#68 ○エルムズ王国の歩み(3)〔その1〕
①○エルムズ王国の歩み(3)#68 〔その1〕
◇◇ネリアーナ...君を守る①
◇◇ネリアーナ...君を守る①
「エミリア、相談は聞いているよ、ネリアーナを切り捨てるようなら、我が国はあなたが育てた聖女様を頂いちゃうからね」師匠ーと同じことを言っていた。
「分かりました、王太子サウベロと直ぐに、連絡を取りますから」と言うと、「いいえ、こちらに来ると連絡が入っているから、ここで待ってましょう」とリリーは言っていた。
城門の衛兵から、訪問者到着を知らせる伝令が来た。
訪問者は、王太子サウベロ、大使、王女ミレーヌだった。
直ぐに、リリーが自らお迎えに行っていた。
私達は、応接の間に移動した。
王太子サウベロ、大使、王女ミレーヌが、応接の間に入ってきた。
女王様即位式の夜会で既に挨拶はしているため、簡単な挨拶になった。
大使から、説明を始めようとしたが、王太子サウベロが、話を止めた。
「大変失礼でありますが、先に聞きたいことがあります。ネリアーナは無事でしょうか?」
リリーが「はい、現在は我が国の女性騎士団で保護をしています。ご無事ですよ」
大使が「えー、我が国としましては、本国からの指示がございまして、ネリアーナは我が国の罪人として、引き渡して頂きたいとの意向でございます」
リリーが「これは、想定外の要求をされますのねー。昨晩、不審者に誘拐されそうになった方が、突然罪人に変るのですね。失礼ですが、まるで自国内の他領地へ出すような要求ですね。国際感覚がとても溢れすぎて、器から流れ出している様な、中々面白いご冗談ですこと」
「はい、大変申し訳ないです。実は本国からの指令書に不審な点があって確認中でもありました」
リリーは「それでは、いつ起こった犯罪なのでしょうか?」
「それが、先月になっています」
「貴国の留学生のネリアーナさんは、学園をお休みしていたんでしょうか? 今朝、学業報告を聞きましたが、無遅刻、無欠席の優秀な学生ですよ。大変つじつまが合いませんわ。やはり、これも国を越えた国際的な会話とはとても思えませんわ」
「貴国で、不要な人材であれば、我が国では表彰対象者です。『ワンダー聖女』という分類に値する優秀な聖女様を簡単に、国の都合で切り捨てるのであれば、我が国で頂きますねー。我が国では犯罪歴はございません。ではお引き取りください」
王女ミレーヌが「お話の途中で申し訳ありません。サウベローーー!!、あんたなんのために来たんだーーー!! 自分が王妃にしたいと思っている人を、他の国に差し上げるための、立会いかーーー!!」
「いや、違うんだー! まだこんな早くに事態が変ることを考えていなかっただろうー、ミレーヌ」
「国政は、色々と事情が変る、更に、国際的な流れも、常に変化するんだー、それに対応するのが、次期国王の役割だろうーーー!! 私は、あんたの王妃じゃないからねーーー!! 間違えないでね」
私は、凄いことになってきたなー、ここでは、先日の様な計画を立てる場じゃないんだよーーー!! と思ったわー
そこへ、リザリア師匠が、一人の男を連れて、入室してきたわーーー!!
「えー、みなさん、事態を変える切り札を連れて、きたわよー」
「みなさん。打ち合わせ中に失礼します。私は、デウザナ侯爵の三男でアルデスと申します」
ミレーヌが「黒幕の息子が何をしに来たんだー」と騒いだー
「えー、サウベロ殿下、ご無沙汰しています。昨年、デウザナ侯爵家から、勘当をされています」
「それは、ネリアーナさんを無理やり留学させたからです。国内ではまだ、ネリアーナさんを聖女様と後押しする勢力がいます」
「強引に留学させるため、『国王の印章を偽造』したことを知り、父のやり方に反対して、勘当されました。私は貿易商をしているので、国益を考えることも大切だと思っています」
「父には、国内しか見えていません。我が国が、良質な魔石をエルムズ国に輸出して繁栄し、エルムズ国の高速魔導船が海産物を効率的な輸送をして、更に繁栄していることを、分かっていません」
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