表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勝手に召喚! 身代わり王女は困ります。 侍女のザマーとハピエンに転がされ? それなら自由に生きてやる!  作者: Aprツツジ
二章 エルムズ王国動乱

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/764

#31 ○現王妃イザベラと王太子妃コゼットの悪だくみ(7)

①王妃イザベラの和平交渉【波紋その3】は...

〔エミリアのジャム作り〕

 ・エミリアへの予期しないねたあります


〔領都の包囲作戦〕

 ・領都周辺のコゼットの兵は...


〔王太子妃の降伏〕

 ・居城に白旗が掲げられ...



◇◇王妃イザベラの和平交渉【波紋その3】


〔エミリアのジャム作り〕


 いまは、領都シュトガドルの幽閉の塔にいる。


 今日は、先日エルナちゃんと摘んできた、グリーンベリーでジャム作りをしようと思っている。


 グリーンベリーを一粒づつ綺麗に洗っている。だいたい、洗い終わってきた。


 あとは、エルナちゃんが底の厚い鍋を、厨房へ借りに行っているから、戻ってくるのを待つだけだ。


 屋台の人伝ひとづてに、作り方を聞いたけど、前にレシピサイトで見た、ブルーベリーのジャムの作り方と同じようだった。


 ああ、あの階段を上がってくる足音は、エルナちゃんだー。うん、ずいぶん軽やかに上がってくるなー?


 そこへエルナちゃんが駆け込んで「エミリア、厨房で一番底の厚い鍋って言ったんだけどー、厚さはそんなに変わらないってさー」


 「だからねー、底のぶ厚いフライパンならあるっていうから、それでいいかなーって言ったのー」


 「そうしたら、奥の方から二人でやっと出してきたー。でもねー、幽閉の塔の階段じゃ二人並んで登れないからって言っているのー」


 「それでー、どーしても必要なら厨房に場所を用意するから、聞いてみてーって言ってるのー! エミリアどーするー?」


 えー! 二人でやっと出すような、フライパンってー! いったいどんな巨大なものなのよーーー!! そんなのいらないわー!


 「エーットー! エルナちゃん。分かったわー! 私が、直接厨房に見に行ってくるから、ありがとうねー」


 「エー! でも王女様だからねー、竜騎士様を馬に乗せるウィンチ※を急いで用意するからって、言ってたよーーー!!」


※竜騎士様を馬に乗せるウィンチ:重装甲の甲冑装備だけで総重量は60Kgなど、だから皆で吊し上げて、馬に乗せる道具


 えーーー!! すでにどんだけーメーワクかけちゃっているのよーーー!! 大変だーーー!!


 私は、全速力でーーー!! 急いで階段を駆け下りて、厨房へ行ったーーー!!



◇◇◇◇◇◇


 あー! よかったー! 竜騎士様を馬に乗せるウィンチの手配は、まだ厨房で、検討しているところだったー。


 侍女エミリアの姿で行ったので、色々あやまったりして、何とか収めることができたわー。


 これが、ギル(王弟殿下のご令息:ギルバート)が絡むことになっていたら、大変だったわーーー!!


 最悪、また赤ほっぺを見てしまうくらいに、接近されちゃうじゃないのー! それだけはヤダーーー!!


 すると厨房にきた、王女様専属副侍女長エミアーヌと会った。


 エミアーヌは、鍋を持った侍女エミリアの姿をながめていた。


 エミリアは、あれー? 何か地雷を踏んでしまったのかなーーー? すでにエルナちゃんの件を知っているーーーのかなーーー!!


 するとエミアーヌは私の横に来て耳元でささやいた「幽閉されている間ですが、つかの間の自由をお楽しみください」


 「でもあなたは、王女様ですから。ユリウス様に嫁ぐまでですよ。王子妃や今の情勢なら王妃になられるお方です、ご自覚を」


 私はいつも通りの、プレッシャーがあるーーー!! 言葉だなーーー!! と思ったーーー!!



〔領都の包囲作戦〕


 王弟殿下と王太子殿下は、領都出発前に伝令を走らせて、領都周辺の王太子妃コゼットの兵の蹂躙じゅうりん作戦を決行させていた。


 二人はいま、手勢を率いて、領都近くで待機している、水軍の陸戦隊と合流していた。


 野営地の司令部に王弟殿下と王太子殿下が、参謀ギルフレットを伴って、入っていった。


 ちょうど、領都周辺のコゼットの兵、蹂躙作戦の成果報告の伝令が、来ていた。


 王弟殿下と王太子殿下は、あれ? 成果報告だと...、経過報告じゃあないのか? と思っていた。


 王弟殿下と王太子殿下は、領都周辺に幾つかに分れたコゼットの兵を果敢に攻めている経過報告を期待していた。


 更に、期待はふくらみ騎士団が先頭に立ち突撃して蹂躙し、守備兵が逃げまどうコゼットの兵を追撃する様子も期待していた。



 伝令の報告「では、ご報告致します。手はず通りに、昼のうちに4カ所の拠点を周りました。」


 「七天しちてんの女神様(#30を参照)の姿で、夕暮れ時からミルダ街で、七天の女神祭を行い、特産の酒が無料で飲めるとふれ回りました」


 「集まるのは半数近くかと想定してましたが、各拠点から9割が集まった次第です」


 「やはり、七天の女神様達、七人がとてもカワイイので、ステージ前はかなり群がっていました」


 「特産の酒に、頂いたデバフ薬を入れましたが、じっくりと効いて、全員を簡単に捕縛ほばく出来ました」


 「各拠点に残った者は25名程度でしたので、冒険者達が容易に制圧しました」


 「デバフ薬は明日の朝までは効くとの指示でした。全て、後は冒険者達に任せています」


 「もう、四半刻(30分)もすれば、騎士団と守備隊が合流出来ると思います」


 「これにて、成果報告は以上となります」



 これを聞いていた、王弟殿下と王太子殿下は、呆然ぼーぜんとしてしまった。


 2人共、これっていくさだよな!! 西エルムズ国の侵攻を、岩を投げ込むだけで、簡単に阻止できたり!!


