#19 ○幽閉の地で冒険者始めました
城下の街にやっときました...
冒険者始めました...
シールドで無双しちゃったよ...
◇◇城下の街にやっときました
今日は、やーーっと城下の街へ買い物に来ているよ。
前から約束していた侍女エルナちゃんと街へ一緒に買い物に行った。
王都では馬車で通っているので、いつも眺めるだけだった。
王都修道院や王都の神殿、パレードで立ち寄った美しい街並みも眺めるだけだった。
自分の足で歩くからなのか、異世界・ファンタジーな街並みを、オモイッキリーーー!! の実感で味わっているーーー!!
少し、気持ちが高揚して歩いていたら、エルナちゃんに「あんまりキョロキョロしていると、辺境地出身者だと思われちゃいますよ」と言われてしまった。
エルナちゃんは、「変な人に目を付けられないようにしましょう」と言っていた。
しまった!! そうだねーー! こんな人が本当の王女様だったら困ちゃうよねー!
まずは、商業ギルドへ立ち寄った。エルナちゃんは商業ギルドは初めてらしく、今度はエルナちゃんが、キョロキョロしている。
エルナちゃんは、エミリアさんっていつもは気さくな人だけど、こんなところに来るような人だったんですね。と固くなっている。
エルナちゃんへ、アメを渡して座って待ってもらった。
受付嬢が初めてのお客様だから、少し警戒してると感じた。そこで宮廷侍女エミリアのパス(証)を提示して話してみた。
受付嬢は「ああ、先日王弟殿下の所に来られた方ですか」と納得していた。
エミリアの預金カードで下して、直ぐに両替をする。エルナちゃんが、市場では銀貨じゃないとお釣りに困るからと教えてくれた。
その後、私もエルナちゃんも少し落ち着いてきた。そこから市場へ向かった。何か良い調味料があればいいなー。
市場でワサビ見ーつけた! と思った。まだ乾燥していないので、いいなーと見ている。とお店の人がサビカラミはよく効く魔除けの道具だよ。お姉さんは何か食べ物にみえていそうだけど、と言われた。
私は手にとって、匂いまで嗅いでいた。うーん、この形とこの匂いワサビだー!
お店の人は「乾燥させて粉にした物はなめるとカラ味があるよ」と教えてくれた。そうか乾燥したのは練りワサビだね。
エルナちゃんは「えー、食べるの?」と見ている。
食べ物じゃなくて「コショウみたいな使い方をするのよ」と安心してもらった。
お店の人は、コショウのキーワードに興味があったようだ。そこでカラシを聞くと「ああソーセージに付ける奴ね」
私はそうか、カラシはチョリソーの方か、と思った。まあ、それに近い使い方と説明をした。でも「好みがあると思うよ」と言ったが、自分で色々と試すそうだ。
私は粉の方を買ってみた。牛肉っぽいステーキに付けてみようかなと思った。
街の広場まできた。色々な屋台があった。エルナちゃんお勧め屋台で串焼きとやきめん(えー、どーみても焼きうどんだよねー)を買ってみた。あと、パンケーキがあった(作り方がそうだった、麦芽糖?の水あめかけ)ので買ってみた。
エルナちゃんお勧めの串焼きとやきめんは美味しかった。やきめんは、魚醤で味付けされていた。
作り方パンケーキは、二枚の間にブルーベリーみたいなジャムが塗ってあって、久し振りに食べたと思った。日本でも自分で焼いて色々乗せたり、バターを乗せメイプルシロップで食べたりしたなーと思った。エルナちゃんも嬉しそうに食べていた。
そうだ! 材料とかバターや色々なジャムも買って、塔の調理器具で焼こうかな。マリア、エルナちゃんも一緒に食べよーと思った。
やきめんの屋台で魚醤のことを聞くと、お店を教えてくれた。エルナちゃんは隣の店で買い物をしている。私は、色々な種類があるので、迷っていた。そうだ!「広場の屋台で教わった」と言うと、「ああ、あれね」と出してくれた。
気づくと横に戦闘メイドのマリアがいた。
「魚醤やワサビ、いいですよねー。今度使いましょう」と嬉しそうにしていた。
マリアはいつもこんな現れ方だよなー、と思った。
◇◇冒険者始めました
エルナちゃんと冒険者ギルドへ行った。
エルナちゃんは、この時間が一番静かなタイミングなのと言っていた。中に入ると閑散として、ギルドの受付嬢もヒマそうにしていた。
エルナちゃんが、受付嬢の所に行くと「あらエルナ、こんな時間にどうしたの?」
そこで、私を指さして、この人の冒険者登録に来た、とを話す。
冒険者ギルドで申請書を記入した。 あとは冒険者ギルドの魔法適正チェックだった。適正は生活魔法だった。うん、鑑定も受けているし、知っていたーー!
