#44 ○現王妃イザベラと王太子妃コゼットの悪だくみ(20)
〔王都奪還2/2〕ガンバレ...男主人公...ユリウス様
・王城内奪還 国王...ユリウス君
◇◇王妃イザベラの和平交渉【波紋その16】
----------< この話の前は #43 を参照してください >---------------
〔王都奪還2/2〕ガンバレ...男主人公...ユリウス様
ユリウス様達は、ネズミさん達のガイドに案内されて、坑道を楽々と進んでいった。
100年もの間に忘れ去られた坑道には、敵対する人の気配はまったくなかった。
ネズミさん達のガイドの前に、突然、他のネズミさんが現れた。ミラは紙切れに何か書いている。
そして、ユリウス様へ紙切れを渡した。
そこには、「この先! 魔獣!」と書かれていた。ユリウス様はみんなを止め、すぐに知らせたーーー!!
魔導師がすぐに、探知魔法を使い調べてみると、ハッとした顔をして、ユリウス様へ報告をした。
「この100m先に、巨大な川ヘビを発見した! 大きさは30mくらいはあるーーー!!」
その大きさに、みんなは驚いていたーーー!!
その間にミラは紙切れを書いていた。すぐにユリウス様へ紙切れを渡した。
「私達! デバフ粉! 撒いている! 少し待って!」と書かれていた。
ユリウス様はみんなに知らせた「少し待てば、魔獣の勢いが下がるハズ!」
魔導師がすぐに、探知魔法を使って引き続き調べていた。
しばらくすると、魔導師が報告にきた「ユリウス様、魔獣の勢いが下がっています。当初の1/3になっていますーーー!!」
そこで、みんなは、待ち合わせ時間で相談した連携をすることにした。
魔獣の正面に、騎士数名が飛び出した。巨大川ヘビは、すぐに頭を突っ込み攻撃してきた。
しかし、巨大川ヘビの動きは遅くなっていた。騎士達は、難なく後ろへ飛び、攻撃を避けた。
それと、同時に槍を持った騎士が、巨大川ヘビの目、鼻、耳の辺りへ槍を刺していた。
巨大川ヘビは、この攻撃で床に倒れたーーー!!
それと同時に、ハルバート(オノ付き槍)を持った騎士が、喉元へ槍先で刺し、オノで切り裂いた。
この攻撃で、巨大川ヘビは、討伐されたのだったーーー!!
小声で勝利の勝どきを、みんなで挙げたーーー!!
ユリウス様は、これは王妃だけが受け継ぐ、ある種の側近の力だーーー!! と感じていた。
うーん、やはり、エミリアちゃんはカワイイシー、妃になってもらうしかないーーー!! と思っていた。
その先は順調に進んで行った。
そして、坑道の先に扉らしきものが、見えた。魔石の弱い明かりが漏れていた。
そこをガイドのネズミさん達は通り過ぎて、更に、進んで行く。
ユリウス様は「あれ? どうして?」と思いながら進むと、魔石の弱い明かりが大きく漏れてる場所に到着した。
ああ、これは、亀裂が入って人が通れるーーー!! そうか、サビ付いた扉をワザワザ壊す必要もない。坑道を熟知してるからだと思った。
やはり、この力は凄い、影の支配者みたいに感じたーーー!! よし、エミリアちゃん、ガンバルからねーーー!!
ネズミさん達ガイドの案内で王城内の地下へ侵入していた。更に、古い階段を登って進んで行った。
段々と明かりが強くなってきた。あれ、壁がキレイだーーー!!
遂に王城内部へ、侵入ができたーーー!! みんなは、すぐに鼻と口を隠す布を巻きつけた。
魔導師達が廊下に進み、階段の下のスペースに身を隠した。王宮魔導師達は、魔石の「割ける」を発動させた。
すると、一斉にデバフ粉が撒かれた。しばらくすると、魔導師が、探知魔法を使って調べていた。
人の気配が弱くなっていた。よし、いいだろう魔導師が、ユリウス様へ「デバフ完了」の合図をしていた。
廊下を進んで行くと、城内の衛兵たちが、麻痺して転がっていた。
よし! ユリウス様は、このまま城内の衛兵たちを捕縛する部隊と国王を救出する部隊に別れた。
城内の衛兵たちを捕縛する部隊は、王妃イザベラに勝手に解雇された元衛兵たちであった。ガイドなどは不要だった。
よーしーーー!! ニセ衛兵達(西エルムズの冒険者の傭兵)を、王女エリーヌ様のために、捕縛していくゾーーー!! 意気盛んであったーーー!!
ユリウス様達は、ネズミさん達ガイドの案内で、国王の救出へ進んでいった。
途中で、物置部屋に入り、隠し扉(メンテナンス用?)があって、そこから隠し通路を進んで行った。
魔導師が、何かに気付いたようだった。
魔導師は、ユリウス様へ報告をした「この先に、国王の気配があります。ですが、部屋の外で魔法使い数人と、恐らくアサシンのような者数名の気配があります。待ち伏せをしているでしょう」と。
ネズミさん達へ顔を向けると、紙切れを見せた「近く! 外に出られる! これ早い!」と「王様! 室内! 遅い」とあった。
そこで、ユリウス様は、護衛騎士数名とリザリア指名の魔導師で、国王の室内に直接入る決意をした。
みんなに相談すると、すぐに結論がでた「ユリウス様その考えに、従いますと」賛成多数で決まったーーー!!
