#69 ○エルムズ王国の歩み(4)〔その1〕
①○エルムズ王国の歩み(4)#69 〔その1〕
◇◇ネリアーナ...君を守る⑥
◇◇ネリアーナ...君を守る⑥
「お初におめにかかります、私はエミリアです。エルムズ国の宮廷魔導師をしています。これから面白いショーを始めまーす」
なんだー、今度は余興かー、殿下の考えは相変わらず幼子のようだなー、これにも付き合わされるのかー! じょうだんじゃねー
エミリアは球体を取り出し、プロジェクターのようにミラージュで、壁に投影を始めた。
「侯爵様、この風景は見覚えがありますか?」
あれ、この家の中は、ワシの家の中じゃないかー、なにを企んでいるのかなー
「あれ、お返事がありませんねー、見覚えがないようですねー、少しづつ移動しますので、思い出されるといいですわねー」
どこにワナがあるか、わかったもんじゃない、黙っとこうー
あれ、階段を上って、廊下に行って、ワシの書斎の前じゃないかー! フッ、扉が簡単に開くものかー、そうかこれは幻影魔法かー
「あれー、割と今回の主題みたいなところまで来ましたが、見覚えがないんですねー、これは困りましたねー」
ワシに幻影魔法を見せても、驚いてやらないぞー! ふん、小物魔導師の女めー!
あれ、書斎の隠し部屋だー! なんで知っているんだー! まるで本物を見ているようだなー! あ、こいつは盗人か?
「えーと、隠し金庫を開けたんですがー、この箱をここに出してもいいでしょうか?」
「ああ、かまわん、どうせ似たような箱を作ったんだろう、どこかに仕掛けをしてあるんだろうなー」とニコニコと見破ったつもりで対応をしてくれるのー、予想通りねー
「それでは、箱を出します。意外とキレイにしてますね」箱があらわれ、補佐官の近くのテーブルに乗せられた。
「それでは、侯爵様、この箱を開けても、よろしいでしょうかー?」
「ああ、かまわんよ」
「はい、許可が出たので、開けちゃいますねー、本当は侯爵様がお持ちの封印のアイテムで開けるのですが、許可が出ているので開けちゃいますねー」
ほー、盗人だけあって、よく知っているなー、封印のアイテムがなければ、簡単には開かないぞー! どーするのかな?
「はい、それでは『解呪』と言うと、ポンと空いてしまった」
ふん、よくできているショーだな、この女よく見るとまだ若いなー、見世物にでも使ってやるかなー
「はい、それでは、これが最後です、侯爵様ー、箱の中のものを、自由に見てもいいでしょうか?」
ははー、これがワナのつもりかー、確かにこの女かわいい感じもするし、見世物としては悪くないなー
「ああ、かまわんよ」
「補佐官殿ー、自由な閲覧の許可を貰っていますからー、調べてくださいなー」
補佐官は、首をコクッとしてから、色々と中身を調べ出したー
ふん、どうせ何かデッチアゲているんだろうが、知らないで、通せるだろうなー
補佐官は「中々、面白いものが沢山見つかりましたねー」
「まー、先ずは主題にそっていきます。侯爵様は大変几帳面ですね『ネリアーナの留学生への指示書』草案ですねー、『ネリアーナを犯罪者としての引き渡し指示書』これも草案ですねー、それと、『偽造した国王の印章』が見つかりましたねー」
「おや、侯爵様は、デッチアゲの証拠みたいな表情ですね、では大聖堂のウラ帳簿も見覚えがないですか?」
侯爵様はいきなり見せられたので、動揺は隠せなかったー
「おお、記憶にありますかー、次は手紙で大聖女とのですかね、『次期聖女はアネットで決めろ』、『邪魔なネリアーナはワシが国外に留学させる』みたなものもありますねー、いやー、オモシロ、ビックリ箱ですねー」
補佐官が、いちいちに、侯爵様へ提示して見せるたびに。ビクッとしていた。
それと、あなたのご嫡男や二男の方のサインが入った、不正な帳簿などもありますなー、これでは侯爵様の家門はお取潰しですねー、と言いながら、殿下を見たー
「父上、お願いがございます。今回の告発に、思い切って俺と共に戦ったアルデスの罪の減刑を、頼みます」
「なるほどのう、おい侯爵、この罪を認めるなら、このアルデスに家門を継がせて残してやっても、いいからな、どうだー」
「それとも、死罪となり、家門を潰した責任を祖先におわびに行きたいかー、どっちだー」
デウザナ侯爵は「...罪をみとめます。その代わり...我が家門を残して、頂きたいです」と背中を丸めて、膝をカックリ落としていたー
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