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勝手に召喚! 身代わり王女は困ります。 侍女のザマーとハピエンに転がされ? それなら自由に生きてやる!  作者: Aprツツジ
二章 エルムズ王国動乱

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#29 ○現王妃イザベラと王太子妃コゼットの悪だくみ(5)

①王妃イザベラの和平交渉【波紋その1】は...

・エミリアへのイジリねたあります



◇◇王妃イザベラの和平交渉【波紋その1】


〔師匠とエミリアの日常〕


 エミリアは、今朝も早く起きた。何か変なユメをみてたようなー? 周りをみると、うん、領都シュトガドルの幽閉の塔。侍女の待機部屋だー。


 しばらく振りに王城の離宮、王女エリーヌのベッドの上で寝てたようなユメだったわー。でも変ね、マリアがいつものように私を抱き枕のようにして背中からキュウしてるような気がしたわー?


 少し早いけど、リザリア師匠の朝の野菜スムージーを作っている。キャロット(にんじん)みたいなものと、程よい酸味のリンゴ風の果物も入れている。最近師匠は飲み過ぎなんだよねー。寝る前に飲んでいるのに深酒ってー、もー信じられないー!!


 師匠が起きて来た。いつものように、先ずスムージーを『ポート』しながらゆっくりと飲んでいる。


 そして師匠は「このアポリィ(リンゴ風の果物)の味がいいねー!! 真っ赤に熟れた味がまたいい!! ねーエミリアちゃん、最近は、ギル(王弟殿下のご令息:ギルバート)と会っているのー」


 私はイジリねたを警戒しながら「ええ、週に一度はここに来てるでしょー」


 すると師匠は「相変わらず、ギルは真っ赤に熟れたアポリィの実ような顔をしながら、密会してるんだーーー!!」


 「いいえー!! モー師匠ーったら!! 密会とならないように、エミアーヌやエルナちゃんが付き添っていますからねー!!」


 「えー!! そーなの!! たまにはさー、エミリアちゃんもギルに押し倒されて見たらどーなのーーー!!」


 「モー!! 師匠はー!! ただでさえ、あのウワサのせいで、変な意識が出たりするんですから、ヤメテネーーー!!」


 「師匠ーそんなことを言ってるとーーー!! 今度はピリット起きれるように!!、スムージーにサビカラミ(練りワサビ)メイッパイ入れてあげますからねーーー!!」


 「イヤー、悪かったー! ゴメン、ゴメン。何かアリシアやマリアが気になって仕方がないから、気を紛らわせたかったのー!」


 「それは私も、同じですけどーーー!! 人をイジリに使うのはヤメテくださいねーーー!!」


 「あのもう一人の私が、変な扉を開いたせいで、王女様姿で居城にいると、キラキラしたご令息が集まってくるんですからねーーー!!」


 「それなら、すぐに、ユリウス様へ嫁げば、その扉は閉じるから、大丈夫よねーーー!!」


 「師匠ーーー!! まーたーーー!! 私をイジッテるーーー!!」


 師匠とエミリアは、そんな日常を送りながら、お互いに出番を待っている。



〔和平交渉の手配〕


 イザベラは、宰相との会見が終わり次第に、コゼットの所へ行く気に満ちていた。サー! ササットー! 出発の支度をするからねーーー!!


 そこを補佐官が抑えている「お待ちください、まだ色々と手配が必要ですから。真っ先に、南地方へつなぐあの橋を、通れるようにしないと、いまは閉鎖されているんですからね」


 「それに、王太子妃へ連絡しないと、南地方の『あるじ』である宣言が、できないですから」


 「あら、そうね。少し先を急ぎ過ぎたかしら。まずは手紙を書いて連絡ね。私は、ガラーム将軍へ閉鎖中の橋が渡れるように和平交渉について連絡をするわよ。あなたは、王太子妃へ連絡を頼んでもいいかしら?」


 補佐官は「はー! 受け賜わりました」


 そして、ガラーム将軍への手紙を書き終えてから、イザベラは気が付いた。順序を守らないと、ガラーム将軍は宰相のようには、いかない人だから! 【コゼットが南地方の『あるじ』である宣言】の後でないと、意味がないわねー。


