!」と言った。
魔導師は、王都内の部隊へ合図を出した。
国王の部屋の扉を開けて、室外へ出ると、敵の魔法使いとアサシンらしき者が捕縛されていた。
『夜明けを迎える宴会』
ユリウス様は、騎士達と魔導師達と廊下に沿って、各部屋を確認して捕縛していった。
そして、元衛兵たちの部隊と合流できた。
お互いに「これで、王城内の制圧は終わった」と、ほっとした顔になった。
ネズミさんのミリとミラが紙切れに「制圧完了! 報告! 任せて!」とあったので、報告は任せることにした。
そこに、連絡が入り、王都周辺にいた冒険者の傭兵たちの制圧が終わったと、各拠点の領主達からも報告が上がった。
このとき時刻は、夜中になっていた。
王都近くの町エルムミッドでは領主が主催して、『夜明けを迎える宴会』を始めていた。
領主に誘われたので、みんなで一緒に向かった。この国の新たな夜明けを祝う、宴会になるそうだ。
王都には、宰相と重臣達、神殿長は、戻ってきていないようだった。
ユリウス様は、エミリアちゃん、明日には王都に戻ってくるかな? と思っていた。
ナレーターは、ユリウス様って、エミリアちゃんを溺愛してしまいそうな予感がしていた。
◇◇◇◇◇◇
領都エルモベストの商人達は、新たに女王エリーヌが誕生したので、酒・食材の提供を申し出た。
領都の居城には、料理人達は昔からの人達が残っていた。
この国の新たな夜明けを祝う、『夜明けを迎える宴会』を、祝賀会場を再利用して始めた。
居城の庭園にも、かがり火を付けて、騎士や兵士達もとても賑やかに祝っていた。
領都の商人達の申し出を受けて、更に、領都民のために、エルモベストの広場でも、『夜明けを迎える宴会』が開催された。




