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勝手に召喚! 身代わり王女は困ります。 侍女のザマーとハピエンに転がされ? それなら自由に生きてやる!  作者: Aprツツジ
二章 エルムズ王国動乱

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#34 ○現王妃イザベラと王太子妃コゼットの悪だくみ(10)

バックアップから 復元しましたーーー!!


◇◇王妃イザベラの和平交渉【波紋その6】



王都七天しちてんの女神祭1/2〕


 【『エルモニア王国』の興国の宣言】の日に、王妃イザベラが和平交渉で外出しているので、王都は留守になっている。


 その王都では、『王都七天の女神祭』を二日に渡って開催されることになっていた。


 国王が臥せってしまった、3年前から王都ではお祭りが自粛され、開催されなくなっていた。


 今回は、神殿が中心になって国王の平癒へいゆ祈願※が行われる。


※平癒:病気回復や治癒


 あくまで神殿の主役は、主神である『女神エリスティーヌ』である。


 神殿では、そのため、七天の女神様は別にして儀式が執り行われる。



 今回の王都のお祭りの主役としては、『女神エリスティーヌ』を支える存在、七天の女神様達にしている。


 そのため、王都の各広場に分散して、コジンマリとしたお祭りにしていた。


 初日は、王都民が対象になっている。二日目は、非番の王都守備隊が各広場の、特設コーナーでオモテナシ招待になっている。


 また、二日目は王都の中央広場で、景気回復祈願として、露店が出て賑やかに開催が予定されていた。


 表面上はそうなっているが、この企画には王都修道院と神殿、重臣達を巻き込み立案されていた。


 王都の各広場では、今日開催される七天の女神祭開催の案内をしていた。


 また、各広場には小規模な特設ステージもあり、七天の女神様達が各広場を回っていた。


 リザリア師匠はまだ昼なのに、飲んでいい心持ちになっている。



 私は「師匠ー、最近暑くなってきたからエールを冷やして、飲むのもいいですがー、おつまみに注意してくださいねーーー!!」


 「なに言ってんのよーーー!! あなたが露店に伝授した食べ物が、美味しすぎるからでしょうーーー!!」


 うーん、でもなー、天ぷらやボテチ、大豆の青い豆(枝豆)、鳥の手羽焼きって、お腹が大丈夫かなーーー!!


 しばらくすると、師匠がアッチコッチにウロウロと行きだした。あれ? どーしたかなーーー!!


 「師匠ー、さっきから、ウロウロとどーしたんですかーーー!!」


 「うーん、ねー、エミリアさー、男性になる変身アイテムを持っていないかなーーー!!」


 「えーーー!! 突然、なにをー言ってるんですかーーー!!」


 「そんなもの、作っているわけないでしょうーーー!!」


 「えーと、急にお腹が痛くなってきたのよーーー!! でも女性用のトイレは待ち行列が出来てるのよーーー!!」


 師匠は心配した通りに、なってるーーー!! だから注意したのにーーー!! モーどーしよーーー!!」


 取り敢えず、師匠に聞いてみた「この付近に、知り合いのお店ってありませんかーーー!!」


 すると「あー、あるーーー!! アルナイ魔法具店だーーー!! すぐにそこに行きたいのーーー!!」


 私は「モー、師匠隠れて使ってくださいねーーー!! ショート転移のアイテムを出し、師匠ーに渡したーーー!!」


 師匠は、急いで木陰に向かい、消えていた。私は、モー師匠ーったら、子供かーーー!! と私はおこっていた。


 ふと気付いた、ここからお店が見えるかな? 天眼を使ってお店は良く見えた。が、お店の大きなドアに『CLOSE』とあった。


 えーーー!! お店が閉まっているーーー!! モー知らないーーー!! とまた私は怒っていたーーー!!


 しばらくすると、師匠の消えた木陰に、師匠ーが戻ってきた。見ると、『ホット』した顔をしていた。


 すると、それを見た私は、思わず笑いがこみ上げてきてーーー!! お腹が痛くなるほど、笑っていたーーー!! =^_^=



〔和平交渉2/2〕


 ここは、王太子殿下の居城だったところ。


 【『エルモニア王国』の興国の宣言】のあと、王太子妃コゼットは、『エルモニア王国』女王コゼットになり、その居城になった。


 いまは、その居城の応接の間で、この国の王妃イザベラと和平交渉をしている。


 その話のなかで、東エルムズ国がエルムズ国の国境を越えて侵攻した話を、これから、知っている詳細を話そうとしていた。



◇◇◇◇◇◇(この事件の内容)


