だんざいは ようすをみている
1学期の最終日。明日から夏休みというその日。
マリエルから報告があるとのことで下校からそのまま公爵邸に連れてきた。
もう何度か来ているのですっかり寛いで顔見知りの使用人にまで挨拶をしながら応接室へ。
(可愛い子。やっぱりヒロインね。愛されキャラだわ。)
「シャルロット様、やりましたよ!やってやりましたよ!王太子を見事、釣り上げました。」
「おめでとうマリエル。それって将来の約束までされたってこと?」
「いいえそこまでは…でも彼から告白してくれて交際しようってことになって。」
「まあ!可愛い。あなた可愛いわよマリエル!」
「やめてくださいよーもー」
シャルロットが揶揄っても満面の笑みだ。
「なら、あれね。やっぱり身分なんだわ。お父様にお話してプランAを早急に進めなくては。」
「なんですか?プランAって。」
「王太子の意思を確認してもらってからになるけど、貴女は公爵家に養子として入ってもらいます。
私の…義妹になるのかしら?」
「わ、私が女神さまの義妹…ハッ!お姉さま!お姉さまとお呼びしても?」
「え、ええ。そうなったらね。」
「分かりました。やります。奴からプロポーズの言葉をもぎとってやりますとも!お姉さまのためならば!!!」
「なんか目的変わってないかしら?」
「みんなで幸せになればいいんですから細かいことは気にしない!」
「あ、はい。で、公爵家から王太子妃へというのは誰もが望むカタチなので、お父さまからプランAの GOが出たら王太子にも動きを伝えてくれていいわ。
そのほうがスムーズにプロポーズされるはずだから。頑張ってね、我が義妹ちゃん。」
「ウッ!心臓が痛い。鼻血出そう」
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ということで夏休み中にすべての準備が整い、秋の学園祭最終日の後夜祭舞踏会にてディオン・ラ・トゥール王太子殿下より皆にお知らせが。
「静粛に!頼む聞いてくれ!皆のものに伝えたいことがある!」
学園の舞踏会場の真ん中で王太子殿下がパートナーとして連れてきたピンク髪の1年生女子の腕をとりながら声を張り上げた。
「この度、私はこのマリエル・アズナヴール嬢と婚約することとなった!正式な婚約式の前に皆に伝えておく!」
会場が騒然となりあちこちからお祝いの言葉が飛ぶ。
「そして、この婚約にいたるまでひとかたならぬ助力をいただいたシャルロット・アズナヴール嬢に心からの感謝を!ありがとう!」
みんなの女神が良縁を運んだことが伝えられると先程以上の喧騒が。
(珍しくクロエがピリピリしてる…)
さっさとカップルに挨拶して退出すべきということで、いまだ見つめ合う2人に真っ先に声をかけた。
「王太子殿下、おめでとうございます。マリエルもおめでとう。
これからが大変ね。でも頑張るのよ。私も頑張って公爵になるわ。」
「シャルロット嬢、話すのは入学式以来だね。
フられ続きだったがこんな幸せを運んでくれたあなたに感謝したい。
あなたは傾国の美女なんかではない。愛の女神だった。」
「陛下からお聞きになっていたのですね。大変失礼いたしました。
殿下にそう言っていただけると心強いです。精進いたします。」
「お姉さま…わ、私、幸せでいっぱいです。すべてお姉さまのおかげです。ほんとにありがとう。」
「幸せになるのよ。公爵家で支えますからね。頼ってくださいね。未来の王妃さま。」
これ以降、シャルロットには愛の女神という二つ名が定着した。




