表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/19

黒船襲来

シャルロットとマリエルはとうとう貴族学園の最終学年の3年生になった。

今年の新1年生には第二王子のジルベール・ラ・トゥール殿下もいらっしゃったが、傾国の美女について王族各位に国王陛下より注意喚起があったらしく(マリエル情報)不用意な接触はない。

これでようやく肩の荷がおりたと思っていたら…


「シャルロット・アズナヴール!

貴女なのね?まあ…クッ、ほんとに凄い美貌なのね。悔しいけど。

でも、負けたまま国に帰るわけにはいかないのよ。

この私と勝負しなさい!」


3年Aクラスに突然乱入してきた新1年生の女子。

隣国の王女、ビアンカ・モンテリーゾ殿下であった。

ブルーグレーの髪に不思議に輝く黄色の瞳、吊り目で薄い唇。

なんか猫っぽい。

小さな身体でキャイキャイ言ってるのがまたいい。

ディオン王太子殿下との婚約話が流れたのはシャルロットのデビュタント時の噂が原因と一般には考えられているが、実のところ、この王女サマが恋愛結婚にこだわってラ・トゥール王国貴族学園に留学中、王太子殿下に「偶然」見初められてプロポーズを受けるというシナリオを勝手に思い描いていたからまったく進展しなかったのだった。

王太子殿下はすでに義妹マリエルと婚約済みなので留学する意味もないわけだが、ここで留学を取りやめたら「なんか負けた気がする」ということで来られたのだった。

こいつは逸材だ。


「分かりました、ビアンカ王女殿下。その勝負承りました。

では参りましょう。」

「え?何、待って…」


シャルロットとマリエルがそのまま教室を出ていく。

王女と侍女があわてて後を追う。

着いたのは王族専用サロン。

義妹マリエルは次期王太子妃なので使用権限があるのだ。


さあどうぞと促され王女が席につき、貴女もどうぞと侍女も座る。

4人でテーブルを囲むかたちとなったところでシャルロットはトランプを取り出して配りはじめる。

勝負はババ抜き。

ビアンカ王女は真剣だ。

他の3人が阿吽の呼吸でうまく勝たせ続け、シャルロットがガックリ項垂れて


「負けました…」


の宣言で終了となった。


「ふん、これに懲りたら王族には逆らわないことね。」

「はい、身の程を弁えず申し訳ございませんでした。」

「分かればいいのよ。その美貌も貴女のせいではないから、そうやって大人しくしていればいいのだわ。」


接待ババ抜きに上機嫌でちょっとデレる王女サマ。

可愛いかよ。

よほどお気に召したのか、あれから月に一度は勝負を挑まれるようになってしまった。

ツンデレ猫ちゃんを毎月愛でられると思えばかえってご褒美というものであった。


王族専用サロンはラ・トゥール王国の王族のものだがマリエル次期王太子妃が密かにかけあってくれてビアンカ王女殿下にも自由にお使いいただけることになった。

かつて残念ヒロインだったマリエルも随分と成長したものである。

そんな裏事情も知らずにドヤ顔でサロンに入り浸る王女サマはみんなの人気者だ。

常に上から目線なのにお菓子など献上されるとハムハムと幸せそうに咀嚼されている。

餌付けしてみんなが飼っているつもりの野良猫みたいなものである。


いつものようにビアンカ王女殿下がサロンに行くと先客がいた。

ジルベール第二王子殿下だった。

実は同じ1年Aクラスのクラスメートだったのだが第二王子殿下が地味メンだったため王女サマは認知されていなかったのだ。

地味メンといったが顔はイケメン、権力争いを嫌い空気に徹する術を身につけていらっしゃったのだ。

常にマイペースの王女サマであっても流石に王族、キチンとご挨拶されて軽く世間話など、卒なくこなされたとか。

それがキッカケとなって教室でも仲良く談笑されるようになり…

なぜかビアンカ王女殿下のかつてのシナリオが復活していて予定調和的にジルベール第二王子殿下がプロポーズして無事ご婚約が整ったという。

なぜだか遠因ではあるもののほぼ無関係のシャルロットの功績となっていて、愛の女神伝説の1ページに書き加えられたとか…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