 「王妃イザベラ、東エルムズ国とエルムズ国の間で、双方のいい分に食い違いあるようだけど。知っていることを話すわ」


 東エルムズ国とエルムズ国の間に、北から南へ流れるシュトラル川がある。国境の橋の近くに、中洲があった。


 この中州の付近で、度々シーサーペントが目撃された。どうやらシーサーペントが棲みついたようだとのウワサが、東エルムズ国に流れていた。


 元々国境の橋の近くには、砦があった。この砦に東エルムズ国は、内々(としているモロバレ)に侵攻軍を集めていた。


 侵攻のタイミングを計っているため、待機している期間が少々長くなり、兵達は力が余っていた。


 今回の件は、この付近を直轄領としている、水軍の王弟殿下メルガラムが、シーサーペント討伐隊を派遣したことだった。


 国境はこの中州をエルムズ国の領有地と定めていた。


 しかし、水軍の王弟殿下は、シーサーペント討伐隊を中州に派遣した。普段は王都にいたので、すっかり忘れていた。


 中州には、エルムズ国の漁師小屋が、幾つか建っていた。漁師はこの中州で昼の準備をしていたところ、シーサーペント討伐隊と争いになった。


 斥候の討伐隊が、漁師たちが仕留めた大きな川ヘビを、勝手に持っていこうとしたからだった。


 漁師たち「なんだーーー!! お前たちここは、エルムズ国の領地だーーー!! 直ぐに帰れーーー!!」


 討伐隊は「シーサーペント討伐に来たんだゾーーー!! お前たちがシーサーペントに偽装してたなーーー!!」


 何度か、こんな押し問答をしていた。その間に漁師たちは、これは偽装した侵攻軍だと思い出した。


 漁師たちは、以前よりエルムズ国の水軍より、東エルムズ国の侵攻軍を見たら、合図玉を打ち上げて侵攻を知らせて、逃げろと言われていた。


 シーサーペント討伐隊は、川船5隻に乗って来ていたため、直ぐに合図玉を打ち上げて、漁師船でエルムズ国へ逃げ出した。


 まだ上陸していない討伐隊の川船4隻が、この漁師達を追いかけてエルムズ国へ上陸した。


 エルムズ国の警備兵が続々と集まり、上陸した討伐隊を包囲して捕縛した。この中に水軍の王弟殿下もいた。


 川船4隻も、エルムズ国水軍に拿捕だほされた。



◇◇◇◇◇◇


 「女王コゼットからは、王妃イザベラに、双方のいい分の食い違いなのだけどね」


 「東エルムズ国はね、あくまで『シーサペントの討伐隊』だと主張しているようなの」


 「それと、中州にあった大きな川ヘビを『シーサーペントに偽装して、ウワサを流して我が国を騒がせていた』と主張してるの」


 「モチロン、『シーサーペントに偽装』の証拠も出せてないの。だから、単に思い込んだ。になるだろうけどね」


 「マズイのは、川船5隻でも、水軍の将である王弟殿下がいたことなのよ」


 「しかも、中州に上陸したら、越境扱いでしょ。更には、エルムズ国内にまで漁師たちを追ったから、明らかに国境侵犯でしょ」


 「だから、いまは隣国の東シュトリアル国とシュトリアル国も入って、国際問題になっているのよ」


 「しかも、東シュトリアル国とシュトリアル国が国境に兵を集めても、正当化されてしまう。全く愚か者よね」


 「ふーん、じゃあ、女王コゼットさんは私が急いで帰る必要がなくなったといっているのね」


 「でも、そうね。じゃあ、明日になったら《緑の聖女》が到着するから、確認してから調印式をしましょう」


 「じゃあ、今晩はここに泊まらせてね」


 「いえ、二日後に、【『エルモニア王国』の興国の宣言】の祝賀会を予定しているわ。そこに出席してほしいの」


 「西と東のエルムズ国の国王も招待するから。まーさっきの話で、東の国王は大変だろけどね」


 「出欠席の返事は、明日の午前には来ると思うの」


 「女王コゼットさん、わかったわ。じゃあ、そこまで滞在させて頂こうかしら」



〔《緑の聖女》(マリア)の旅〕


 今朝けさ、私達は王太子殿下の領都へ向けて、出発した。


 私達といっても、王妃の専属副侍女長と侍女とマリア、数名の護衛騎士(傭兵だし、ゆるゆる感が強い)になる。


 私は、ローブをこの国の聖女様服に着がえ、ベールをしている。


 《緑の聖女》様の服じゃあ、神殿側も困るし(略奪は伏せている)。こちら側も、《緑の聖女》様だと別勢力の略奪リスクが高い。



 王妃の専属副侍女長と侍女は、あまり旅に慣れていないようだ。王宮のようにピシーと座っている。


 あれじゃあ、街道といってもこのガタガタ道だ。たぶん夕方までには、お尻が4つに割れそうに痛くなるだろうなーーー!!