受付嬢は「まずどんな人でも、薬草採取から始めますから」と説明してくれた。
また、生活魔法でも、薬草や素材採取が中心の素材採取者ならE級冒険者は出来ると言っていた。他に弓なども訓練次第でD級冒険者になった人がいることを説明してくれた。
え! これってー、私を慰めてくれているんだー! まあ、この受付嬢、いい人なんだー、と思った。
私は最初のF級冒険者から始めることになった。それで、職業は素材採取者で登録をお願いした。
フフー、名前は変えようと思っていた、がエルナちゃんがエミリアと呼んだので、エミリアで登録するしかなかった。
本当は『ミリア』とか『エミリ』とか考えたんだけどねー
ちなみに、エルナちゃんは、冒険者を二年もやっていてE級冒険者だった。うん、先輩ですねー。
あとエルナちゃんは、職業が『魔法師』だった。うーん、私は職業『町娘』なのに王女様にみられているんだなー、と思った。
エルナちゃんが「掲示板は朝早くから来ていいのを取らないと、ドブ掃除になっちゃうからねー」と言っていた。
さすがに「ドブ掃除はやだなー」という顔をすると、受付嬢のセシルさんが教えてくれた。
定番の薬草採取や、角ウサギや更に、大きなウサギ(ラージウサギ)もあるそうだ。冒険者ポケット手帳に乗っていた。
ああ! こいつらかー、焼いてもいいし、煮てもいい、良く集めて狩り取ったよー、と思った。
セシルが「でもウルフとかは、止めておいた方がいいですよ」と教えてくれた。
それでも「ゴブリンに襲われた時のために、短剣を持っていたほうがいいですよ。なければ冒険者ギルドで貸し出しますよ」
あと、エルナちゃんが「初心者に絡む冒険者に注意してね」と説明すると、セシルが「しばらくは大丈夫よ」と言っていた。
セシルは「D級冒険者でくすぶっていて、ゴロツキみたいな人達は、傭兵募集で集まって東国境へ行っているよ」と言っていた。
そうか、東国境って、東エルムズ国との国境ね。緊張しているとネズミさん達が言ってたね。
次はエルナちゃんの得意先、薬師の店に行った。
ここはエルナちゃんが、毒系キノコなどを持って行くそうだ。モチロン、デバフ系や魔獣除けの薬になるよ。
薬師の店に入った。薬師のおばあちゃんが出て来て、エルナちゃんと話している。
私は角ウサギとかラージウサギを集める薬草を探していた。
あれ? ポーションだ。この世界のポーションを初めて見た。
ふーん、色も少し違うなー。
何種類か買て行こうと思った。
が、あれ、気配の違和感に気付いた。
おばあちゃんの気配じゃない!
向うを見ると目があっちゃった!