外に向かうのは、ネズミさん達のミリをガイドにする部隊になった。すぐに戦闘だなーーー!!
ミリを先頭に、急いで、進んだーーー!!
相手は恐らく、盗賊ギルドか冒険者の魔法使いやアサシン程度だー! 王宮魔導師と正規軍騎士との違いを分からせてやるーーー!!
但し、手強いなら、時間稼ぎ優先でもいいから、引き付けるんだとーーー!!
外に出る前に、偽装魔法で複数のオトリ人型を飛び出させた。
飛び出した瞬間に、一斉に攻撃魔法の砲撃を発動されたー! ドドーンーーー!! やはりなー! その手は避けるだろーーー!!
その攻撃魔法で、敵魔法使いの位置が確認できた。すぐに、アイアンニードルで仕留めた。おお! マリア直伝の技は凄いなー!
アサシンが、姿を現した「ここは、通さないゾーーー!! 王妃イザベラ様に厳命されたからなーーー!!」と言った。
騎士達は、アサシンが姿をあらわしているので、警戒していた。魔導師が、逆転狙いで隠れているアサシンを見つけたーーー!!」
◇◇◇◇◇◇
ユリウス様は、ミラを先頭に、急いで、進んだーーー!!
進むうちに、外で戦闘が始まった音を聞いた。ドドーン、魔法砲撃の音だなー! ユリウスは少し心配になったが、気を集中させた。
さっき、連絡を受信していた。あのエミリアちゃんが「王女エリーヌ → 女王エリーヌ」となったーーー!!
南地方と北地方に集合したこの国の正規軍 = ガラーム将軍、そして、同行している宰相と重臣達、神殿長からも歓迎されていた。
しかし、王妃イザベラが、国王の命を盾に、開放を要求していることも、伝わっていた。
エミリアちゃん、もう少しだからねーーー!! オレを信頼してくれーーー!!
進んでいくと、扉の前にでたー、気配はベッドの上の人の気配しかなかった。ゆっくりと用心しながら扉を開けた。
出た場所は、国王の隣の補佐官の待機部屋だった。外では戦闘の音が続いていた。
さあー、国王を救出するぞーーー!! 用心しながら進んだーーー!!
ところが、天井裏から他のネズミさんが、手で合図をして、ミラと会話しているようだった。
ミラは紙切れに記入して、見せた「隣の部屋! 隠蔽魔法! 隠れている!」とあった。
魔導師がすぐに確認して、合図でお任せくださいとしたー!
ユリウス様は、首をコクッとした。魔導師はすぐに、何かを取り出すと、それを手に乗せ、フット消えた。
そしてユリウス様へ「片付けました、問題はもうありませんーーー!!」と応えた。
「相手はどこへ?」とユリウス様は聞いた。
魔導師は「トリックですよー、地下牢に送りました。送るとき、ついでに麻痺の針も打っておきました」と言っていた。
隣の部屋に入った。ベッドに国王が寝ていた。変な布や魔法陣が書かれた紙が、掛け布団の上に置かれていた。
魔導師はそれを確認すると「ではユリウス様、王宮治癒院へ向かいましょう!」と言って、ユリウス様は目の前の風景が流れるのを感じていた。
気が付くと、そこは王宮治癒院で、旧知でもある治癒院長が待っていた「ユリウス君、待っていたよーーー!!」
周りには、大勢の治癒師や魔導師がいた。
年配の魔導師が、国王を直ぐにチェックしていた「ふん、盗賊ギルドの呪術だな! こんな稚拙なものでなー!」
治癒院長が「ユリウス君、安心しなー! 早く女王エリーヌへ、国王の救出完了を、君から直接伝えてくれよーーー!!」と。
ユリウスは、ヘッドセット型魔導通信機を取り出し、女王エリーヌを呼び出した。
すぐに、応答が帰ってきた「えーと、ユリウスーかな?」と。うーん、エミリアちゃんだーーー!!
「ユリウスです。お待たせしました。国王の救出は完了しました。あとは、治癒院長が、安心して任せろといっていますから」と。
王女様から女王様になったエリーヌから「ユリウスー、ありがとうござます。ユリウスは、大丈夫なの?」と。
よーし、エミリアちゃん、オレのことを心配してくれてるー「うん、大丈夫だよ...」あとは、何を話したかユリウスは憶えていなかったがーーー!! 憶えているのは、エミリアちゃん、カッワイイー、だけだったーーー!!
#43 ○現王妃イザベラと王太子妃コゼットの悪だくみ(19) を
3/3、追加分を統合し、新エピソードにしました。
#44 ○現王妃イザベラと王太子妃コゼットの悪だくみ(20)




