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勝手に召喚! 身代わり王女は困ります。 侍女のザマーとハピエンに転がされ? それなら自由に生きてやる!  作者: Aprツツジ
二章 エルムズ王国動乱

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#30 ○現王妃イザベラと王太子妃コゼットの悪だくみ(6)

①王妃イザベラの和平交渉【波紋その2】は...

〔リリアーヌからの連絡〕

 ・エミリアへのイジリねたあります


〔王弟殿下と王太子殿下の作戦会議〕

 ・領都は王太子妃に...


〔エミリアの召喚準備〕

 ・エミリアは何を呼び出す...




◇◇王妃イザベラの和平交渉【波紋その2】


〔リリアーヌからの連絡〕


 今朝も、領都シュトガドルの幽閉の塔にいる。


 昨日は、リリアーヌから連絡があり、魔導通信機で、ユリウス様とリリアーヌ、リザリア師匠と私で相談をしていた。


 それにしても、ユリウス様の話を初めて普通に聞けたなー! ユリウス様は、以前会った時と違って、うん!! リーダーしてるーーー!! アル(この国の王太子:アルバート)なんかとは大違いの、王子様だと感じていた!



 師匠はー今日も『ポート』しながら、私の作った野菜のスムージーを、ゆっくりと飲んでいる。今日の酸味は、地球では「バルサミコ酢」になるのかな? 何か気付くかな? たまに師匠に、タップリとサビカラミ(練りワサビ)を入れたくなる時もあるーーー!!


 うん? ダメだわー、ゼンゼン気がついてくれないなー!



 今朝は、エルナちゃんがお毒味役に来ている。王女様の食事ができるので、いつも喜んでいる。師匠は、最近、朝はのーんびりとしているので、お毒味役には、ゼンゼン役立っていないなーーー!!


 エルナちゃんが「王女様っていいなー、いつもこんな美味しいものが沢山たくさん食べられてー。エミリアが王女様しているのなら、私もなれるかなー」と。


 えー、えー、そうできるのなら、替わって頂いても、いいですよー! と思いながらエルナちゃんへ、言ってみた。


 「エルナちゃんはねー、いつもお腹一杯に食べているでしょう。王女様はお腹が太いと、いつもシメツケを手伝ってもらっている、コルセットが入らないのよー。だからねー、お腹一杯に食べられないのよーーー!!」


エルナちゃんからは意外な反応が「えー! そーなのー! エルナはエミリアのコルセットをいつも、ちからイッパイに締めているんだけどー! あれでもお腹が太くならないようにしているんだーーー!! エミリア! これ以上、大変になるんだったら手伝ってあげないからねーーー!!」


 えー! そんなーーー!! いつも気を付けているハズなのにーーー!!


 グリーンベリー摘みでドブ臭くなる沼(#27を参照)のこととか! エルナちゃんの天然なイジリは、師匠を既に上回っているかなーーー!!



〔王弟殿下と王太子殿下の作戦会議〕


 ここは、南地方のエルモ川にある、王弟殿下と王太子殿下の軍営所である。


 南地方の陸の将軍サザウス殿が、南地方の水軍将軍リグバル殿を伴って、訪ねてきた。


 まず、水軍将軍リグバル殿より報告があった。


 「最近、西エルムズ国の湿地帯より手漕てこぎ船や小型の川船が、エルモ川に注ぐ支流へかき集められていました。その数はまだ予定の半数程度でしょう」


 「昨日、西エルムズ国傭兵軍と思われるものに、動きがあるのを察知しました。おそらく、本日の早朝に、エルモ川を越えて移動して、王太子殿下の領都付近を目指す予定のようでした。拠点の下準備は始まっているのは知っていました」


 「昨夜のうちに、エルモ川に注ぐ支流の河口に、岩を投げ込みましたので、しばらくは撤去に追われて、侵攻はできないでしょう」


 「それと、殿下の領都の兵力ですが、領都に500名、居城内には500名、領都周辺に1,000名、いづれも傭兵又は偽装の西エルムズ国軍兵のようです」


 「つまり、領都の周辺は王太子妃側の兵になっているものと見られます」


 「王弟殿下と王太子殿下がエルモ川へ出兵した後、表面上は派遣と称して、勝手に解雇扱いしています」


 「領都と居城内の騎士団1,000名と守備兵1,000名になります」


 「水軍にて解雇扱いされた方を、そのままの装備で確保しております」


 王弟殿下と王太子殿下へのインパクトは大きかったーーー!!


