#43 ○現王妃イザベラと王太子妃コゼットの悪だくみ(19)
①王妃イザベラの和平交渉【波紋その15】
〔エルナの夢進歩〕エルナ...婚約者?
エミリアは、また師匠ーに...イジラれて...
〔王都奪還〕ガンバレ...男主人公...ユリウス様
・王都内奪還
・王城内奪還
◇◇王妃イザベラの和平交渉【波紋その15】
〔エルナの夢進歩〕エルナ...婚約者?
エルモニア王国の王都エルモベストから、エルムズ王国の領都エルモベストに取り戻した時のことになる。
居城を包囲していた、エルムズ王国の正規軍から「『英雄女王』と、女王エリーヌ」と連呼された後であった。
----------< 前話を参照してください >---------------
居城には、エルムズ王国の正規軍とシュトリアル王国の西側街道の警備隊が入城してきていた。
シュトリアル王国の西側街道の警備隊、先頭には今回が初陣のアリウス様がいた。
大きな女神様の前に、横長のドーム型シールドで包まれた、ステージがあった。
アリウス様はそれに注目していた。
エルナちゃんは、シュトリアル王国の第三王子、アリウス様を見つけると、オモイッキリ、手を振っていた。
アリウス様はそれに気づき、「エルナーーー!!」と大きく手を振って応えていた。
女王エリーヌ(エミリア)は、そのようすに気付いた。あれ? エルナちゃんって...夢に関係があるの?
リザリア師匠も、エルナちゃんとアリウス様のようすを、ニコニコして眺めていた。
そして、師匠は小声で「エミリアも、気付いているのかーーー?」
「ええ、あのようすは、エルナちゃんの夢に関係があるような、気がしてますが...」
「そうだよー! 先日の話でもう少し内緒にしたかった、と言っていたけど...。あれじゃあー、もうバレバレだなーーー!!」
「え! じゃあー、『エルナちゃんの王子様の夢』は、もう現実に向かっていて、その相手って、アリウス様ですかーーー?」
「ああ! そうだよーーー!! まだ、婚約は内定で、整えているところだなーーー!!」
私は、えーーー!! そんなに早くから始まっちゃうのーーー!! と思っていたーーー!! アリウス様(16)、エルナ(14)
師匠は「前にも言ったが、この世界は早くから決めていくからなー。私もブロードと婚約したのはあのくらいの年齢だったなー!」
「エミリアもノンビリしていると、ドンドンと追い抜かれ、置いて行かれるからなー。君の世界では、200才まで生きるのかな?」
私は、この事態にパニック状態になっていたーーー!! 手っ取り早いのは、ユリウス様へ嫁ぐ? イヤイヤー!
師匠ーは、私の表情を眺めながら、久し振りに「イジリ」をした実感に浸り、オモイッキリ、大笑いしていたーーー!! =^_^=
〔王都奪還1/2〕ガンバレ...男主人公...ユリウス様
今は夕暮れ時、ここはエルムズ王国の王都エルムトップになる。
もう少しすると、各方角の門が閉められる。ここは、正門になる。
< 王都内奪還 >
門を商人や旅人、王都民が足早に出入りしている。もう間もなく門が閉まる時間になる。家路を急ぐ人達ばかりになっている。
王都警備隊(傭兵)は、夜番の兵と交代していた。
まだ、他にもバタバタと忙しそうに働くものがいる。ネズミさん達になる。
王都警備隊(傭兵)の宿舎の食堂、各部屋の屋根裏に、小さなデバフ粉の袋を持ち込んでいる。
デバフ粉の袋には、小さな魔石が付いている。風属性の「割ける」が付与されていた。
他にも各門の詰所でも同様に働いていた。詰所の外には王都警備隊(傭兵)が出ていた。
この王都警備隊(傭兵)は、先日おこなわれた、七天の女神祭の時に懐柔された、元西エルムズ国の冒険者である。
彼らには、祖国に対する忠誠心どころか、劣悪な扱いの続く西エルムズ国から、移民を希望していた。
時刻は地球では、19:30を過ぎた頃。エルモニア国の王都エルモベストでは、『英雄女王エリーヌ』が誕生する頃合いになる。
各地点では、王宮魔導師が、黒のローブで闇に潜んでいた。
よし! 合図が来た。王宮魔導師達は、魔石の「割ける」を発動させた。
各門の詰所、宿舎の食堂、各部屋の屋根裏からデバフ粉が撒かれた。
巨大なオーガにすら効いた、デバフ薬だから、一斉に麻痺して動けなくなっていった。
各門の詰所、宿舎には、少し前から元王都警備隊が揃っていた。鼻と口に布を巻いていた。
元王都警備隊は、夕暮れ時に王都近郊の森に集合していた。
そこから、王都脱出用の隠し出入口から、ネズミさん達のガイドに案内されて、王都内へ侵入していた。
中が静になった頃、一斉に突入して、王都警備隊(傭兵)を捕縛して、制圧は短時間で完了していた。
王都民たちも、この制圧には気づいていないだろう。
あとは、王城内の制圧が終わるまで、外出している王都警備隊(傭兵)の制圧は、一旦待機となっていた。
この結果は、王城内の地下王国の情報管理人の中枢から、各拠点へ発信されていた。
モチロン、王女エリーヌ(エミリア)へは、ダイレクトに発信されていた。
< 王城内奪還 >
元城内衛兵とユリウス様の騎士隊、宮廷魔導師は、夕暮れ時に王都近郊の森に集合していた。
そこから、王城内脱出用の隠し出入口から、ネズミさん達のガイドに案内されて、王城内へ侵入する予定いた。
ネズミさん達のガイド役は、エミリアと仲良しのミリとミラを選抜していた。
王城内の地下王国の主達、つまりネズミさんの長老達は、ユリウス様の最大に注目される活躍の場であると判断していた。
それは、忠誠を誓うエミリアが、聖女召喚で降臨する場面を、天井裏から、見ていたからに他ならない。
王女エリーヌが亡くなった翌日には、聖女召喚で降臨してきた。だから、戻ってきた王女エリーヌだと、信じて疑わないからである。
ユリウス様が「さー、行こうーーー!! と先導をして、王城内奪還の作戦が開始された。
ユリウス様が、ミリとミラの案内で、王都脱出用の隠し出入口を進んでいく。
王都脱出用の坑道は意外と天井が高く作られているために、それ程クモの巣やクモの糸くずは、邪魔にならなかった。
ミラは、ユリウス様を間近で見て思った。エミリアちゃんて、これだけのいい男に、何で引かれないかなーーー?
そんなことを考えていると、スベッテ落ちそうになった。
そんなミラへ、いつものようにミリが「ほらっ! ミラ、シッカリ気を付けて、進めようーーー!!」と叱咤していた。
#43 ○現王妃イザベラと王太子妃コゼットの悪だくみ(19)
1/3、2/3を統合しました。




