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40 オクトパッシング2

 タコを釣るには、大きくはテンヤとタコエギの二種類があるが、どちらも底をトントンと叩くようにして、タコに誘いをかける。船の移動にあわせ、底を餌が歩くように移動しているように見えるそうで、タコの方から近づいてきて抱きつくらしい。タコが乗れば重くなるので、三秒ほどそのまま叩いて、大きくアワセを入れる。このズンっと来るのがイカとはまた違って特に面白い。

 

 タコ用の大きな鍼のついたエギに、四十号のナス型六角錘を足してリールを開放する、かなり重いセットだ。

 トン、トン、トン

 トン、トン、トン

 トン、トン、トン

「おっ!来たか?」

 トン、トン、トン

「そりゃぁ~!」

 大きく空あわせで、竿を振り上げる。

 ズン!

「乗ったぁ~」


「おっ、大ちゃんも来たかの?」

「やるな、大ちゃん」

 アマビエと蘭がこちらを見る。

「頑張れ、お兄ちゃん」

「おうよ。今夜はたこ焼きだぁ、から揚げだぁ~!」

 重い、底のゴミかなんかを引っ掛けたように重い。やっと上がってきた。大物だぁ~! 二キロ超えているんじゃないのか?

「でか! 怖っ!」三人が目を丸くして、代わり代わりに言う。

「これは、なかなかの大物だったぞ~」

 大物を見て、愛吹と蘭も気合が入る、釣りというのは面白いもので、気合を入れたから釣れるというものでもない。意外に、気合も何も入っていないような、呼ばれて振り返った瞬間に釣れたりすることもある。でも釣り人にとっては釣れたのと釣ったのでは大きな違いがある。やはり狙って釣ったという自己満足、自己陶酔は釣り人にとっては大事な要素であり、だからこそ、釣りという趣味は長続きする。


 一般に言われる、「釣り人は気長な人」というのは、間違いで、案外釣り人には短気な人が多い。気が短くて、仕掛けを次々と工夫したり、誘い方を変えたり、場所を変えたり、こういう釣り人が多いものだ。


 愛吹と蘭にも何匹かの追加があり、そろそろ神魚を釣りに行こうと移動した。愛吹には、七本鉤のサビキは扱いが難しいだろうから、二本鉤のジギングサビキに錘代わりにタイラバを付けてやる。タイラバサビキという仕掛けだ、先日、蘭が使った電動リールのタックルでやってみる。

 蘭は、今日はタコ釣りに使った新調のジギングロッドでジギングだ。愛吹の竿に早速何かがかかった、なんだ?

 上がってきたのは、ハマチの子供ツバスと大きなカサゴの神魚だった。

「きゃー、本当に消えた」

「うん、それで神力ゲットだ。身体のどこかを触ってみ、楽になるはずだ」

「ほんとだぁ~! 私も神力使えるぅ」

アマビエはずっと釣りを見て楽しそうにしている。


 蘭の竿が撓っている。

「やや! 大ちゃん、なんだか長いのが釣れたぞ~」

「なんだ? ダツか? 龍かもな?」

 前回、アマビエに龍も釣れると教えてもらったところだ。

「ハモだぁ~!」

「また、目面しいものを釣って」

 上がって来たのは、虹色の丸々としたハモだった。旨そうだけど、神魚だからなぁ~。


コロン

神石が出て来た。

「大ちゃん、この間も幾つか出て来たけど、これをどうやって使うのだ?」

「見てろよ」

ポケットの神石を握り俺は海を目掛けて手を翳し空気砲を放つ。以前と違って、神力も強くなってきたこともあり波頭が炸裂する。

「すごいなぁ~、どうやったのだ?」

「手の前の空気を飛ばす感じかな」


「こうか?」

 ヒュンっと蘭は手に持った竿を剣のように振る。

 パッパーン!!!

 波が切れるように飛沫を上げた。

「えっ?飛ぶ斬撃か?、神石も持たず何をやったんだ?」

 今度は俺が反対に蘭に聞く。

「神石は、ここだ」

 蘭が、胸のジッパーを開ける。ぼよよーん。タンクトップ姿の豊かすぎる胸と、はっきりとした谷間が出てきた。目が釘付けになって離せない。

「蘭…ノーブラか?」

「なっ! なにを見てるんだ大ちゃん! ここにぶら下げた神石だよ。大ちゃんに作ってもらったタイラバをペンダント代わりにぶら下げてるんだ」


 と、言われても、胸ばかりが気になって、気になって仕方が無い。

「お兄ちゃん信じられなーい!」

「大ちゃんなら見られてもいいけどな」

「大ちゃんは、おっぱいには弱いのう」

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