 「それでは、我が家が、我が家以外のもの達になっているのだなーーー!!」と王太子殿下は投げやりに言った。


 「いいえ、殿下、王太子妃のものになっていますよ!!」と水軍将軍リグバル殿から冷たく言われた。


 「むーう、も早や私の妻ではないーーー!!」更に、王太子殿下は投げやりに言った。


 「ですから、昨夜のうちに手勢で居城に向かわれていたならば、捕縛され、人質となっていたでしょう」と陸の将軍サザウス殿からも冷たく言われた。



 王弟殿下が「アルよ、奪還のチャンスはまだあるだろーーー!! コゼットの好きにはさせないだろーーー!!」


 王弟殿下と王太子殿下は「領都の奪還をしたい!! いま割ける兵力はどのくらいかーーー?」


 陸の将軍サザウス殿から「陸は、エルモ川を挟んで、北地方勢と対峙しておりますので、現状の配置を維持すべきです」


 水軍将軍リグバル殿から「先ほどの騎士団と守備兵で2,000名、陸戦隊は2,000名、精強な正規軍が派遣できます」


 「更に、冒険者傭兵1,000名がおりますので、合計5,000名となります」


 王弟殿下と王太子殿下は「おおーーー!! では我々の手勢1,000名加えて、6,000名で、奪還が目指せるーーー!!」


 「唯ギルが私に領兵を派遣してくれれば、更に、出せたものが!! 再三派遣するよう催促したのにーーー!!」と王弟殿下は悔しそうに、言っていた。


 サザウス殿から「王弟殿下、ガラーム将軍が橋を閉鎖しており、それは無理だと理解しております!!」


 但し、王弟殿下以外は、ギル(王弟殿下のご令息:ギルバート)は、王女様に...と分かっていた!!


 陸の将軍サザウス殿から「では、水軍の兵力で奪還の作戦を立てましょう。私の副官ギルフレットを、参謀に据えましょうぞ!!」


 この後、詳細な奪還の作戦計画がたてられた。



 参謀となる、副官ギルフレットから、作戦を説明します。


 「領都周辺の1,000名は、僅かな西エルムズ国軍と9割以上が冒険者の傭兵です。装備は軍で言えば、軽装歩兵程度です」


 「これを先に、水軍で確保している部隊で向かいます」


 「陣容は、騎士団1,000名と守備兵1,000名で、蹂躙じゅうりんして、冒険者傭兵1,000名に任せます」


 「その後は、騎士団1,000名と守備兵1,000名が領都で合流します」


 「この部隊は、既に領都周辺におりますので、伝令を飛ばせば、直ぐに実施できます」


 「陸戦隊の2,000名も、領都近くで待機しておりますので、王弟殿下と王太子殿下が手勢を率いて合流すれば、領都の包囲は容易に出来ます」


 王弟殿下と王太子殿下は「よくぞ、ここまでの配置を準備してくれた!! では直ぐにでも、領都の奪還にむかうぞーーー!!」



〔エミリアの召喚準備〕


 領都シュトガドルの幽閉の塔で、リザリア師匠とエミリアは夜を待っていた。


 師匠が「ねえー、エミリア、こんな時間にどこで召喚するのかな?」


 「いえ、どこにも行きませんよ。この塔の上でいいでしょう!!」


 「ええーーー!! エミリア、この塔の上に出られるの?」



 エミリアはどこから持ち出したーーー?


 長い棒を持って来た、そして棒の先にあるカギ爪を天井につけた。そして、天井を引っ張り降ろしたーーー?



 えーーー!! エミリアって天井を落としたーーー!! リザリアがよく見ると、あ! 違う、階段だったわーーー!!


