#27 ○現王妃イザベラと王太子妃コゼットの悪だくみ(3)
◇◇◇◇◇◇『エミリアの日常』
〔グリーンベリー摘み〕
①牢獄に捕らわれたマリアは...
〔地下牢の《緑の聖女》〕
〔王妃イザベラの侍女達の説明〕
〔リリアーヌの心配〕
②幽閉の塔
をおくります。
◇◇◇◇◇◇『エミリアの日常』
〔グリーンベリー摘み〕
いまは、エルナちゃんとグリーンベリーを摘みに来ている。エルナちゃんは群生地をよく知っていて助かる。
そして、グリーンベリーの収穫について詳しい「エミリア、その辺はまだ摘まないでね!! まだ、色が薄いでしょう! 後から来る人にも残せるからね!」エルナちゃんは詳しい! いえ! 詳し過ぎるんだーーー!!
そして、「ほら! エミリア気を付けて、そこの緑の草は浮草だよーーー!! そこに、落ちるとドブくさくなるよーーー!!」
「えー! ここドブなの? ヤダーーー!!」私は嫌そうな顔をしたー。そうかー臭い沼なんだーーー!!
「もう、エミリアったら、まだ落ちていないでしょう!! これから落ちる予定でもあるのー! ドブくさくなったら、一緒に帰ってあげないからねーーー!!」
いやー! グリーンベリーの群生地知ってるっていいなー と思ったんだけどね。オモイッキリ、レアな場所にあるし、滑って落ちやすいし、落ちたらドブくさくなって、一緒に帰ってもらえないしーねーーー!! 美味しい思いをするための苦労を実感したーーー!!
何とか、滑って落ちずにグリーンベリー摘みが終わったーーー!! 私もエルナちゃんも、クモの糸やそれに絡まった落ち葉などが付いていた。私は、よく知られている、生活魔法のクリーンを使った。さあー! 私達は、爽快な清潔感を感じられたー!
「ねー、エルナちゃん。生活魔法のクリーンって、気持ちよくて、爽やかになるでしょう」
「そーね、この魔法は自分以外にも使えるんだねー。今度、教えてねー!」
そしてエルナちゃんが「ねーエミリア、この魔法を知っているなら。もう沼の淵を教えなくても、大丈夫だねー!」
私は思わず「えー! どーしてなのー! クリーンでも臭いが強いと落ちないこともあるし、瞬間でもドブ臭くなるのは、嫌だー!」
私はまた思わず、スッゴク嫌そうな顔をして首を横に振っていた。
「もー、エミリアったら、冗談だからねー! 私も一人で帰りたくないよ、一緒に帰ってねー」とエルナちゃんが言った。
私はエルナちゃんの顔を見たら心配そうに、私を見ている。それで、二人して、オモイッキリ笑い出した。二人で手をつないで、一緒に帰った。
◇◇牢獄に捕らわれたマリアは...
〔地下牢の《緑の聖女》〕
いま、マリアは《緑の聖女》エリカとして、誘拐されて、王城の浅い地下牢に捕らわれている。
さあー、さっきの『お前天罰を受けたんだー!!』の男達はチャント報告を上げたんだろうか? マリアはその後の変化を楽しみにしていた。
さっきの男達が持って来た夕食を眺めている。ふーん、下級侍女達が食べる食事だねー。久し振りに見る、騎士団や兵団で食べていたものと同じようなものだ。ゴロゴロ野菜の入ったスープと固いパン。これを探知でスキャンしてみた。
うーん、睡眠薬成分が入っているねー! あいつら、聖女様と城外で拾った娘の区別がつかないのかー? さっき牢に入ってきた男は本気で聖女様に手を出すつもりだったねーーー!!