 しかし、何故か一番重要機密である、【コゼットが南地方の『あるじ』である宣言】が、その日のうちに王弟殿下と王太子殿下へ伝わっていた。



◇◇◇◇◇◇


〔王弟殿下と王太子殿下の焦り〕



 ここは、南地方のエルモ川にある、王弟殿下と王太子殿下の軍営所である。


 王弟殿下と王太子殿下は、晩餐ばんさん後の、お茶をゆっくりと飲んで楽しんでいた。そこへ突然、「緊急の連絡でーす!!」


 二人は「どーした!! 船でも来ているのかーーー!!」


 伝令が「いえーーー!! でも同じくらいに緊急の連絡ですーーー!!」


 「早く内容を伝えろーーー!!」


 「それが、王太子妃がーーー!! 【南地方の『あるじ』である宣言】を予定しているとの情報が入りましたーーー!!」


 「なんだってーーー!! そんなものどこからの情報だーーー!!」


 「それが発信元が、『歴代の正妃が引き継ぐ情報網』からなんですーーー!! 前の王妃が亡くなって以来、機能が停止していたのですが...。突然と動き出したようですーーー!!」


 「情報を照合するため、王太子殿下の居城にいる影に確認させました。すると、【南地方の『あるじ』である宣言】の儀式のような準備が行われていることが、判明しましたーーー!!」


 「まずは、アル(王太子アルバート)よ、お前の居城へ使者を送ろう。コゼットが誰かに操られているんだろう。まさか、西エルムズ国の奴らかな?」


 伝令が「いえ! 違うと思います。『歴代の正妃...』から他に情報があって、まだ照合中ですが...。あ! 差し出たことをしました。失礼しました」


 「いや、未確認でも良い。未確認と区別を言えば情報は参考になる。申してみよ!」


 「今回の件は、王都の自称正妃のイザベラが絡んでいるようです。どうやらコゼットと二人で、和平交渉をするつもりのようです。おそらく、この国を南地方と北地方に分けるつもりのようです」


 「なにを言っているんだ! 我々を通さずに、勝手に交渉を決めても国の誰も認めるハズがないだろう!!」


 「いえ、ですから、確認中なのです。でも、この情報は他のルートでも流れているのか、西エルムズ国の上層部も、突然流れたように焦っているようです」


 「では、コゼットが単独で行っているんだな!!」


 「はい、そのような動きをしているように、みえます」


 「よし、いまはアルの居城の戦力を分析してだな、...そうだ!! それも含めて、南地方の陸の将軍サザウス殿とも相談をするべきだな!!」


 「アル、王都の自称正妃のイザベラと王太子妃コゼットだけでは、国の代表になることは、出来ない!!」


 「そう誰もが思うからこそ、その真意に注意をしなければ、いけないんだ。西エルムズ国も関係がないとは断言はできない。やはり、将軍サザウス殿と対策を講じることが、必要だな!!」


 アルは「叔父上、分かりました。すぐに、会議を行いましょう」と、将軍サザウス殿へ緊急の会議招集の連絡を手配した!!


 「それと、叔父上『歴代の正妃が引き継ぐ情報網』を一体、誰が引き継いだのか? 母の後を引き継ぐことなど、決して有りえない!!」


 「うん、そうだったな!! よし、それも含めて検討が必要だな!!」




〔ユリウス様とリリアーヌの驚き〕


 ユリウス様とリリアーヌも、『歴代の正妃が引き継ぐ情報網』からの発信を受けて、驚いていた。


 「王都の自称正妃のイザベラと王太子妃コゼットだけでは、国の代表になることは、出来ない!!」


 この二人も、そう思った。だったら何故そんな暴挙に出たんだろう!! しばらく、二人共考え込んでいた。


 しかし、ユリウス様は「そうか!! リザリアや王女様からの連絡に入っていたんだーーー!!」


 リリアーヌが「ユリウス様は何か分かったのですか?」


 「うん、そうだ!! この暴挙に出るには、役者が必要なんだーーー!!」


 「当然、誰もが思う、王都の自称正妃のイザベラと王太子妃コゼットだけでは、国の代表になることは、出来ない!!」


 「これに必要な役者は、王弟殿下と王太子殿下、それと、王女エリーヌだ!!」


 「今頃は、焦っていて気付かないか、気付いても軽く考えるあの二人がいて揃うことなんだーーー!!」


 リリアーヌは、ハットした「王女エリーヌは、アリシアで充分だった!! なのかしら!!」


 「リリアーヌ、その通りだ!! もとより、領都シュトガドルに居る、王女エリーヌを捕らえことなど必要がないんだ!!」


 「それに、領都シュトガドルに居るのは、英雄リザリア、英雄王女エリーヌ、この二人を捕らえることなど、容易にはできない!!」


 「だからこの二人が、領都シュトガドルに居るからこそ、王太子殿下の居城を舞台に選んでいるんだ!!」


 ユリウス様とリリアーヌは、リザリアに連絡を取ったり、色々な手配や準備を始めたのだった。



 さー、王都の自称正妃のイザベラと王太子妃コゼット!! この二人の狡猾こうかつさが次第に明らかになっていく!!


次回、

王妃イザベラの和平交渉【波紋その2】

 どう展開されるのか...


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