chapter35備えあれば憂いなし
おれの告白にみんな驚いてるみたいだけどそんなことよりこれからのことを話したいんだよな
だからおれは
"パンパン"と手を叩き音を鳴らして話を戻すことにした
「それで話の続きをいいか?
だいぶ、脱線したけど」
「ああ
それで、なんだっけ?」
「これからのことだよ
人間たちが攻めてきてもいいように準備するのさ」
「準備?」
「そう、準備
まずは、戦力増強だな
まぁそれは繁殖すれば勝手になることだし
2つめはおれたちの進化だな
これもまぁ時間が経てばなるだろう
3つめは罠の設置とか拠点の増築とかかな」
「罠の設置はわかるが拠点を増築ってなんだ?」
「おれたちの拠点は今ここだろ?
まぁ棲みかを増やそうぜってことだな」
「なぜ、そんなことをする必要がある?」
「うーん、保険とか囮かな
おれたちゴブリンが全滅して種としての繁栄できなくなるのを避けるべきなのと囮の拠点を使えば人間たちは"これでゴブリンたちは全滅した"と都合よく思うことがある
その心理... 思い込みを利用するのさ」
「そんなこと本当にできるのか?」
「それはやってみないとわかんないね
でもこの森は危険地帯って話だし
人間たちも長居はしたくないはずだ
なら短期決戦を望むはず
派手にやると奥にいる魔獣たちを呼ぶかもしれないからね」
「お前はいいのかよ
ここの整備?してるんだろ?」
「奥から魔獣がきても殺せば問題ないだろ
殺られる前に殺る
生きるためには仕方のないことさ」
「お前がそう言うならいいけどよ」
「そういうことだから
やることはたくさんあるからみんな協力してくれ」
おれはボレスとそんな会話をしつつゴブリンたちにもそう聞かせた
■■■■
では昨日と同じようにだな
「それじゃ、狩りグループと拠点の整備グループに別れてくれ
これから忙しくなるからみんな覚悟するように」
「なにする気なんだ?」
ボレスがそんなこと言ってきた
「んー部隊とか作りたいなぁって思って」
「部隊?」
「これからゴブリンたちが増えるって言っただろ?
だから狩りするグループも増えるし開拓や整備するグループも増える
それらを統括する部隊を作りたいの
今は狩りを中心としてかな
飯がないとどうにもならんし
人間たちとの戦いの備えにもなる」
「人間の女を捕まえるのは?」
「彼女たちみたいにするのか
ありっちゃありだけどおすすめはしないかな」
「なんでだ?」
「人間は恐らく冒険者としての日が浅いだから簡単に捕虜にできた
だが攻めてくるの熟練の冒険者だ
冒険者としての経験は深く躊躇いもないと思う
彼女たちみたいにいくとは思えないからかな
捕虜にしても虎視眈々と機会を窺い殺しにくるだろうね
仲間を危険にさらすことになるし
ボレスおまえたちは今回は上手く行ったたけど今度も上手く行くとは限らないぞ
捕虜にするってことは敵を内側に入れてるんだ
足元を掬われることだってありえたんだぞ
気を付けてよ」
おれはボレスたちに注意する
「わかったよ」
ボレスは少しふてくされながら返事をした
「んじゃ、解散」
こうしておれたちは狩りグループと拠点の整備グループに別れ作業をこなすことになった
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