と、分析して怒っていると、複数の足音が近付いてきた。女性の足音も二人くらい混じっているねー。
声が響いてきた。「いやー、うちの大将達は誘拐が成功したんで、オレたちに聖女様を渡して、サッサト祝賀会を始めちゃいましてー! 仕方なく、他の捕縛者とは別つにするんで、ここに入れたんでサー!」
「それじゃあ、ギラームはあなた達に聖女様の扱いを、何も指示していないのね!! しかも、あの男、指先に天罰まで受けて!! このまま、イザベラ様に伝えたら、あなた達グループは処分されてしまうからね!! もう、同郷のよしみで取り立てやったのにー!」
マリアは、やはり面白いことに、なっているなー! と笑いをこらえていた。
牢獄の前にきたので、見ると王宮侍女が二人、さっきの報告すると言ってた男と、酔いがまわった男が数人いた。
年配の侍女は「聖女様、申し訳ありません、手違いでこのようなところにご案内しまして。今回は国のために、ご案内させて頂きました。ご滞在場所は手配できておりますので、丁重にご案内さしあげます」
私はションボリした風を装って、首をコクットと縦にした。そして、侍女達の案内について行った。
◇◇◇◇◇◇
〔王妃イザベラの侍女達の説明〕
いま私は、王城内の幽閉の塔にいて、ここへ案内してくれた侍女達の説明を聞いている。
「聖女様、実は私達は王妃イザベラ様の侍女でございます。本来であれば王妃様から直に、ご説明すべきではあります。ですが、ご存知だとは思いますが、国が争い事で乱れております。この混乱を収めるために奔走しており、時間が取れません」
「王妃様は、南地方の主に収まるご予定の方と和平を結ぼうとしています。今のこの国は東と西のエルムズ国に狙われております。そのため一刻の猶予もございません。この混乱をいち早く収めるために、聖女様のお力が必要です」
「いまは、西のエルムズ国は収穫の時期であるのに、もう一歩のところで生育が止まり、収穫が出来ません。南地方の主を通して、西のエルムズ国の収穫を聖女様のお力で、お助けして頂ければ、この国に平和が取り戻せます」
「聖女様に於いては、大変乱暴なことと感じられると思います。しかし、この和平に反対する勢力が動かないため、仕方なく行動をさせて頂きました。一時的なことになるので、是非聖女様のお力でご協力をお願い致します」
うーん、マリアは以前王女様のお茶会で見た、エミリアの知り合いの聖女様なら、このくらいの説明に納得するかな? あの聖女様達は、すぐに怯えてパニック状態になるからなー。こんな言葉を冷静に聞かないやと思った。が、でもこの先を進めないとねーと思った。
《緑の聖女》は、しばし間をおいて、首を縦にコクットとした。
侍女達は「聖女様、ありがとうございます。それでは、聖女様のお力のご協力をお願いします」
マリアは、カベのすき間からチョコンと出た、ネズミの気配に気付いた。それをチラット見ると、手で『いいね』をしているなー!
目で、よろしくとアイコンタクトをとった。これで、今の情報を外へ伝達ができる。
それにしても、凄いなー、エミリアは。王妃でないと引継げない情報網を、本当に引き継いジャッテいるよーーー!!
あのリザリア師匠が見つけてなければ、さっきの牢獄みたいな事になっただろう。この紙一重の運命に感謝なのかなーと思った。
◇◇◇◇◇◇
〔リリアーヌの心配〕
リリアーヌは、リザリアからエミリアの作戦メンバー参加を聞いて、何の問題もなかった。ただ二つの事で心配になっていた。
ユリウスは、幽閉の塔があるシュトガドルの街の冒険者ギルドのギルド長の話をしていた。リザリアもエミリアに伝授を受けて上空を飛ぶ事ができて、マリアも入れて三人で上空から巨大なオーガ達を簡単に倒せる実力があることを説明していた。
でも、リリアーヌは、都市シュトルトであったユリウス様からのエミリアへの求婚(#15参照)の一件で、心の整理を始めていた。
あの一件以来、王女様ではなく、エミリアとして少しづつは心の整理は進んでいた。
ところが、先日、リザリアから連絡で、エミリアはこの国の王妃でなければ引継げない、歴代の正妃だけが引継げる、王家の大切な情報網の継承者だと連絡にアッタのだ!!
