chapter80 ゴブリンたちの教育その3 狩りの指導その3
とは言ったものの、ここ周辺におれより強い相手はなかなかいないんだよな…。
南の、あのものすごく大きな大樹の方向から来る相手は強かったから、あの奥地にはおれも敵わない相手がいる可能性はあるけどね。
そんなことを考えながら、おれはゴブリンたちに指示を出す。
まぁ、今出てきているのはウサギや小さなネズミばかりだ。
メイジやゴブリナたちが「ウォール系」の魔法で逃げる獲物の行く手を塞ぎ、新入りたちに槍の使い方を教えながら仕留めさせる。
最初のうちは獲物を逃したり仕留め損ねたりしていたが、回数を重ねるうちにどんどん上手くなっていった。
数時間経つころには、新入りたちもサポートありで獲物を仕留められるようになっていた。
■■■■
「たくさん獲物を仕留めたし、拠点に戻ろうか」
そう言っておれはゴブリンたちに声をかけ、来た道を戻る。
みんなも獲物を持っておれの後をついてきた。
仕留めた獲物は、小さなネズミが100匹、角ウサギが120匹、跳ねウサギが50匹、そして赤いイノシシが1匹。
それから、ゴブリンメイジたちは新しい魔法を習得した。
回復魔法だ。
新入りたちが赤いイノシシの攻撃をかわしきれず、体をキバで引き裂かれたのを手当てしたのがきっかけだった。
オレはまだ回復魔法を習得できていないのに、やつらはなかなかのものだ。
赤いイノシシを背負いながら、負けていられないと思い、魔法の練習を頑張ろうと決意し、拠点の洞窟へ戻るのだった。
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