 「師匠、これで上に出られますよー」と大したことは、していないという、顔の表情だった。


 「ねーーー!! エミリアはどうしてこんな事を知っているのーーー!!」


 「え! それは先日、点検にきた時に侍女エミリアで立会してました。ああ、師匠は王女様に変身してたから見てませんでしたか?」


 「えーーー!! そーなのーーー!! なんかー、驚いちゃったわーーー!!」


 「でも何で、上なの?」


 「それは、見ればわかりますよー。今度の作戦で効果を出すために、戦女神いくさめがみを出すんでしょう!!」


 「師匠の召喚してるのは、戦乙女いくさおとめじゃないですかーーー!!」


 「えーーー!! エミリアってーあれは、七天しちてんの女神様達なのよーーー!!」


 「えーーー!! 師匠ー、女神様達だったんですかーーー!!」


 「エミリアってばー、一体なんだと思ったのーーー!!」


 「あれってーーー!! とーっても、カッワイイじゃないですかーーー!! 私から見たら、ヤッパリー、戦乙女ですよーーー!!」


 リザリア師匠は、今日のエミリアって、なっにかー、オッカシーような気がするなーーー!!」



 そうして、二人は階段を上り、塔の上に出た。


 エミリアが召喚を詠唱していると、楕円形のドーム型の器が現れて、中は白いもやがかかっていて明るい。大きさは5~6mくらいあるよーーー!!


 「ねーーー!! エミリア、これって、モノスゴーク大っきいけど、大丈夫なのーーー!!」


 リザリア師匠は、トーッテモ不安を感じていたー。エミリアは、一体、何を呼び出すのー! 間違って邪神ってないよねーーー!!


 そんなの呼び出したらー、直ぐに逃げだしてやるー! エミリアって、生贄いけにえにできるよねーーー!!



 段々と形が現れてきたーーー!! するとエミリアは、友人に会ったような挨拶を始めたーーー?


 へっ、親し過ぎるなーーー!! 大きさは5~6mくらいの武装をしていたー! まさしく女神だったーーー!!


 「ねー師匠どうですかーーー!! 本物の女神様ですよーーー!!」


 「ねーーー!! エミリアーーー!! 女神様の名前ってーーー?」


 「ああ、ノイリですよー。ご紹介します、私の友人で、ほかの世界で女神様※にナチャッテいましたーーー!!」


※女神ノイリ:これは、また別のお話へ...


 「えーーー!! 地球世界から召喚されて、女神様になったってーーー!!」


 それから、エミリアは、女神様としばらく会話をしていた。


 リザリアは魔法の詠唱に含まれる古代エルフ語の知識で会話をしているのは分かった。断片的に理解できる言葉を拾っていたー!



 ひょっとしたら、エミリアって。いやまさかだよーーー!! でも女神様がー、エミリアを神っぽい単語で指していたねーーー!!


 えーーー!! 私達は召喚で、とんでもないものを、呼び出してシマッテいたのかーーー?


 エミリアは召喚を解除して、師匠へ顔を向けた。


 「師匠ー、どーですかー。戦女神だったでしょうーーー!!」


 リザリアはドギマギしながら「うーん、そうねー。あれは、充分過ぎないかなー?」とモノスッゴクー不安になっていたーーー!!


 あれが暴れだしたらーーー!! どーなるのーーー!!


 「ええ! 何か心配ですか? ノイリはおとなしいですよー」


 リザリアは、直感で、色々聞きたいけどーーー!! 『興味を持ちすぎると、それは死神の別名となる』って頭に思い浮かんだー!



 「いえ、いいのよー! 今は驚きで混乱してるだけだから、後で整理してから聞くからねー」とだけ答えておいたーーー!!


 後々に、この状況を目撃した居城の人達から、ウワサ話が広がることになるが、また別のエピソードで...。



次回、

王妃イザベラの和平交渉【波紋その3】

 どう展開されるのか...


〔エミリアのジャム作り〕

 ・エミリアへのイジリねたあります


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