chapter82 新入りたちの頼み事
昼食を終え、朝の作業――風呂作りのための整地――に向かおうと拠点の洞窟を出ると、新入りのゴブリンたちが話しかけてきた。
「今日、群れに入れてもらったばかりなのに……こんなこと言うのもなんなんだが。ここに来る前に、仲間がたくさん死んでな。なんとかできないだろうか?」
ホブゴブリンの声には、悲しみと不安が混じっていた。
「なるほど、遺体を埋葬したい、ということか?」
「マイソウ?」
ホブゴブリンは首をかしげる。言葉の意味がまだよくわかっていないらしい。
「死んだ者を地面に埋めて、魂を神々のもとに送る行為だ。そう説明すればいいかな」
「そう、そんな感じのやつ」
「場所はどこだ?あまり遠くには行けないぞ」
新入りのゴブリンが指さした方向――南。
そこはおれの家の近く、以前…猿を撃退し、イノシシを放置してきたあたりだ。距離的にも無理はなさそうだ。
「わかった。行こう」
おれは立ち上がり、新入りのホブゴブリンと共に森へ向かった。
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