お互い偽装していることを感じている。
気付かなければ良かったー。
面倒な気配を感じた。
必要な商品を持って、薬師の所に行く。
すると「リザリアに関係している人だね」と言われた。
エルナちゃんが、いるので変なゴマカシは止めた。
「ええ、そうです。リザリアの弟子になります」と、リザリアの配下のメダルを見せた。
「ほう、当たったね。でも私は顔つきがリザリアなので、親戚かと思った」そうだ、王弟殿下の所に来てるからね。
そして、エルナちゃんに「このおねちゃんは魔導師だから、頼んで教わりなさい」と言った。
そして、私が「師匠のお知り合いですか?」と聞いた。そう「幼なじみだよ」と言っていた。やはり、偽装か若いよねー。
でもエルナちゃんが「冒険者ギルドで、魔法は生活魔法だそうですよ」と言った。
おばあちゃんは「ほー、では組み合わせ方を教わるんだね。メダルを見ただろう、簡単には王宮魔導師見習いにもなれないよ」
まあ「その辺のA級冒険者じゃあ、相手にもならないからね」
そして「いいかい、いま私が言った、このおねえさんのことは、絶対に秘密にしなさい。あなたがついて行くならどこまでも大きくしてくれる人だからね」
取りあえず、おばあちゃんの名前を聞いた「ベルザだよ」と言っていた。後で師匠に聞いてみようと思った。
結構なところまで、見破られているなー、と感じた。面倒な気配は当たって欲しくなかったー、と思った。
◇◇シールドで無双しちゃったよ
翌日は、朝早くから城下の街へ出かけた。マリアには、私の食事は全て食べてーと頼んだ。
朝早くから露店の屋台はお店を開けていた。ヨシヨシ、私はやきめんとパンケーキふうを堪能した。
ブルーベリージャムみたいな風味はいいねー、と思った。
お昼用に、ベーコンを焼いてパンに挟んだものと、パンを薄く切って油で揚げたものを買込んだ。
さあ、今晩は、ウサギのガーリック・バター・魚醤のステーキを食べるぞー! と領都の西の草原に出かけた。
エルナちゃんに聞いた通り、領都の西の草原には孤児院の子達が後から来た。冒険者ギルドは10才くらいから登録ができるようだ。
私は薬草採取を昼前には終えた。サーチのスキルを思い出していて良かったー。
お昼を食べていると、孤児院の子達の視線を感じていた。子供たちは6名くらい、ちょうどいいね。私はシートを大きく広げて引率者を呼んだ。パンを薄く切って油で揚げたものを見せて一緒に食べたいと呼んでもらった。飲み物は持って来ていた。
昨日の市場で買った、はちみつを持ってきていた。はちみつを嬉しそうにかけていた。はちみつも庶民には貴重な品だよねー。
何か、子供たちの嬉しそうに食べている笑顔が、いいなーと思った。けっこう、薬草を集めていた。
私が「ゴブリンみかける?」
「ううん、いないと思う」と子供たち。
「ウサギは?」
「それなら、あっちは大きいの。こっちは小さいのでたくさんいる」と指をさして教えてくれた。
引率の人は「私らは、ウサギはスバシッコクて追いつかないし、角で刺されると危ないので、取ったりしません」と言っていた。
「それなら、少し取ってみますね」と話した。
よし! ウサギは競合しないねー!
「おねーさん、ごちそうさまー」と引率者
「おねーさん、美味しかったー」
「おねーさん私、はちみつ初めてなのー、甘くって美味しかったよー」
子供たちは、色々と喜んでくれていたようだった。
あー、王城の離宮に閉じ込められていたしー! たまにこういう触れ合いも、いいなーと思った。
私は子供たちと分かれて、午後からウサギ狩りと思っていたがー。何か集団に追われた人達...。冒険者が4~5人こちらに来る。
もー子供たちがいる所に、連れてくるなーと思った。
横を見ると戦闘メイドのマリアがいた「エミリアどうしますか?」マリアに子供たちを守るように言った。マリアは引率者と子供たちを誘導して草原の高台に避難していった。マリアがいるから、あんな雑魚たちなら大丈夫!
気配から先頭集団はゴブリン系...。ゴブリン、ゴブリンアーチャ(弓兵)、ゴブリンメイジ(魔法使い)、ゴブリンナイト(騎士)ホブゴブリン、...まだいるよ。オーク、オークジェネラル達までーー! 多すぎると思った。
冒険者達が見えた。今日の私は魔導師姿。冒険者達に、バラケロー(散れ)と合図をした。一人づつに散ってくれた。
うん、よしよし、冒険者一人づつに集団ができた。集団は5つ...。私はそこで、ドーム型シールドで包んで、中を水で密閉した。そして、じょじょに熱水にして行く。
冒険者達はこちらに向かって来た。私はドームの囲いから外れた奴をお願いした。冒険者達は外れ者達を倒していった。
私は、ホブゴブリンとオークジェネラルがドーム内にいることを確認していた。ほどなくして、ドーム内のゴブリン系とオーク系は片付いたようだった。
冒険者達はパーティでオークキラーズと名乗った。何とC級冒険者達でした。
