chapter83 道中にて
昼食を終え、仲間のゴブリンたちは拠点に残し、新入りのゴブリンと共に、以前おれが猿たちを撃退した場所へ向かった。距離にして1時間ほどだ。
場所に近づくにつれ、腐敗臭が漂い始めた。ゴブリンの体臭もきついが、それ以上に強烈な異臭だ。
「すごい……臭いでやすね……」
ホブゴブリンが耐えきれず呟く。他の新入りたちも顔をしかめる。
「死体を放置するとこうなる。だから適切な処理が必要なんだ」とおれは説明した。
「適切な処理?」
ホブゴブリンは首をかしげる。
「死体を燃やして骨だけにする。それが無理なら地面に埋める。埋めるだけでもだいぶマシになる」
「地面に埋めるのはわかるでやすが、燃やすんでやんす?」
「そうしないと危険なんだ」
「危険?」
ホブゴブリンは不思議そうに見上げる。
「病気が発生したり、放置した遺体がアンデッドになったり、瘴気が発生したりすることもある。場合によっては小規模なダンジョンができることもあるって話だ」
新入りたちは首をかしげたが、おれが丁寧に説明すると理解できたようだ。
「そんな……危険があるんでやんすね……
ダンジョンというのは興味深いでやんすが、ちょっと怖い気がしやす。
"ダンジョン"ってなんでやんすか?」
異臭がますます強まる中、雑談を交えながら目的地へと進んだ。
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