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42 たこ焼き大作戦1

「タコも釣れたし、そろそろ帰ってたこ焼きパーティするか!」

「そうだな。私は明石焼きがいいぞ」

「それは美味しいのかのう?」

「そっか、アマビエはタコ焼きを食べたことがないのか」

「アマビエさんも来る?」

 と愛吹が誘う。

「行って良いのかのう?」


「陸上でも平気なんなら、明日も釣りに来るつもりだから、海まで連れてきてやれるぞ、部屋はあるから問題ないけど、布団で寝れるのか?」

「布団と言うものは知らぬが、いつもは海底の洞窟で寝ておるから、多分、大丈夫じゃと思うがの」

「じゃぁ、決定ね。今日のお兄ちゃんって、変態だから二人になるのが怖いからね」

「愛吹ぅ~、お前、そんなひどいこと言うのかよー」

 俺は涙目になる。

「冗談よ」と愛吹は笑った。


「でも、そのスパンコールドレスは、目立つよな~」

「大丈夫じゃ、我は神臭のない者には見えぬでの」

「そうなの? じゃぁ、大丈夫かな?」

 ということで、アマビエを陸上にあげ、家に招待するという『たこ焼き大作戦』が始まった。


 船をマリーナに接岸し、道具を下ろす。

「釣れたかぁ~? 可愛い女の子を二人(・・)も連れて、若者は羨ましいなぁ」

 隣の駐艇場の顔見知りのおっちゃんが、目面しく声をかけてくる。「タコが五杯ほどかな」身内以外には、人見知りの激しい俺は、無愛想に答えた。まっ、いつもの通り、話は続かないが、やはりアマビエは見えていないようだ。

 四人で車に乗り込み、一度、蘭の家で蘭を降ろす。

「じゃ、お風呂に入ってから、後で行くぞ」


「着いたぞ」

「ほう、立派な家じゃのう」

 生まれた時には、この家だったので、築三十年は経っていると思うが、二階建てで二階は四部屋、一階は客間、リビングダイニングそれに物置部屋がある。二人で住むには広すぎる家だ。

「バカ神様、お風呂に入るか?」

「お風呂というのはなんじゃ?」

「身体を真水で洗って、温もる場所だよ」

「禊をする場所かの? 我の身体は今は仮初めの身体じゃから、特に汚れる心配もなく必要はないぞ」

「便利だなぁ~、じゃ、俺が先にシャワーだけ浴びさせてもらうな」

「じゃ、私がアマビエさんの相手しとく、お風呂代わりばんこね」


 シャワーを浴びてきて、愛吹と交代した。

「アレ? 雰囲気変わったな。着替えたのか?」

アマビエは俺がシャワーしている間に、白のキャミソールワンピース姿に変わっていた。

「陸におると、鱗が乾くのじゃ」

「それも、自前なのか?」

「そうじゃぞ、一度見ればマネ出来るでのう」

ボン・ボン・ボン

それを証明するかの様にアマビエは早替りをして見せる。

「へぇ、便利だなぁ」


「タコを下ごしらえするから、バカ神様はテレビでも見ててくれ」

 チャンネルを変えて、アマビエでも見れそうな自然ドキュメンタリー番組を見つけてやった。海がめが綺麗な海で泳ぐ映像が流れているのを、アマビエは気に入ったのか大人しく見ている。


 見た目は二十歳くらい、艶のある銀髪は肩まであり、その肩からは女性らしいなだらかな曲線が、小さいお尻まで延びている。短いスカートから、綺麗で白い素足がスラリと伸び、それを揃えてソファーに腰掛けている。

 目はリスのようにクリっとしていて、細い眉尻が上がり気味で、一番可愛いのは薄い薄情そうな唇で文句を言うように少し上がっている。俺は、イケズ美人ってイメージなんだけどな、でも笑うとかなり可愛い。


 また、じっくり見ているとヘンタイだとからかわれるので、俺はそそくさとカウンター越しのキッチンへ移動した。

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