オークとゴブリンで90匹程度はいた。ゴブリンは討伐証明を切り取った。そして、オークキラーズの魔法使いが炭にした。
オークは30匹くらいで、マジックバッグには入り切れない。仕方がないので、イベントリに入れたようにしてストレージに入れた。
孤児院の子達と引率者はマリアが送って行ってくれた。
「おねーさん、魔法使いなんだねー」
「おねーさん、わたし魔法使いに、なりたいなー」
「おねーさん、強いんだねー」
「おねーさん、怖かったけどー、私達を守ってくれたおねーさんも、つよいねー」
そうか、子供たちのところにも、外れ者達が行って、マリアが倒してくれていたのかー。
「おねーさん、ありがとう、おかげさまで、みんなは無事ですから。助かりましたー」引率者が頭を下げると、子供たちもペコッと一緒に頭を下げていた。
子供たちが、無事で、パニックを起こさないで、良かったー。と、何か少しだけホットした。
小さい頃の体験をプラスへ持っていければ、あの中から冒険者も出てくるかなっと、思った。
うー、それにしても、また何かに巻き込まれてしまったー
だが、あの冒険者達はとんでもないねー! どうしてここまで、連れてくるんだよー、と思もった。
あの冒険者達と、この後に続くだろう面倒な事について、少し話し合いをする方向を思いついた。
私は、オークキラーズへ、冒険者証を見せながら、今日から活動を始めた新人冒険者なんだけどねー。
オークキラーズのメンバーは、冒険者証を見ながら、クチグチに驚いていた。
「えー、あれだけの数のゴブリンやオークを簡単に片づけていって...」
「新人冒険者のエミリアさんってー...」
そこで、私はリザリアのメダルを見せながら「これって見たことがある?」
片側は王宮所属のマーク、もう片側は魔導師団所属とリザリア配下のマークがある。
私は「戦闘がねー素人ではないのー。魔導師団のリザリア配下なのよー」と言った。
オークキラーズのリーダーは、分かったようだった。
「つまり、俺たちは、おねーさんが、何かの任務をしていたのに邪魔しちゃったってことですか?」
「まあ、そこまで重要なことをしてないけどねー、この状態なら冒険者ギルドへ行くと、どうなると思うの?」
オークキラーズのメンバー達は顔を見合わせていたが、
「それは間違いなく、ギルド長から呼び出されて、色々と聞かれることになるでしょう!」
「えーと、リザリアさんって、あの西側諸国一番の賢者を倒した英雄の一人ですよねー!」
「うー、ウワサでは、王弟殿下の所に滞在されてますよねー」
「そう、あの方は私の師匠なのー。だから、今日は師匠に手料理でウサギ肉でもご馳走したかっただけなのー」
「だから今日は、あなたたちで報告をして、私は単なる荷物はこびで、良いと思うのー」
「でも、あなたたちも、ギルド長に責められるから、私は明日冒険者ギルドへ行くからねー」
オークキラーズのメンバー達は相談して「分かりました。今日は私達で報告をします。明日は必ず来て下さいねー」
城下の街へ戻り、冒険者ギルドへ報告に行った。オークキラーズ達が報告をしている。
取りあえず、私は手伝っただけですよ...の態で、オーク達を解体場にドドンと出した。
解体場はパニックになった。「えー! オークジェネラルを入れて30匹あまり...」
「あいつら、何をしてこんなに狩ってきたんだよー...」
「おねーさん、イベントリ持ちだったんですねー。容量が大き過ぎません?」
「えー、新人冒険者?」
私は「いえー、荷物運びを手伝っただけですよー」と、取りあえず、今日はスルーさせた。
そして、受付嬢セシルのところへ行き、薬草採取の報告をした。
セシルは「エミリア、きょうは、初めてなのに、良くガンバリました」と褒めてくれた。
うーん、セシルも明日来たら、大変になる予感しかしないねー! ふー!
さー、帰って師匠のごきげんとりして、明日は大事にならないようにしないとねー、考え込みながら塔へ向かっている。
すると、マリアの気配がした。
「エミリアさん、みなさんを送ってきましたー」
マリアはいつもに増して、人懐こく感じるねー。
「マリア、ありがとー。ご苦労様でしたー」
「それと、先程の戦闘で、ついでに大きなウサギを狩っておきましたよー。リザリアさんウサギ肉のステーキが大好きなんです。エミリアさんが手料理が出来れば、私もワサビを付けたり、ガーリック・バター・魚醤ソースで食べたいですねー」
「うん、マリア、ナイス! 今日は私が腕を振るって、手料理を作るよー。楽しみにしてねー」
「良かったー! エミリアさんって手料理ができるんですねー」と嬉しそうにしていた。
何か、こういう人達が私にはいるから、私も明るくなれることが多いなーと感じた。
孤児院の子達は無事に、元気に帰って行きました
次回は師匠のごきげんとり...
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