018 決戦 ラスト三戦
遅くなってぇ、ほんどうにぃ、もうじわげありまぜんでじだぁ!
8月から10月までは超絶忙しいのでまだ暫くは投稿ペース早く出来そうもありません。ごめんなさい。
はーい皆さん、円形リングの上からこんにちは!どうもクルスでございまます。
なんかスノウとかいうファン(仮)の参戦によって俺が戦わなくちゃいけなくなりやがりました。
ファーwww殴りてぇ。
目の前に居られるのは今回の対戦相手ロジーナ・フォン・スカイさん。どうやら侯爵令嬢らしいですね。しゅごい。
黄色味の強い金髪を後頭部で纏め、鋭い切れ目からは厳格な風貌が伝わってくる。
背筋をピシリと伸ばして立つ姿は、なんと凛々しいことか。見習えフレイニー。
「ま、まあスノウ様が都市伝説研究部に入られたのは驚いたけど、残り三戦、君らのチームは全て名前も聞いた事のないような一年。対してこっちは我が部でも選りすぐりの精鋭だ!最早僕の勝ちは決定だね!アッハハハハハハ!!」
スキロットがリング下からなんかほざいてる。あんなのを友達と思っていた時期が俺にもありました。
「大丈夫やクルス!負けてもお前の居場所はここにあるで!」
「そ、そうだよ!例え都市伝説研究部は廃部になっちゃったとしても、私たちはいつまでも一緒だよ!」
「······うぅ······タコさん、やめっ······ウィンナーに、しないで下さいましっ······」
後方の味方からも声援だ。一つトリッキーな寝言が入ってたけど。タコさんウィンナーに逆襲されてやがる。
でもあれ?おかしいな、誰も僕を信用してくれてないぞ?
「そこに立ったお前の勇気は認めるぞ!一年坊主!」
「私感動したわ。無理だとわかっていて尚前に出る勇気!」
「ちゃんと······最後まで見ていてやるからな······」
『おーと一年君、戦いから逃げません!男です!彼はとてつもなく男です!』
観客席も涙に沸き立っている。
無自覚が集団で俺を襲ってくる。こわい。
「······剣を交える前に、一つ謝っておきたい」
喧騒の中で、不思議とよく通る声を対戦相手3-Aロジーナ・フォン・スカイ先輩。
体を深く折り頭を下げる。綺麗なお辞儀だ。
「今回は、スキロットの暴走を止められず、誠に申し訳なかった」
地面を見つめたまま平民相手に謝罪する侯爵令嬢の姿に、再び会場はどよめく。
やだ男前。もう許しちゃう!
「だからこそ、誠意を持って全力で行かせてもらう!」
絶対許さねえ。どーげーざ、はいどーげーざ。
戦闘部族しかいない学園に嫌気がさす中、静かに腰の剣を抜いた。
銀色の剣。
刀身に施された細やかな彫刻が、浮世離れした美しさを醸し出している。
空気が張り詰める。
誰もが、その剣の格を無意識の内に感じ取ったのだ。
ジーナ先輩もレイピアを引き抜く。
彼女の頬は微かに強ばっている。
両者構え。
──いざ、
「クルス、行きまぁああああす!!」
クルスの足元の地面が割れる。
次いでその姿が掻き消えたと思うと、
ジーナは負けていた。