chapter40風魔法の実験 前編
魔力が回復するとはいえ、限りがあるものだ
おれは"ウインドスラッシング"ではなく"ウインドカッター"でぶっ放しながら奥へと進むことにしよう
人間の街があるのは
おれたちが拠点にしている"東側"らしい
だから拠点の拡張を反対側の"西"にしたのだ
森の奥と思われるでっかい樹があるのは"西南"だ
でもあれだな
樹木を切り倒してしまうから見晴らしは良くなるけど少し面倒なんだよなぁ
まぁ魔法を放つのはやめる気はないけど
森にはたくさんの魔獣がいる
仕留めるにもウインドカッターだと切断してしまい面倒だな
おれが良い感じの魔法を作ろうと考えているとボレスが話しかけてきた
「リュディア」
「なんだー?」
「この辺りに転がってる獲物は集めてもいいか?」
「好きにしていいよ
あ、そうだ
こういうのはどうだろうか?
ウインドネイル」
おれは指を三本にしてそ三本指に魔力を纏い前方に腕を振り下ろした
すると前方にあった樹木に三本線の傷ができ
範囲にあった草や枝は切断されている
よし成功だな
"ウインドカッター"を元にして作ってみた風魔法"風の爪"である
"ウインドカッター"よりも範囲も狭く消費魔力も少なく殺傷性を高めたいと思って作ってみた
"ウインドカッター"はまっすぐに飛び魔力が霧散するまで飛び続けあらゆるものを切断する
"ウインドスラッシング"はその上位互換
"ウインドカッター"より威力や切断力が高く持続性も高いのだ
この"ウインドネイル"は樹木や獲物に当たると霧散する微弱な魔力しかない
だが殺傷性は高く鋭利さを高めてみたのだ
実はこの魔法"指に魔力を纏う"ことができれば
指の本数は関係なかったりする
五本でもできるし一本でもできる
だが本数を増やすごとに消費魔力は増え殺傷性と威力が下がり、減らすごとに殺傷性と威力が上がるという能力がある魔力にしてみたのだけれど上手くできてるだろうか?
おれは三本指から五本指に変え魔力を纏わせ放つ
前方にあった樹木に五本線の傷ができるが三本線より浅い傷だった
五本のほうが範囲が広くなった
前方にある樹木を観察と分析しながら指を一本にして魔力を纏わせ魔法を放つ
すると目の前にあった樹木は切断され音を立てて倒れていった
25mほど風の斬撃は進み霧散して消えたが風の斬撃が通ったところは"ウインドカッター"を放ったみたいにあらゆるものが切断されていた
ふむ
威力は"ウインドカッター"以上"ウインドスラッシング"以下か
二本指でもやってみるか
おれは魔力を纏わせ魔法を放つ
風の斬撃はあらゆるものを切断し15mくらいところで霧散して消えた
威力は三本指以上一本指以下って感じだな
んじゃ、これは?
おれは指を拳銃みたいな形にする
人差し指と中指を伸ばし小指と薬指を折る
うーん
15年以上続いた忍者のマンガの白い目をした一族が指で攻撃するような形だよな
おれはそんなことを考えながら指に魔力を纏わせ魔法を放つ
すると使ってる指は二本なのにも関わらず
一本のときよりも威力と飛距離が上がった
"ウインドカッター"と同じように前方にあったあらゆるものを切断し40mくらいところで霧散して消えた
...あれ?
指を離して放ったときと指をくっつけて放ったときとで威力違いすぎない?
「先に進むか」
おれは樹木が倒れていく音を聞きながら森の奥へと向かった
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