それさえなければ、エミリアの実力は目の前で、西方諸国一番の賢者を倒した英雄であるから、この作戦の仲間にして良かったと思えたハズだった。
リリアーヌにとっては、『ガラーム将軍が忠誠を誓い』、『王家の大切な情報網の継承者』がまるで、王女エリーヌだと思えてならなく、なってしまったのだ。
「いづれ、正妃になられる大切なお方に思える。そんな方を作戦に参加させて、実戦の最前線で戦闘をさせてもいいのかしら?」
いま「マリアが《緑の聖女》として潜入に成功」と入った連絡が、王妃様の情報網が発信元であり、「本当に継承し、稼働することが確認」されてしまったことになるのだ!!
ユリウス様は、整然と理論を進めているだけではあの時、そう都市シュトルトで気付いたリリアーヌへの気遣いに、また水を差すことになると気付いたのであった。
うん!! これは急いではカエッテダメなことだ。単純に理論で押し込んではいけないんだ!! リリアーヌと一緒に徐々に解決しようと思うのであった。
しかし、ふと気付いた。そうだこの作戦のもう一人の参謀であるリザリアだ!! リリアーヌの幼なじみである!! ユリウスはこのリリアーヌの件について、リザリアに相談することにした。活路はここだ!! すぐに連絡の手配を進めた。
◇◇幽閉の塔
今日エミリアは、エルナちゃんとグリーンベリーを摘みに行く約束をしていた。
リザリア師匠は、いつも通りに王女様の姿で王女様のベッドで寝そべっている。今日は、マリアの作戦決行があるから、いつでも「王妃様の情報網」から発信が受けれるようにしている。王城の地下へ魔導通信機を送ってあるからだ。
エミリアには発信が受けられる魔導通信機をあの時(魔獣討伐戦)に渡してある。エルナちゃんもエミリアから相談があり、私の配下の魔導師見習になっている。
いざマリアを救出する時の対策も、準備している。リザリアは、この時間をユリウス様からの相談事を考える事にしていた。ドキドキしながらマリアの作戦を待っていたくなかったからだ。あのマリアだ! イザというときは救出まで、モチコタエルだろう、と。
そうだー、リリアーヌの件だったねー。最近の連絡では、王女様とエミリアは別の人って理解してきていたのにー! 王妃様や王女様の権威を守ることに、固執し過ぎなんだよねー。
どーしたもんかなー。私が『王家の大切な情報網の継承者』と連絡したからなんだけどもねー。じゃあー私が悪いのかー。うーん、私のストーリーでは、アリシアを王妃にして、エミリアはアリシアとして側妃になればいいなー、だったんだよねー。
どーせ、王弟殿下と王太子殿下じゃあ、この国の浪費にしかならないしーねー。まーユリウス様はエミリアちゃんにも本気で興味がありそうだしー。簡単なのは、エミリアは嫌がっているけど欠けたピースに収まるの一番だけどねー。
眠くなったのか、リザリアの志向は怠惰になって来ていた。そこに、突然の魔導通信機の受信が光ったー!
「やったーーー!! さすがマリアだー! 潜入成功かー! それと、背後関係が分かってきたのかー。やるなー! マリアー! 私の弟子だー!」とまた、ベッドの上でコロコロと転がり始めて喜んだー!
「リリアーヌの件は、仲間に入るのを、反対までしていないんだからー。もう少し先にある変化でも機会がありそうだー」と安心できる連絡を受けたので、そのまま眠ってしまっっていた。
次回、
・王妃イザベラの元に潜入したマリアは...
・現王妃イザベラと王太子妃コゼットは戦乱で橋が閉鎖中...
どう展開するのか...
ユリウス様、リリアーヌも、どう進む...