 そう思うと笑い出しそうになったので、ガマンして抑えている。


 旅に出る前に事前に調査していたのか、初めての旅ですから、少し遅めに馬車を走らせます。と言っていたが、自分達のためじゃないかなと、いまは思っちゃうなー。



 お昼頃に、休憩になった。どこかの貴族だと感じたか、農家の人達が現れた。


 「お貴族様とお見受みうけしました。すぐそこの果樹園の者です。旦那様が荷車に足をはさまれて、骨が折れたようです」


 「ここの果樹園の木の選定を今日中に終わらせないと、いけません。ポーションをお持ちでしたら、お分けください」


 すると「私は王宮専属の副侍女長をしてるわ。でも骨折を直すポーションは、高品位なものでなければ、治癒できないの。そのようなものは、持ち歩いていないよ」と冷たくアシラッタ」


 「はい、確かに高価なものだと思っています。足らない分は、後でお支払いします。是非、お分けください」


 農家の人達は、必死にすがりつくように食い下がっていた


 マリアは、何か最近の私は、エミリアのクセがウツッタかな? 黙って見過ごせなくなっていた。


 副侍女長へ声をかけた「最近は、物騒ぶっそうなことがありました。何かの時にと《光の聖女》から治癒の加護のアミュレットを授かっています。試してみてもいいですか?」耳元で囁いた。


 副侍女長は小声で「高品位ポーションは本当に持っていないんです。でも、せっかくですからお力を、お見せください」


 農家の人達には、私は治癒師だから、治癒できるか試してみるしかないです。ご期待にそえないと思ってくださいと説明した。


 それでも、試して欲しいというので、治癒して見ることにした。


 取り敢えず、旦那様の元へ案内して貰った。見てすぐに分かった。スネが『くの字』に曲がっていた。


 先に、アミュレットを使って無痛にした。次に骨を元に戻して、添え木を当ててもらった。


 さー、どこまで治癒できるのかな? 骨折部分に手をかざした。アミュレットでハイヒールを唱えてみた。


 骨折部分が明るく光り始めたー。しばらくすると、光り輝きだしたー。すると腫れあがっていた骨折部分の腫れがひいていった。


 私は「足を少しづつ動かしますよ」と断ってからつま先を動かしてみた。痛がっていない。


 旦那様は、自分で足首を動かしても痛みを感じなかったようだった。骨折部分を触っても痛くないと言った。


 私は、試しに分析アナライズしてみた。うーん、骨折して治ったような骨になっていた。いけるかも?


 試しに立ってもらった。旦那様は少しづつ足を動かしてみてる。そして、最後に軽くピョンピョンしだした。


 農家の人達が一斉に声を挙げた「治ったーーー!! 素晴らしい治癒の力だーーー!!」と称賛を受けてしまった。


 そして「聖女様、希少な奇跡を、ありがとうございますーーー!!」と聖女様と呼ばれてしまった。


 副侍女長は小声で「すごいですねー、《光の聖女》様。治癒の加護のアミュレットの力ですかーーー!!」と欲しそうにしていた。


 そこで私は、「異世界から来た人でないと、使えないみたいですよー」と言っておいた。


 この力だけで、この世界では食べていけるような力だーーー!!


 だから、今後は《光の聖女》様が狙われないように、先に制しておいた。


 旦那様は、特産のワインですがお納めくださいと、ワインを出してくれた。


 副侍女長は金貨を何枚かもらって嬉しそうにしていた。そして、特産のワインを試飲すると、更に嬉しそうな顔になった。


 副侍女長は侍女と小声で囁いていた「あの《緑の聖女》様のお陰で、王宮でも称賛されるワインが手に入った。これは、王妃様に、お褒めを頂ける」と。


 私はそんなことより、このアミュレットを作った、エミリアに驚いていた。こんなものが作れて『ハズレ』聖女なのか?


 《光の聖女》様より、力があると思ってしまった。何かそれが、よりエミリアらしくて、いいと感じ、オモイッキリ笑いたかった。



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