chapter47トラブル
「ただいまー」
拠点に着くとみんながごはんを食べ終わる時だったみたい
ゴブリンたちはおれをみて唖然としている
あれー?
「リュディアやっと帰ってきたか」
ボレスがそう言葉をかけてきた
「ああ
強い敵と出会っちゃって遅くなった」
「強い敵だと!?」
「うん
戦うことになったけどなんとか勝てた」
「それでそいつは?」
「これ」
おれは担いでる熊の腕を上げる
「なんかやばそうな感じがする
上位種しても勝てる気がしないんだが... 」
「めちゃくちゃ強かったからね
数時間戦ってた」
「そんなにか!?」
「ああ」
ボレスと会話してたら突然、嫌な気配がしたので自然にその気配のほうを振り向くおれ
「どうかしたか?」
「はぁ...
連れて来ちゃったか...」
「だからどうし...」
その気配のやつが姿を見せていた
ボレスはビックリし言葉を止め
ゴブリンたちは怯えた
「あいつらは?」
ボレスが言葉をかけてきた
そこにいたのは複数の"銀色の毛並みをした狼"
"フォレストウルフ"である
数は六匹
「フォレストウルフっていう魔獣だよ
あいつら連携して攻撃してくるかから、少し面倒なんだよね」
「強いのか?」
「そこそこまぁまぁ」
おれはボレスと会話しつつ狼の出方を伺う
こいつら逃がしたらめんどくさいことになりそうだから全員始末しないといけんよなぁ
狼たちもこちらを警戒している
先制してもいいが確実に避けられるし逃げられたらめんどくさい
この辺りの魔獣よりあいつらのほうが強いから気配察知で追えないことはないが...魔力はそれなりに回復してるとはいえ、全快ではないし現在進行形で疲労困憊だ
だからそんなことはしたくないし今は夜だ
夜中に追いかけっこは嫌だな
どうしようか悩んでいたら狼の一匹が向かってきた
他の狼たちもそれに伴い向かってきた
おれは迎撃する為、"ウインドカッター"を連続で放つ
狼たちは軽々と避けて回り込もうとしてくる
「させるかよ」
おれは狼たちの回りに炎の壁を出現させる
「"ファイアウォール"」
炎の影響で周囲が熱気と明るさに包まれる
狼たちは熱を嫌い全員でこちらに向かって来ている
先頭にいた狼が襲いかかってきたので
"ウインドネイル"で対処する
この時、周りに炎壁があった影響か"ウインドネイル"がその影響を受けて複数の狼を切断し燃やした
「え?」
おれはビックリして隙を見せてしまうが狼たちもそのことに驚きこちらに向かって来るのをやめて立ち止まり警戒している
使った指は3本だ
切断した狼の数は三匹
3本指で出せる威力と距離ではなかった
襲いかかってきた狼は1mもない
だからこいつがやられるのはわかる
2匹目が襲いかかってきた距離は3mくらいがあった
三匹目は4mくらい距離があったのだ
"ウインドネイル"は近距離用に作った魔法だ
1本~2本なら飛距離もある
だが3本以下は近距離用で"切断"するまでの威力至らない
"そういう風"に作った魔法なのだから
つまり"火と風により相乗効果"ということになる
「マジか」
"別々に魔法を使って"も"複合魔法"と同じ効果になるのか
"複合魔法"は"二つの魔法を同時に"使わないといけないから難しかったんだよね
"なんとなく"できるだろうという感覚でやっていた
おれは分析しつつ狼たちを見据える
残り三匹
狼たちは不利と感じ取ったのか
後退りして逃げようとしている
「逃がすわけないでしょ」
残りの狼たちは10m以内にいる
魔力もそんなに残っていないがなんとかなるだろう
「"ウインドブレット"」
おれが使える魔法の中で
一番"魔力消費"が少ない魔法を選択した
"風の弾丸"は炎壁の影響を受けて"灼熱の弾丸"となり狼たちを撃ち抜き
"狼たちの内側"から"灼熱の炎"で焼き尽くした
狼たちは「キャインキャイン」と吠えながらその場でもがき苦しみ死に絶えた
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