#39 ○現王妃イザベラと王太子妃コゼットの悪だくみ(15)
東エルムズ国の国王メルシアムの断罪
・東隣の国王...我が騎士団が...無残!
東隣の国王の...断罪...
◇◇王妃イザベラの和平交渉【波紋その11】
◇◇◇◇◇◇東エルムズ国の国王メルシアムの断罪
ここで、女王イザベラは「国王メルシアム、あなたが東国境へお供にしていた、1,000名の騎士団はどうされました?」
「まー、途中で合流する予定でしたが、連絡が入って来ない状態ですな」
「一体、我が騎士団は、何をしているのか?」
女王イザベラは「たいへん余裕がおありですね。連絡が入って来ないのでしたら、最新情報をご提供いたしますわ」
「国王メルシアム、あなたが船旅に出発した後のことです」
「騎士団殿は、翌日の早朝に出発するとのことで、我が東国境の守備隊は、宿営地の確保と提供をしましたわ」
ここで、女王イザベラは、急激に顔つきが変り、対応の温度が急激に下がって雰囲気も変ったーーー!!
「ところがですね! 貴国の騎士団はその日のうちに裏道より、進撃して王都侵攻をしていましたわ」
「しかも、騎士団長は、国王メルシアムの信頼の於ける人物に、裏道の案内を手配していたが、裏切られたと言ったそうよ」
「あなたが依頼した人物って、東国境の侵攻の守りをする司令官ですわ。だから部下の守備隊長を案内人にしたそうよ」
◇◇参照ポイント
「それで、貴国の騎士団1,000名は、王弟殿下直轄領の領都近くで、皆さん沼に落ちて、進撃が阻止できましたわ」
「しかも落ちたのは、ドブ臭い沼。いまの時期は毒花パライズ(麻痺性の毒)の花粉で直ぐに、動けなくなるそうよ」
「でも命だけは助けて差し上げたわ。救助後に水洗いしそうですけど、ドブの臭いが取れないので、一晩草原に転がしたそうよ」
「あなたの部下が、大変に気の毒だと、思いましたわ」
国王メルシアムは、顔は青くなり、ガタガタと震えていたが「おおっ!... 大変な...無残な結果...だ」と絞り出した。
西エルムズ国の国王ガルシアムは「メルシアム殿は、国家をかけ金に、大変リスクの高い大勝負に、でられましたな」
「しかも、勝負に負けたーーー!! これはもう、笑ってもいいだろうな。フハハハーーー」と大笑いをしていた。
しかし、女王イザベラは「国王メルシアム、まだ続きがありましてよ。先ほど入ってきた最新の情報を教えて、差し上げますわ」
国王メルシアムは、それを聞いて、体が大きくピクッとした。これ以上のまだ先があるってーーー!! なんだーーー!!
「メルシアム殿は国王でいらっしゃるから、ご存知とはおもいますが...」
「先日の貴国の王弟殿下どの...あの件※で、北隣の国々を刺激して、...貴国の王都では危険を感じてると思っていますわ」
※王弟殿下が起こした件:#36 〔東隣の国から祝賀会出席/そのウラ〕をご参照ください。
「東シュトリアル国は特にあの件で、貴国の王都に近い国境に兵を増強しましたわね」
「貴国の騎士団の暴挙に対して、我が国の盟友である、シュトリアル国と東シュトリアル国が動きましたわ」
「今朝から、東シュトリアル国は貴国の王都に侵攻しました」
「メルシアム殿が王都を守る精鋭騎士団1,000名を引き連れて行きましたわね。それをドブ沼に落として※いたようで」
※この上方にある『◇◇参照ポイント』の話の件です
「残ったかなりの数の冒険者の傭兵は、ほとんど守りにもならず。侵攻軍の姿を見たら、すぐに王都に逃げ込みしたようですわ」
「だからですかね。早くも昼頃には、貴国の王都が包囲されてしまったようですわ」
「あれだけの人数が立てこもっているから、食料を断って1週間も持たずに、陥落するとの見込みが、報告されていますわ」
「それから、貴国の東国境の砦ですが、シュトリアル国と我が国の守備兵が、やはり今朝から包囲して、昼には降伏しましたわ」
国王メルシアムは、それを聞いても、脱力状態で背中を丸めているだけだった。
「メルシアム殿は、我が国の船旅も、快適に楽しまれたのですから、一生涯の思い出になると、いいですわね」
「だから、メルシアム殿は、国に帰る必要はございません。セッカク祝賀会に出席に来られていますので、ご出席くださいね」
「但し、ご存知だとは思います。この国の元中枢、王弟殿下と王太子殿下、王女様が人質になっていますわ」
「すでに東国境の件で、貴国の王弟殿下は留置されていますし。同じようにメルシアム殿も人質になって頂きますわ」
「これも、ご存知だとは思います。シュトリアル国か東シュトリアル国から身柄の引き渡し要請が我が国へ来ると思いますわ」
「メルシアム殿は、その方達と祝賀会を飾る、晒ものに、なって頂きますわ。ねー女王コゼット」
「ええ、そうですわ。衛兵、メルシアム殿を地下牢へ、案内して差し上げてね」と女王コゼットは、衛兵へ指示をした。
国王メルシアムは、衛兵に手かせをされて、鎖でつながれた。自力で立ち上がれないので、両脇を掴まれて、引きずられて行った。
女王イザベラはオモイッキリの高笑いを、女王コゼットと一緒にしていたーーー!!
「ホホホーーーホ ホホホーーーホ ホホホーーーホ 」
西エルムズ国の国王ガルシアムは、先程は東エルムズ国の国王メルシアムを笑い飛ばしていた。
女王イザベラと女王コゼットは、オモイッキリの高笑いをしてる。
しかし、西エルムズ国の国王ガルシアムは、一緒に笑う気が起こらなかった。
それは、自分の騎士団について、特に不安が急に広がってきた。
まさかはないよなー。でも騎士団から、全く連絡が入ってこないのだーーー!!
次回は、
◇◇王妃イザベラの和平交渉【波紋その12】
〔王都重臣達への訪問〕師匠への後始末
エミリアへのイジリありますよ
◇◇◇◇◇◇西エルムズ国の国王ガルシアムの断罪
次は、国王ガルシアムが、...我が騎士団が...無残!
になります。