 傭兵っていっても、1,000名だぞ!! これが、我が国の将軍の実力なのか!! どーなっているんだ!!


 ほとんど、血が流れない戦ってなんだーーー!! と考え込んでいた。



 参謀から「よし、伝令ご苦労であった。下がってよいぞ」


 この参謀の言葉で、ふたりは、ハットして!! 我に返った!!


 「王弟殿下と王太子殿下、これにて我々は作戦に勝利しました!! ただちに領都の包囲の配置に着手致します」


 「戻ってくる騎士団と守備隊の配置も、ここまで戻らせず、直接伝令を飛ばして配置するでよろしいでしょうか?」


 王弟殿下と王太子殿下はかろうじて「よし、まかせよう」と返事をするのが、やっとだった。



〔王太子妃の降伏1/2〕


 翌朝、王都の正門前で、王弟殿下と王太子殿下の手勢1,000名の旗がひるがえっていた。


 王太子妃コゼットには、早朝には連絡が入っていた。



 「アル!! よくもヤッテクレタはねーーー!! 領都周辺の兵も簡単に倒したのかーーー!!」


 「西エルムズ国の侵攻軍の阻止といい、知恵者がいるわねー。ここは慎重に進めようかーーー!!」と補佐官に言っていた。


 「補佐官、ここは、手はず通りに降伏をしましょう」


 「はー!! ではただちに、白旗を掲げましょう」補佐官はバタバタと、白旗の掲揚けいようを手配していた。



 王弟殿下と王太子殿下は、居城に白旗が掲揚されていくのを、悠然ゆうぜんと眺めていた。


 二人は既に勝ち誇った顔をしているな、と参謀のギルフレットは見ていた。


 「王弟殿下と王太子殿下、差し出がましいようですが、勝利を全て手にするまで、お気を付けください」


 「うん、そんなことは、分かっておる!! なー、アル」


 「はい、当然のことです!!」



 補佐官が、居城から馬車で正門へ向かって急いで来ている。二人はそれを待っていた。


 「ふむ、アルよあれは、補佐官が迎えにきているようだなー」


 「はい、そのようです」



 補佐官が到着した。馬車から降りて来て、うやうやしく、頭を下げた。


 「真の主様あるじさま。王太子妃コゼット様から、言伝ことづてを預かっております」


 「王太子妃コゼット様から、主様さすがの武勇でございます。いさぎよ軍門ぐんもんくだります」


 「主様の居城にて、おさばきを頂く覚悟でございます」とお伝え致します。


 「私めがそのため、馬車にて急ぎお迎えに上がりました、次第しだいでございます」



 二人は、補佐官に誘われるままに、馬車に乗ってしまった。


 参謀ギルフレットは、だから注意を差し上げたのに。まるで、耳を塞いでいるのに、聞こえているふりをしているようだな!!


 まー後は迷わず、ウチの大将の指示の通りに、このまま包囲を続けようじゃあないかー!



◇◇◇◇◇◇


 補佐官の迎えにきた馬車に乗った二人は、悠然と勝ち誇った顔をして、補佐官と話していた。


 「アル、お前の居城に戻るのも、久し振りだな」


 「ええ、昨日は我が家が、他の人の物になったと思っていました」


 「やはり戦に勝つというのは、このような爽快なことなのですね」


 「ああ、お前もよく覚えておけ。勝利を手に入れることが大事だとな」


 「なー、補佐官もそー、思うだろー」


 「はー、さようでございます」


 そして、居城の門に入ると馬車が止まった。


 補佐官が、門番に話しかけたのを眺めていたが、2人共意識が無くなっていた。



◇◇◇◇◇◇


 王弟殿下と王太子殿下の事態は、またたく間に『歴代の正妃が引き継ぐ情報網』より配信されていた。


 【 ユリウス様とリリアーヌ 】


 ユリウス様とリリアーヌへ『歴代の正妃が...』から連絡が入っていた。


 二人は「やはり、想定した通りかー! 将兵達の努力で戦に勝利したのに...全く残念な二人だーーー!!」



 【 リザリア師匠とエミリア 】


 リザリア師匠とエミリアへ『歴代の正妃が...』から連絡が入っていた。


 師匠は「私達の出番が近いわねー! 将兵達の努力で戦に勝利したのに...二人がいない方が良かったのにねーーー!!」



 【 王都の重臣達 】


 宰相へ『歴代の正妃が...』から連絡が入っていた。


 重臣達「我々の出番が近いですなー! 将兵達の努力で戦に勝利したのに...全く邪魔な二人だーーー!!」



 【 マリア(《緑の聖女》) 】


 壁からネズミさんの気配がした。見ると指で、わらった顔と泣いた顔にしている。


 ふん、そうかー、勝利はしたがあの二人がダメにしたのかーーー!! ソロソロ、動き出すなー!



次回、

王妃イザベラの和平交渉【波紋その4】

 王太子妃の降伏...勝利したのに...


〔師匠のいくさ乙女〕

 ・エミリアへのイジリねたあります...師匠は...


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